くうねるところにすむところ研究室 #07 棚を作る
暮らしにまつわるあれやこれやの実験を日夜、繰り返す。食べること、つくること、本を読むこと。全部が繋がって、染み込んで、続いていく毎日が健やかで楽しくなっていってくれたらと願っています。よりよく生きていきたいへなちょこ研究員、チェルシー舞花の連載。
こんにちは、チェルシーです。
前回の記事に引き続き、部屋のパワーアップに余念がないこのごろ。
私のおじいちゃんが工具箱を片手に、あれこれ必要なものは自分で作り足していくような人だったので、私もなんでも作れてしまう人になるべく。机の上に棚を作るためホームセンターに行ってきました。
買い物リスト
・2×4(ツーバイフォー):2本
・横板の木材:3枚
・ラブリコやディアウォールなど、つっぱりのパーツ:2セット
・木工用ビス
・L字パーツ:6個
木材のこと
2×4(ツーバイフォー)はホームセンターなどで簡単に手に入る木材で、「SPF(エスピーエフ)材」と呼ばれている。
木材はホームセンターによってはカットしてもらえるところもあるので、行く前に確認するといいかも。カット以外の加工もなんのその。穴あけや溝を彫ったり、面取りしてくださいとお願いすれば、木材の角を削ってくれる。ギンナン面、サジ面、アール加工、上下角面など、いろんな削り方があるので、いろいろ試したら楽しい。
どんな寸法で、何本必要かなど専用の紙に書いて渡すだけで加工してくれるので、ありがたい。
研究メモ
・「SPF」はカナダやアメリカ産の常緑針葉樹のマツの木やモミの木のことで、どれも成長が早く加工がしやすいことから、建築材である2×4材に適しているとして、昔から使われているそう。
・2x材(ツーバイ材)は、アメリカの建築で使用されているものなので、断面規格も「インチ」。木口の厚さが2インチ、幅が4インチから名前がきているものの、乾燥させる段階でサイズが変化するため、実寸ではちがうらしい。そして、長さ表記は「フィート」。あまり馴染みがないのですが、ミリ換算の規格を知っていると、設計するときに役立つので、軽くメモ。
収納棚を作る、おたすけパーツ
買い物リストに「ラブリコ」や「ディアウォール」と書いてありましたが、これは何かと言うと、天井や床や壁に傷をつけることなく、棚やラックができてしまう便利アイテム。2×4を差し込むとつっぱりになるもの、とでも申しましょうか。
見てもらったほうが早いかもしれません。こういうものです。
木材の上下にはめ込み、上のネジで強さを補強します。
今回、ラブリコのホワイトにしました。木材は作ってみて、色が気になったら塗装しようということで、今回はこのまま。引っ越すときもまたバラして、新しい部屋にあったサイズで作り変えたらいい。この気楽さがいい感じ。
いろんなホームセンターを巡った結果、このラブリコやディアウォールにあわせて、コーナーが設けられているところが多くて。少し大きめのところに行けば、2×4の木の種類が豊富で、パーツの色に合うよう白や茶にすでにペイントしてあるものなど、いたれりつくせり。
木材コーナーの人たちに教えてもらったんですが、SPF材は木目やヤニがでていたり、よくよく見ると乾燥の過程でねじれて曲がっていたりすることもあるので、選ぶときにちょっと気をつけたらよいよ、とのこと。
webでも木材をカットして配送してくれるところもありますし。
SPF材よりすこし値がはるものの、ウッドデッキや外で使うのに適している、赤松や防虫防腐のペイントがしてある木材も。今回買ったあとに気がついたんですが、ラブリコのパーツでアイアンのものもあって、かわいい。
部屋の雰囲気に合わせて、いろいろ試せてこりゃ楽しいぞと、思った次第です。
今回も電動のインパクトドライバーをホームセンターでレンタルして、ガシガシと作っていきます。
棚の設置実験
横板を1枚張ってみました。電気のスイッチと、インターホン、パソコンの関係上、ここがベスト。もともと持っていた引き出しを置いてみて確認。よさそうです。
1番上に2枚目を設置。右の天井に梁が通っているので、必然的にここで決定。
3枚目を真ん中に止めて、これにて完成!
電気やインターフォンなど、もろもろ避けるとここしかない、という感じで場所が決まった。棚の間の高さは35cm、横板用に買った木の幅もなんと35cm。このミラクルが地味にうれしい。
L字のパーツはホームセンターで一番、しっくりくる色味のものを買ったけれど、いま思うと西洋民芸の店「グランピエ」とかで、アイアンのものを買いに行ったらよかった。次また作り変えるときには、古道具屋さんとかに探しにいこう。
荷物をのせてみた。あっというに埋まりました。使い道はないけれど、ただただ、好きだわ……というものの、あるべき場所がようやっと見つかった。
目隠しに
インターホンの前に絵をおいてみたら、目隠しになっていい感じ。
この絵は、大阪の愉快な古道具屋さんで買ったもの。きっと、子どもが書いた絵がとてもうまくかけたから額装した、という風のもの。よくよく見ると、ノートだもの。なんだかやたら気に入っている。
家のお守り
バリに旅行したときに、アタの工房に行って買ってきた籠は、いろいろ入って便利。
あ、この人形。
「セワポロロ」。北海道に住む友人に家のお守りにといただいた。箱には網走民芸品ウイルタ人形「祝福の使者」と書いてあって、かわいい顔して、強そう。
樺太の先住民族、ウィルタの人たちの守り神。
ウィルタ族はもともと遊牧民。彼らはトナカイを飼育し、毛皮のテントで生活し、自然に頼る暮らし。厳しい自然の中で生き抜くため、動植物や無生物に精霊を宿していました。「セワ」とは神をさし、神像として身近な場所において願い事をして、感謝を欠かさないようにと、家のお守りのためや、狩猟を願うお祭り(オロチョンの火祭り)のときなどに作り出されていたようです。
箱を収納するスペースができました。箱への偏愛がまあまあ、ある。
やあ、できました
整理整頓がとても楽になったのでした 。
さあ、ながながと書きましたが、このタイプのものなら、朝から木材を買いに行って、組み立てて、ここまで1日でできちゃいます。
おためしあれ。
(写真・文:チェルシー舞花)
※この記事は2018年05月23日に公開されたものです