お母さんのむし歯は、赤ちゃんにうつる!? むし歯の「母子伝播」とその対策とは?
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6月4日~10日は「歯と口の健康週間」。いつまでも健康な歯でいたいですよね。子どもの場合、デンタルケアがうまくいってないと、大人に比べて早くむし歯が進行するとも言われています。日本フィンランドむし歯予防研究会のWebサイトでは、「お母さんのむし歯が、赤ちゃんにうつってしまう!」ということに言及した興味深い記事も。そこで、お母さんと赤ちゃんのむし歯予防について、しらかば歯科クリニックの小川真彦院長にお話をうかがいました。
「生まれたばかりの赤ちゃんは、むし歯菌を持っていません。でも、お母さんやお父さんなど、周囲の大人たちが口移しで食べものを与えたり、親が使ったスプーンやお箸を赤ちゃんに使ったりすることで、赤ちゃんにむし歯菌がうつってしまいます(母子伝播)。さらに、食べものをフーフーして食べさせたり、キスをしたりといったことでも、むし歯菌がうつる可能性があります」(小川院長)
“お母さんのむし歯が赤ちゃんにうつる”ということが起こり得るのは、本当でした! また、妊娠したお母さんは、むし歯や歯周病になりやすいうえに、デンタルケアもおろそかになりがちだとのこと。
「最近の研究で、妊娠中に多い女性ホルモンには、ある歯周病菌の増殖を促したり、歯茎の炎症を悪化させたりする作用があることがわかっています。また、つわり中は吐き気をもよおすなど、歯ブラシを入れにくい状況になることも多いので、むし歯や歯周病により一層気をつけなければなりません。妊娠中からの母親のデンタルケアは、産まれてくる赤ちゃんのむし歯予防の第一歩なのです」(小川院長)
では、妊娠中からのむし歯予防法でオススメなのは何でしょうか? フィンランドでは、1980年代からキシリトールによるむし歯予防習慣の啓発を推進し、大学での研究が積極的に進められるほか、自治体がキシリトールガムを無償支給するなど、一般社会でのキシリトールによるむし歯予防も浸透しているのだとか。
「むし歯は、口のなかにいる“むし歯菌”と言われるミュータンス菌が原因。この菌は糖類を餌に増えますが、キシリトールは餌とならないため、ミュータンス菌の活動が抑制されます。さらにガムを噛むことにより、口のなかのバクテリアを洗い流す効果のある唾液の分泌がうながされます。むし歯予防には、50%以上キシリトールが含まれたガムを、1日3~4回に分けて継続的にかむことがオススメです」(小川院長)
大切な赤ちゃんにむし歯菌をうつさないためにも、妊娠中からのむし歯予防は大切。子どもへの感染の可能性を低くするためにも、自分自身のためにも、普段からのデンタルケアを見直してみませんか?
<プロフィール>
しらかば歯科クリニック院長・小川真彦さん。日本歯科大学歯学部卒業後、今井歯科クリニック、今宿歯科医院他勤務を経て、しらかば歯科クリニック開業。
●日本フィンランドむし歯予防研究会(大人と子どもの虫歯予防)
http://www.jfscp.gr.jp/
(取材協力:小川真彦、文:マイナビウーマン編集部)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2014年06月04日に公開されたものです