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「上から目線」とは? 心理と特徴&直し方を解説

高見綾(心理カウンセラー)

上から目線の人に共通する特徴や心理、上から目線の人への対処法を心理カウンセラーの高見綾さんに解説してもらいました。

上から目線とは、上から物を見るような人を見下した言動をすること。

尊敬している人から言われる分には気にならないものですが、そうでない場合は、イラッとしてしまうものです。

今回は、上から目線の人に共通する特徴や心理、対処法を説明します。身近にいて困っている方はぜひ参考にしてみてください。

また、上から目線だと思われないようにするための会話のコツについてもご紹介します。

上から目線とは?

そもそも「上から目線」とはどういうことなのでしょうか。まずは言葉の意味をおさらいしていきましょう。

言葉の意味

上(うえ)から目線(めせん) の解説
俗に、上の立場の者が下の者に対して示す言動。人に対して露骨に見下した態度を取ること。

上から目線とは、自分と対等または下の立場の人が偉そうな言動を取ることを指します。

上から目線を英語で言うと「condescending」

上から目線という言葉を英語にすると、

・condescending
・patronizingly

など、「軽蔑的な」というニュアンスを持つ単語が当てはまります。

上から目線な話し方・言動の例

例えば、以下のような話し方や態度は「上から目線」だと感じられてしまうかもしれません。

・同僚に雑用をしておくように指図する

・先輩社員に仕事のダメ出しをする

・「もっと○○しなきゃ!」と聞かれていないのにアドバイスする

注意したいのが、受け取り方や関係性によっては上記が全て「上から目線」だとは限らないということ。

例えば、仕事を円滑に進めるためには雑用を誰かにお願いしなければならなかったり、先輩や上司など目上の人に対してもネガティブな意見を伝えなければならなかったりするシーンはあるでしょう。

大切なのは「上から目線だ」と相手に感じられないような話し方を意識することです。

上から目線の人に共通する特徴って?

上から目線の人には、以下のような特徴があります。

(1)聞いてもいないのにアドバイスをする

こちらから求めたわけではないのに、「教えてあげる」という態度でアドバイスをしてきます。

たとえ親切心からではあっても、無意識で自分のほうが優れていると思っているのが伝わると、「上から目線」だと思われてしまうでしょう。

(2)自慢話が多い

聞いてもいないのにうんちくを語ったり、人の話題を取って、自分の自慢話にすり替えたりしてしまいます。

話を大きく盛っていることがあるのも、上から目線な人の特徴です。

(3)競争心が強い

自分に自信がないため、他人に勝つことで安心を得ようとします。

劣等感が強く、他人と自分を比べて何かと張り合ってしまうのです。

(4)相手にダメ出しをする

上から目線な人は、自分を肯定するために相手を否定する傾向にあります。

自分の方が上だと認識しているので、相手にすごいところがあっても認めたくないという心理が働くのでしょう。

(5)人の気持ちを考えていない

「自分がこういう発言をしたらどう受け取られるか」という想像ができないのも、上から目線な人の特徴です。

また、TPOや立場に応じた会話をすることは苦手。不器用で人の気持ちに無頓着だと言えるでしょう。

なぜ上から目線な言動を取ってしまうのか

基本的に上から目線な態度を取る人は、相手よりも自分のほうが優れていると思っています。

とはいえ、自信満々かといえばそうではなく、むしろ気が弱くて自信のない人が多いです。

これまでの人生で他人より優れた実績を残せておらず、自分は優秀だという感覚を持てたことがない人が、上から目線になりやすいのです。

劣等感が強く「自分は相手よりも劣っている」と思うのも、周りに思われるのも怖いのです。

「上から物を言わないと、なめられてしまう」「上から物を言わないと、相手にしてもらえない」といった怖れや不安を強く持っています。

そのため、上から目線な態度を取ることで、自分が優位にいることが感じられると安心するのでしょう。

自分を守ることに一生懸命になっているため、対等性という意識に欠け、自分や相手の力を正しく見極めることが苦手です。

指摘してOK? 上から目線な人への対処法

上から目線の人とは、実際どう付き合っていけばいいのでしょうか。友達、上司、後輩、恋人の4パターンについて、対処法を解説します。

友達の場合

上から目線で接してくる人は、自分を大きく見せたいがために話を盛る傾向にあります。

友達が話している内容もオーバーになっている可能性があるので、話半分に聞いておきましょう。実際に、後で別の友達に聞いてみたら、ニュアンスがかなり違った、というのはよくある話です。

友達のことを、「自信がないんだな」「怖がりなんだな」と理解する目で見てみると、イライラが収まって冷静になれます。軽く受け流しつつ、適度な距離で付き合うといいでしょう。

上司の場合

上司は立場が上なので、上から目線で接してこられても仕方ないと言えます。

とはいえ「おまえはここがダメなんだ」などと高圧的な態度だと、やはり不愉快に感じてしまうかもしれません。

上から目線で話してくる人は承認欲求が強いため、肯定してあげることがひとつの方法です。「上司を尊重していますよ」という態度を取るといいでしょう。

上司に何か言われてイラッとする時は、自分の中に競争意識や劣等感がある時です。「自分も張り合っているんだな」と理解した上で、気にしすぎないように、仕事に集中するのがおすすめです。

後輩の場合

後輩の場合は最初が肝心なので、関係性が固定されないうちに上手に指摘してあげるといいでしょう。

上から目線の発言があった時に、「いやいや(笑)、今のどこから物言ってるの?」と、ユーモアを交えて気づかせてあげると効果的です。

また、他の人に対して上から目線の言動があった場合には、「今のは偉そうに思われるからよくないよ」と具体的に教えてあげましょう。その際、後輩の話を聞いてあげることも忘れずに。

恋人の場合

恋人の場合は立場が台頭なので、上手に教えてあげるのがよい方法です。

例えば「明日会える?」と聞いた時に「会ってやってもいいよ」と言われたら、「いやー、すごい上から目線(笑)」と冗談っぽく言ってみましょう。その都度さりげなく言うことで、相手も気づきます。

ただしあまりにもひどいようなら、「そういう言い方をされると、私はすごく悲しい」と伝えましょう。我慢して飲み込んでいるとイライラがたまり、いつか怒りが爆発してしまいます。

そうならないように、日頃からコミュニケーションを取っておくといいですね。

また、恋人に尊敬できるところがあれば、「こういうところすごいよね」と伝えるのもおすすめです。

上から目線の改善方法

ここまで読んで、「もしかして自分も上から目線になってしまっているかも」と心配になった人もいるかもしれません。そんな時の改善策をお伝えします。

まず、アドバイスをやめることから意識するといいでしょう。例えば「恋愛で悩んでいるの」と言われた時、相手はアドバイスよりも話を聞いて共感してほしいと思っていると考えてください。

アドバイスがほしい時、ほとんどの人は「どうしたらいいと思う?」とはっきりと聞いてきます。もしそういった問いかけがなければ、アドバイスは求められていないというサイン。

アドバイスをしなくても、「そうなんだね」と親身になって聞くだけで、相手は自分で解決していくものです。

次に言葉使いです。発言内容は同じでも、言い方を柔らかく変えるだけで相手が受ける印象は変わります。上から目線だと思われる人は、ストレートな物言いで断定したり、批判的な口調になることが多いです。

例えば「○○さんは彼に対して遠慮しすぎ」「早くこの仕事やってよ」と言う時には、「○○さんは彼に対して遠慮してるところがあるんじゃないかな、どう?」「申し訳ないのだけど、この仕事早くしてもらえるとすごく助かる」など、自分はこう思うけど、あなたはどう? と疑問形にしたり、「申し訳ないのだけど」というクッション言葉を入れることで、相手が受け入れやすい表現になります。

また、「○○って分かる?」「そんなことも知らないの?」といった相手を試すような聞き方はしないように気をつけましょう。

上から目線とは、無意識に偉そうな態度を取ること

上から目線の人は、実は自信がなく、「嫌われたらどうしよう」「相手にされないかもしれない」といった怖れや不安の強い人です。そうした心理を理解して一歩引いて観察してみると、イライラが収まってきます。

冷静になれると、「その言い方はよくないと思うよ」と上手に教えてあげることもできます。

また、上から目線の言動にイラッとしたら、自分も相手に対する競争心や劣等感がないかチェックしてみると発見があるかもしれません。自分も上から目線にならないように気をつけながら、上手に付き合っていきましょう。

(高見綾)

※画像はイメージです

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