流行語大賞にもノミネートした万能調味料「塩レモン」、冬の鍋でもすごいらしい
寒い季節に家族や仲間で楽しみたいお鍋。今年のトレンドは、2014年流行語大賞にもノミネートされた「塩レモン」を使った塩レモン鍋」。レシピ投稿サイト「クックパッド」の「今年作ってみたい鍋」アンケートでも1位にランクインしており、さっぱりとした風味が新鮮で、病みつきになると注目を集めています。 そんな塩レモン鍋について、『塩レモン』の名づけ親である料理研究家の赤坂みちよさんに教えてもらいました。
「塩レモン」ってなに? どうして人気が出たの?
「『塩レモン』は、その名のとおりレモンを塩漬けにしたもので、北アフリカで古くから使われている調味料。日本ではなじみがありませんでしたが、目新しいうえに保存も利き、さまざまな料理に活用できるため、近ごろ急激に人気を集めているようです。塩に漬けて発酵熟成させることで、レモン特有の強烈な酸味や苦味が穏やかになり、さわやかな独特の風味が生まれます」(赤坂さん)。
種以外なら、すべてを料理に利用できるのも塩レモンの魅力。果肉はそのまま煮込むことで鍋料理のだし代わりに、刻んでサラダやあえ物の味付けにと幅広い活用ができます。また、漬け汁は肉や魚料理の下味にも! 工夫次第で料理のレパートリーが広がる、まさに“万能調味料”ですね。
塩レモンの作り方
塩レモンが生まれたモロッコでは、皮ごとのレモンに切り込みを入れ、その切り込みに塩を詰めて漬けこむのが伝統的な作り方。今回は、日常でも作りやすいように赤坂さんが塩分10%で漬けるスタイルに改良し、「塩レモン」と名付けたレシピを紹介。雑誌「dancyu」や全国の地方紙などさまざまなメディアにも提供している注目の方法です。
材料(※作りやすい目安量)
・無農薬または国産レモン 小4~5個(500g)・自然塩 レモンの重さの10%(50g)
・750ml保存瓶
作り方
1.洗ったレモンの水気をふき、両端を少し切り落とした後、くし型に8等分する。2.消毒した保存瓶に、カットしたレモンと塩を交互に詰める。
3.1日に1~2回ゆすり、全体に塩をなじませる。
4.冷暗所で1カ月以上おく。
※1カ月後に果汁が少ない場合は10%の食塩水(煮て溶かして冷ましたもの)を注ぎ、レモンが浸る状態にする。
レモンをあらかじめ切ってから漬けることで、塩のなじみが早くなり、少量でも作りやすくなります。1年以上の常温保存が可能ですが、夏場はカビの心配があるため冷蔵庫で、冬でも室内が温かい場合は冷蔵にて保管しましょう。3カ月以上おくと熟成し、レモンの酸味や苦味がマイルドになります。
「青菜と豚肉のしゃぶしゃぶ」塩レモン鍋
塩レモンと昆布をベースにし、塩レモンピュレのたれで食べるお鍋。具は3~4種程度に抑え、シンプルに仕立てるのがポイントです。
材料(2人分)
・豚肩ロース肉の薄切り(しゃぶしゃぶ用) 200g・チンゲンサイ 1個
・白菜 4枚
・ニンジン 小1/4本
・生シイタケ 4個
・塩レモン 4切れ
・だし昆布 5cm
作り方
1.豚肉を多めの湯に入れてほぐし、肉の表面が白くなったら取り出し、ざるで湯をきる。2.チンゲンサイは根元を切り、葉をばらし、葉が大きい場合は縦半分に切る。
3.白菜は3cm幅の斜め切りにする。
4.ニンジンはピーラーで皮をむくように薄くスライス。
5.生シイタケは軸を除き、半分に切る。
6.土鍋に水2カップ、塩レモン、昆布を入れて中火にかける。
7.昆布が浮いたら取り出し、静かに煮立つのを待つ。
8.だしが煮立ち始めたら豚肉、チンゲンサイ、白菜、ニンジン、生シイタケをそれぞれ半分入れ、肉に火が通ったら箸で引き上げ、たれをつけて食べる。
9.具を食べ終えたら、残り半分の具を入れて同様に。
牛肉の薄切りや鶏肉のそぎ切り、小松菜、水菜、シイタケ、えのきたけなど好みに合わせて具材は自由に選択可能! あなただけのオリジナル鍋を楽しみましょう。
お鍋のつけだれ「塩レモンマスタード」
お鍋の漬けダレだけでなく、肉や魚のグリル用ソースに、オリーブ油と混ぜてサラダのドレッシングにとより気軽に幅広い日常料理に応用できます。
材料
・塩レモン 300g・マスタードシード 適量
作り方
1.塩レモン200gを用意し、種をとり除き、細かく刻む。2.漬け汁100gと(1)をミキサーにいれ、ピュレ状にする。
3.漬け汁で濃度を調節して塩レモンピュレのできあがり。
4.大さじ2の塩レモンピュレとぬるま湯でもどしたマスタードシード小さじ1/2をお好みで混ぜ合わせて完成。
(さとうまほ/Pistachio)