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本人や仲人にどう伝える? お見合いの断り方と文例

中村はるみ

小村由編

紹介者のすすめでお見合いをすることになったけど、正直そんなに乗り気ではない。結婚は望んでいるけど、今回のお見合い相手とは結婚を考えられない……。このような状況では、どのようにお断りをするべきなのでしょうか? 今回はお見合いを断る正式なマナーについて、夫婦円満コンサルタントの中村はるみさんに教えてもらいました。

会う前のお見合いを断るには

お見合い相手に会う前にその申し出を断りたい場合、どのような方法が相手に差し支えなくスムーズに断ることができるのでしょうか。恋愛とちがい、お見合いは仲介する人=紹介者がいますので、必ずその方を通して断るのがルールです。紹介者別の断り方をまとめました。

上司からの紹介

お見合いのステージは大きく4つに分けられ、各段階で断り方がちがいます。

1.釣書/身上書を受け取る前
2.釣書/身上書を受け取ったあと
3.お相手に1回会ったあと
4.数回デートをしたあと/お付き合いしたあと

上司のお見合い相手は、取引先や上司自身の血縁関係の方が多く、心遣いが必要です。ここでは特に、1と2の段階の断り方をみていきます。

釣書(身上書)を受け取らない断り方

お見合いする意思がまったくない場合、断るタイミングは話を持ちかけられたときです。すぐにハッキリと「ご遠慮させてください」と断りましょう。身上書などを開封しないことで「今はお見合いする意思がまったくないこと」を上司に伝えます。

「【御礼・感謝】ご紹介をいただいてうれしいです。ありがとうございます。

【断る理由】せっかくのお話ですが、今はまだ結婚より仕事が楽しく、結婚を考える余裕がありません。

【断り】申し訳ございませんが今回はご遠慮させてください。

【今後の関係作り】結婚を考えられるときがきましたら、改めて私からご相談させていただきます。そのときはよろしくお願いいたします」

「仕事がひと段落してから」「〇〇歳になったら」のような断り方は、後々またお見合いを勧められる可能性があります。「私からご相談させていただきます」と伝えると今後の紹介は減るはずです。

釣書(身上書)を受け取ったあとの断り方

身上書を受け取った当日や翌日に断ってしまうと「その気がないのに受け取った」と誤解させる要因になります。少なくとも1日は考えたフリをしましょう。断るのは翌々日ぐらいがいいでしょう。

「【御礼・感謝】ご紹介くださって、ありがとうございます。

【謙遜的理由】よく考えてみたのですが、私にはもったいないお相手です。

【理由】結婚する覚悟もできていなく、ご両親と同居は私にはできません。

【断り】せっかくご紹介していただいたのに申し訳ございませんが、ご遠慮させてください」

文例は上司とあなたの関係で変わります。丁寧な言葉使いで上司との関係を良好に保ちつつ、しっかりと断ることを意識しましょう。上司に断る場合の理由は、仕事に関するものなどにすると無難です。

礼儀に厳しい上司には「素敵な方ですが、私には荷が重すぎます」、フレンドリーな上司には「素敵な方ですが、まだ仕事を優先したいです」、上司との関係が良好なときは「相手を傷つけずにご遠慮したいのですが、適切な言葉がわかりません」と正直に頼るのもありです。

断り方のスタンスとしては、謙遜的断り方=自分の至らなさが原因。つまりどの場合も自分自身に原因があるというスタンスで、相手の欠点を断る理由にしないでください。

相手の性格や容姿など、具体的な理由はNG。曖昧な表現は避けるようにして、「なんとなく私と合わない気がしたので」程度にとどめておくのが無難です。または釣書に書かれていることを理由としましょう。「フィーリングが合わないので」「ご両親との同居は避けたいです」「教養のない私にはもったいない」「ご立派すぎる方なので、私とは釣り合わない」などと伝えたうえで、身上書や写真などはすべてお返しします。

親戚からの紹介

親戚や親の関係者からの紹介を断るのは、お見合いのお断りでももっとも面倒なものです。いざ断ると「お付き合いしてみたら?」「すぐには相性なんてわからないものよ」としつこくされるかもしれません。親と紹介者がタッグを組み、断ったら延々と愚痴を言い続けることもあります。

親戚からの紹介の場合、お見合いの断り方の基本として、「親に流されないで自分の気持ちを大切にすること」「はっきりと断ること」「両親に子離れをしてもらうチャンスと考えること」の3つがあげられます。

この3点をもとに「まったく結婚に興味がないのでお断りさせていただきます」と伝えましょう。また、断るときに「好きな人がいる」という嘘の理由を選んでしまうと、親の詮索を誘発し墓穴を掘ってしまいます。自身の親離れトレーニングと考え、戦略的に両親や親戚の話を穏やかに聞き、ガス抜きをしてあげましょう。さらに「私の人生だから、納得した人生を生きたい」「世間体ではなく、私を応援する親になってほしい」といったことを、日常でも親自身に伝えておくといいですね。

友人からの紹介

友人からのお見合いの紹介を断る場合も、基本は上司と同じです。一番無難な理由は「あなたをなんとも思っていない片思いの人」がいるという設定です。あとから「その人とはダメだった」と言えばいいのです。

友人からの紹介を上手に断る際は、「友人が、結婚したほうがいいと思ってくれていることを認める」「あなたに好意を持つ友人の親切を素直に受けとる」「自分の感性・感覚を大切にする」「今後も友人との関係を良好に保ちつつ、きっぱりと断ることを意識する」という4つのマインドを意識しましょう。

会ったあとの適切な断り方

では、お見合い相手と実際に対面したあとに断ることはできるのでしょうか。どうしても自分の納得できる相手ではなかった場合、無理してお付き合いをすることはできないものです。会ったあとでの適切な断り方について聞いてみました。

本人への伝え方

直接、メール、手紙……どう伝えるべきか

相手に1回会ったあとの場合も、紹介者から相手の方にお断りの旨を伝えてもらうことが基本。そのとき「お手数をおかけいたします。よろしくお願いいたします」の文言は必須です。お見合い相手には「紹介者を通すのがルール」と、自分の電話番号やLINEなどの連絡先を教えないでください。

複数回デートをしたあとであっても、基本的には紹介者から相手の方にお断りの旨を伝えてもらいます。ただし、直接しっかりとお断りしたほうがいいときもあります。相手の方と連絡できる関係まで進んでいたら、紹介者に「断る役」はお願いするのは負担です。

紹介者にお断りを伝えると同時に「○○さんに直接私のほうからお断りをしたいのですが、よろしいでしょうか」と確認し、対面や電話でお断りしましょう。このとき、相手に気を持たせるようなあいまいな言い方は厳禁です。

また、すでに連絡先などを交換した場合は、同意を得てお互いに削除しましょう。誠意をもって伝えるのが基本ということを常に認識してください。

断りをスムーズに承諾してもらうための準備

趣味がちがうことをアピールする

お見合い相手の趣味や希望を聞き出します。たとえば相手がアウトドア派の場合、あなたは家でネットゲームばかりやっているなど、相手もお互いの相性が悪いと感じればスムーズに断れます。

紹介者の言い分はきちんと聞く

男女の気持ちは話すと変わることがあります。数回会ったあとに「やっぱり波長が合わない」とお断りするのもよくあること。これを踏まえて紹介者の言い分を最後まで聞きましょう。そのあとでお断りすると悪印象は避けられます。

メールや手紙で断るときの文例

・紹介者への文例

「【季節の挨拶・拝啓】○○(紹介者)様、いかがお過ごしでしょうか?
さくらの季節も過ぎ本格的な春ですね。
××です。いつもお世話になっております。

【御礼】先日は素敵な方を紹介くださってありがとうございました。
(丁寧版:先日は素晴らしいご縁を紹介していただき感謝いたします。ありがとうございます)

【お断りの依頼】大変申し訳ございませんが、今回のお話は遠慮させていただきたいです。

【お断り理由】ご紹介頂きました□□(お見合い相手)様は大変ご立派で素敵な方ですが、結婚後の希望や考えに相違を感じました。
?
【お断りの意志】私のわがままで誠に心苦しく思います。本当にごめんなさい。ご理解いただけますと助かります。

【お断りの確認】お願いがございます。

□様に遠慮させていただくことをお伝えください。

なにとぞよろしくお取り計らいください。

【御礼の締め・敬具】○○様にはいつも感謝しております。これからも○○様とのご縁を大切にしていきたいと望んでおります。
よろしくお願いいたします。

・お相手への文例

【季節の挨拶・拝啓】
さくらの季節も過ぎ本格的な春です。

□様、××です。

【お断り】本題に入らせていただきます。
大変申し訳ございませんが、今回のお話は遠慮させていただきます。

【お断り理由】いろいろとお話もさせていただきましたが、私が至らない故に、□□様と結婚後の希望や考えに開きがあると感じました。またやさしいお兄さんのようで、結婚を意識できませんでした。

【お断りの意志】私のわがままで誠に心苦しく思いますがお許しください。

【御礼の締め/敬具】□□様のこれからのお幸せを影ながら祈っております。

紹介者に電話で断る場合も「御礼⇒お断りの依頼⇒お断り理由⇒お断りの確認⇒御礼の締め」この流れは変わりませんが、紹介者との関係で言葉の丁寧度は変わります。文語体に“本当にごめんなさい”など口語体を一文意識的に入れると謝罪の気持ちが自然に強調されるでしょう。「お断りの確認⇒御礼の締め」が入ることで、紹介者を立てながらお断りの意志を確実に伝えられます。本人には期待を持たせないようにキッパリと短く断ることが大切です。

仲人への伝え方とマナー

お見合いの暗黙の流れとルール(特に紹介者が年配の方の場合)

1.お見合いの返事は紹介者を通す(直接本人には伝えない)
2.お付き合いを決めるのはお見合い後1カ月以内(会う回数で言えば2~3回程度)
3.お付き合いがはじまれば3カ月以内に結婚するかどうかを決める

この流れを意識すると、お断りするタイミングがわかります。お見合いした相手の方や紹介者への配慮と敬意が最優先マナー。自分が関心のない異性に気を持たせないことが大切。結婚相談所の場合は、理由を正直に伝えると別の適切な方を紹介してくれます。さらにお相手にはうまく仲介人がお断りしますので気楽です。

お見合いを断る場合は紹介者への配慮と敬意を持って

お見合いは紹介者がいてこそ成り立ちます。紹介者が上司なのか、親戚なのか、友人なのかで断り方も変わってきます。また、あいまいな気持ちや、相手の性格や容姿などを理由にして断るのり方は不適切になりますので注意が必要です。どの場合でも言えるのは、紹介者を介した上で配慮と敬意を持ってお断りするのが適切な対応ということですね。

(文:中村はるみ、構成:小村由編)

※画像はイメージです。

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