【新連載】妊娠……? それはあまりにも突然の出来事で
Story1 ★受胎告知
それは突然やってきた変化だった。
「えっ……」
口にしたカフェオレがまずい。おいしくない。
日曜のブランチは、わたしが掃除をしている間に、
いっしょに暮らしている創ちゃんが作ってくれる。
大学時代ずっとカフェでバイトしていた、
創ちゃんの作るブランチはなかなかにおいしく、
わたしは毎週日曜の朝を、
とても楽しみにしていた。
「創ちゃん、コーヒーの豆変えた?」
「いや、先週と同じだけど」
「あ……そう」
おかしいな、と思いながら、
チーズトーストを一口かじる。
……まずくはない。
でも塩味がキツく、パンのよい香りがない。
あわててハムエッグも食べてみるけれど、
ハムが妙に生臭い感じがしてしまう。
まるで、別人の体を借りたように、
ブランチが先週とまるで違う味だ。
「涼子、どうかした?」
創ちゃんが、心配そうにのぞき込んでいる。