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2021年10月04日 17:46 更新

【医師監修】新生児のミルクの量はどのくらい?生後8日・半月など時期ごとの目安

ミルクは足りている? それとも多い? 初めて子育てをするママにとって、量は足りているか、間隔は適切かなど、ミルクの与え方は心配要素の1つでしょう。生後まもない頃はなおさらです。新生児に与えるミルクの量と間隔の目安についてお伝えします。

新生児へ与えるミルクの量と間隔の目安は?

新生児のために適量のミルクを図るスプーンと哺乳瓶
Lazy dummy

新生児期(生後0日から28日未満)は、生まれてから何日経過しているかによって与えるミルクの適量が変わってきます。新生児期の赤ちゃんは、授乳量も授乳時間も短いのが特徴的です。

※出生体重によっても変わってくるのですが、ここでは2,500g以上で生まれた赤ちゃんを例として目安を示します。

生後1週間まで|1回の量を1日10mlずつ増やす

生後7日目までの新生児のミルクの量について、一般的には以下のように増やしていきます。
■生後1週間の新生児のミルクの量

<1回の量>
・生後1日で20ml
・それ以降はこれに10mlずつ追加
<1日の回数>
 7〜8回

たとえば、生後2日では30ml、3日では40mlという感じで1回量を80mlまで増やしていきます。あくまでも目安であり、新生児の状態などによって変わることもあります。
産後は5日前後(帝王切開で10日前後)出産した病院で過ごすことになります。生まれてからの1週間程度はミルク量の目安が毎日少しずつ変わりますので、医師や助産師さんの指導に従ってください。

生後8日-生後半月-生後1ヶ月|80ml → 100〜120ml

生後8日目以降のミルクの目安は、以下のようになります。

■生後8日~生後半月までの新生児のミルクの量

<1回の量> 80ml
<1日の回数> 7~8回(1日の総量はおよそ560~640ml)

■生後半月~生後1ヶ月の新生児のミルクの量

<1回の量> 100~120ml
<1日の回数> 6~7回(1日の総量はおよそ600~840ml)

上記は、各ミルクメーカーに記載されている標準使用量(調乳量)をまとめたものです。メーカーによって1回の量が異なるので、記載された量を目安にするといいでしょう。
飲む量には個人差があるので、生後週数や体重だけで測れない部分もあります。もっとも大切なのは新生児のペースなので、調乳量をすべて飲ませようと必死になることはありません。目安量に神経質にならず、新生児の様子を見ながら調整してください。健康で体重がしっかり増えていれば、それが新生児にとって適切な量と言えます。間隔や1日の回数はあくまでも目安なので、新生児に合わせて調節してあげてください。新生児が健康で、体重がしっかり増えていっているようなら問題ありません。0~3ヶ月のころは、1日に25~30gが期待される増加量とされています。[*1]

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混合栄養の場合は母乳を飲ませてからミルクを

産後すぐは母乳の分泌が不十分であるのが一般的です。そのため、生後まもない頃はミルクと母乳の混合をすすめる産院も少なくありません。入院中は、母乳の分泌具合や新生児の発育状態など見てアドバイスを受けることができます。医師や助産師さんの指導に従い、与える量を決めましょう。

母乳とミルクの混合栄養にする場合の目安量というのは決まっていません。母乳の分泌が十分でないときは、まず母乳優先で授乳をしたうえで、量が足りないと思うときはミルクを足します。調乳量は生後週数や体重を目安としてください。ただ、母乳で与えた分もふまえ、飲ませすぎには注意しましょう。ぐずる・泣くなど、まだ飲み足りないような様子が見られたらもう少し飲ませるなど、新生児の様子を見ながら量を調節しましょう。

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ミルクの量、多い・少ないの判断

状況によって目安の量や回数を与えられていない場合は、体重が減ることなく、順調に増えていっているかをこまめに確認してみましょう。無理に飲まそうとせず、新生児のペースに合わせていいでしょう。ただし、あまりにも間隔があきすぎるようであれば脱水も心配ですので、眠っている場合でも優しく起こしてあげましょう。
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逆に、目安量をしっかり飲んでいるのに3時間経つ前に泣いてしまう場合は、お腹がすいて泣いているのか、その他の理由があるのかを見極めることが大切です。体重が順調に増えているようであれば、空腹で泣いているのではない可能性があります。抱っこしてあやしてあげる、おむつは濡れていないか、他に不快なことはないかなど様子を見てみましょう。

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哺乳量が足りないかもしれないサインとは?

母乳・ミルクに関係なく、哺乳量が不足すると栄養不足や脱水を招くことがあるので、常に十分な量を与えるよう努めましょう。繰り返しになりますが、飲む量には個人差があるため、目安量だけでは十分・不十分を測れない場合があります。目安量より少なくても大丈夫な新生児もいれば、目安量では足りない新生児もいるかもしれません。では哺乳量が不足しているかどうかは、どのようにチェックすればいいのでしょうか。代表的なサインをご紹介します。

サイン1. 新生児の体重が増えない

新生児の体重が増えないのは、栄養摂取に問題がある可能性が考えられます。生後3~4日間に多く見られる生理的体重減少(一時的に出生時よりも体重が減る生理現象)は除いて、通常であれば新生児は1日ごとに体重が増えていきます。

きちんとミルクや母乳を飲んでいるのに体重が増えない場合は、しっかり飲めているように思えても、実際には不足している可能性があります。量が適切かわからない、不足していないか気になるという場合は、体重の増加具合をこまめにチェックしてみましょう。増え方が気になるときは、一人で悩まずに地域の保健師さんなどに相談してください。問題点を調べ、適切なアドバイスがもらえるでしょう。

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サイン2. おしっこの回数が少ない

おしっこの回数が少ないのは、水分摂取量の不足が考えられます。一般的に、薄い色の尿が1日に7~8回程度出ていれば問題ないとされます。

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サイン3. 便秘ぎみ

便秘の原因にはいろいろなことが考えられますが、哺乳量が足りていないことによる水分不足も1つの要素となります。2~3日ほど出なくても定期的にスムーズな排便が見られるようなら便秘ではなく、それが新生児の排便ペースと考えられます。一般的に、母乳よりミルクの方が便は硬めで、回数も少なくなる傾向にあります。

ただ、排便が困難なほどウンチが硬い、ウンチのたびに苦しそうという場合は、便秘と言えるでしょう。授乳の量や回数を見直すと同時に、他の原因もあるかもしれないので、一度、医療機関に相談することをおすすめします。

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サイン4. 新生児に活気がない

新生児に活気がない場合も、ミルクが足りていないことが疑われます。病気など他の原因も考えられるので、このようなときはすぐに医療機関を受診してください。

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この他、飲んだ後にすぐ泣く場合や機嫌が悪い場合も、量が不足している可能性があります。ただ、この場合は、本当に不足しているわけではなく、新生児が「不足感」を覚えているだけかもしれません。ちょっとだけ足してみるなどして様子をみてください。
ぐずりがおさまらないときは、空腹以外の理由があるかもしれません。ゲップを手伝ったり、オムツの状態や部屋の温度を確かめたり、だっこしてあやすなどして、新生児の要求が何かを探ってみましょう。

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まとめ

生後半年くらいまでは母乳やミルクが新生児の唯一の栄養源になるので、十分な量を与えているかどうか心配になるのは当然のことです。母乳の場合は新生児がほしがるだけ与えましょう。ミルクの場合、基本的には、各メーカーが定めた週数・体重別の目安量を与えるようにし、新生児のペースに合わせながら調整してあげましょう。飲む量には個人差があるので、無理に飲ませる必要はありません。あくまでも目安としてとらえ、新生児の様子をしっかり観察しながら飲ませることが大切です。新生児に活気があり、排尿・排便もしっかりあって体重が順調に増えていれば、たとえ1回の量が目安より少なかったとしても問題はないでしょう。

飲む量が少なくてどうしても心配、しっかり飲ませているのに泣くのは足りないから? など、不安や疑問がある場合は、地域の保健師さんやかかりつけの医師、出産した病院の助産師さんなどに相談してください。一人で悩まず、適切なアドバイスを受けながらリラックスして育児に取り組んでくださいね。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.20)

※記事の修正を行いました(2019.06.04)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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