正しく使える?覚えておきたいお箸使いのマナー10「お客さまには割り箸を」「話をするときは、箸を置く」
お箸は私たち日本人の食事に欠かせないものといえるでしょう。普段から使用しているので、食べるときには問題ないかもしれません。しかし、「正しいお箸使いのマナー」については、自信がない人も多いのでは?
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今回は、マナー講師の平松幹夫先生に、正しいお箸使いのマナーを教えていただきました。
■1:箸は1寸先が命
「和食は礼儀・作法と共に、強い美意識がつきものです。箸や器の扱い方もしかりですが、箸を汚さないように食べることも大切。箸を汚しても良い部分は、箸先1寸(約3cm)とされています」
本来は、「箸先5分、長くて1寸」とされ、5分、つまり約1.5cmだけを使用するのがマナー。しかし、そんなに先の方だけでは、さすがに食べにくいため、「長くて1寸」とされているそうです。
■2:正しい箸の取り方、置き方
「箸の真ん中を右手で取り、左手を下から添え、さらに右手に持ち直す(右手を右端まで滑らせて、食べるときの形に持ちかえる)。この3つの動作が、美しい箸使いのポイントです。箸を置くときは、逆の順番でこの3つの動作を行います」
■3:箸とお椀を同時に持ちたいときは?
「知らない人も多いようですが、箸とお椀を同時に持ちたいときは、お椀を先に持ちましょう。まず、右手でお椀を取り上げ、左手でお椀の底を持ちます。右手をお椀から離し、箸の真ん中を持ち、左手の中指をお椀から浮かせ、箸をその指に掛けます。
そして、右手を右に滑らせ、箸の下をくぐらせて持ちます。この動作を、姿勢を正し、胸の高さで、指を揃えて行えば、より優雅になります」
■4:箸は箸置きに置くのが基本
「箸を置くときは『箸置き』に置くのが基本です。箸置きがないときは、箸先を小皿に乗せるか、箸袋で箸置きを作って置くのもおすすめです。また、お膳があれば、そのお膳の縁を箸置きの代わりにしても良いですね。
しかし、基本的に箸と箸置きはセットで使用するもの。もしお客さまに和食を提供するようなことがあれば、箸置きも準備しておきましょう」
■5:話をするときは、箸を置く
「飲みものをいただくときや、話をするときには、きちんと箸を箸置きに置きましょう。お椀を持ち上げるときも、先にお椀を持つのがマナーです。そのため、すでに箸を持っている場合なら、まずは箸を置いて、それからお椀を持つ。
そして、また箸を持つということになります」
■6:品の良い箸の持ち方、扱い方
「下の箸を、薬指の先端と親指・人さし指の股部で固定します。そして上の箸を親指、人さし指、中指の3本で動かします。ポイントは下の箸を固定することです。動かすのは上の箸のみ。また、持つ場所は箸全体の上部3分の1ほどのところで、箸の上側は2cmくらい開くようにしましょう」
■7:料理にレモンが添えられていたら?
「櫛形に切ったレモンなどが添えられている場合は、手で絞って構いません。手に果汁がついたら、懐紙でぬぐいます。絞ったあとのレモンは、お皿の上側(奧)へよけておくのがマナーです。
スライスしたレモンなどは、手で絞ることが難しいと思います。この場合には、箸を使ってレモンを料理に直接チョンチョンと何度かつけて、風味や香りを移します」
■8:お客さまには割り箸を
「自宅にお客さまをお招きするときには、できるだけ割り箸を準備しましょう。箸には格式というものがあります。両側が食べられるようになっている祝い箸は、もっとも格式の高い箸。これは結婚式や正月などの祝い膳を食するときに使用され、一度使用したら捨てるのが基本です。
そして、次が割り箸。これは『まだ誰も使用していない箸』ということで、お客さまをもてなす際に使用します。最後が個人箸(手元箸・塗り箸)で、決まった人だけが繰り返し使用する、いわゆるマイ箸です」
■9:割り箸を左右に割るのはNG
「正しい割り箸の使い方は、『両手で水平に持ち、上下に』割ります。左右には割りません。また、膳の上で割ることを避け、膝の上で割るようにします。ちなみに食事中は、割り箸の箸袋は御膳の左下に置きます」
■10:使用後の割り箸は「汚いもの」
「使用後の割り箸は『汚いもの』と考えられます。そのため、割り箸を使用して食事をしたら、最後は使い終わった割り箸を箸袋にきちんと納めるのがマナーです」
<まとめ>
和食にもいろいろな種類がありますが、食べるときに使用するのはお箸ですよね。かしこまった席で恥をかかないためにも、一度箸の扱い方を見直してみてはいかがでしょうか? 美しく箸を使えるようになれば、女子力アップ間違いなしです!
(OFFICE-SANGA 森川ほしの)