1ヶ月健診はなぜ必要?
まずは、どうして乳幼児健診を受けなければいけないのかについて簡単に説明します。
定期的な心身の健康状況の確認
乳幼児健診は心身の健康状況をチェックし、健康増進に役立てたり、乳幼児期に起こりうる病気や異常を一早く発見して治療のきっかけとなるよう行います。
そのため、1歳6ヶ月健診と3歳児健診に加え、必要とされる時期に妊産婦と乳幼児に対して健康診査を行うことが母子保健法で定められています。
1ヶ月健診では退院後の経過・状態をチェック
医療機関によっては産後2週間健診を行うところもありますが、一般的には1ヶ月健診が退院後初の健康診査になることが多いでしょう。
1ヶ月健診では、母子の健康状態や退院後の経過をチェックするのが主な目的となっています。市区町村で行われることは少なく、多くは出産した医療機関で退院時に日時を定めて行われます。母子ともに退院後の経過は順調か、体の異常は見られないかを確認し、今後の生活についてアドバイスをしてもらえる重要な機会です。
1ヶ月健診でチェックすることは? 何をする?
1ヶ月健診ではどのような内容をチェックするのでしょうか。赤ちゃん、ママそれぞれの主な健診の内容を見ていきましょう。
赤ちゃんの1ヶ月健診内容
1ヶ月健診では主に以下のようなことを通して、発達・発育の異常や病気の有無を確認します。
∟栄養法(母乳のみ、混合、ミルクのみ など)、飲みはいいか
∟手足の動きに左右差はないか
∟強い光をまぶしがるか、明るい方を見るか
∟泣いている時に声をかけて、泣き止むことがあるか
∟赤ちゃんのことで心配なこと(皮膚、体、排泄、睡眠、飲み具合 など) など
■身体測定
∟身長、体重、頭囲、胸囲
■小児科医による診察
∟大泉門・へそ・頸・股関節などの状態、黄疸、斜視などの目の異常、原始反射など
生まれた時からどのぐらい成長しているかのほか、体の病気や異常、精神発達や神経など幅広く確認していきます。特に、元気かどうか、呼吸はどうか、おっぱいやミルクを飲んでいるか、体重の増加はどうか、筋緊張や原始反射などを注意深くチェックします。
また、ビタミンK欠乏性出血症を防ぐための入院中にも飲ませた「K2シロップ」が1ヶ月健診でも投与されます。お腹がいっぱいで薬が飲めなかったり、お腹の触診の時に吐いてしまったりするので、服用の直前・直後の授乳は避けたほうがいいでしょう。

赤ちゃんが生まれると、すぐに「ビタミンK2シロップ」という薬を飲ませます。これは、赤ちゃんが脳出血などを起こさないようにするためで、早い時期に飲ませることが大切な薬です。今回は、ビタミンK2シロップについて詳しく説明します。
ママの1ヶ月健診内容
1ヶ月健診では赤ちゃんだけでなく、ママの産後健診も同時に行われることが一般的です。産後健診の主な内容は、以下のとおりです。
∟疲れ具合はどうか
∟育児は楽しいか、ストレスは感じるか
∟育児について相談できる人はいるか
∟育児する上で支援してほしいことはあるか など
■検査、測定
∟尿検査、体重・血圧測定
■産科医による診察
∟内診、エコー/子宮復古、悪露など産後の回復状況など
■助産師との面談
∟乳房の状態など
この他、産後の経過や回復状況を診たうえで、入浴や性生活の再開など、今後の生活についてのアドバイスをもらえます。また、産後の女性のメンタルは不安定になりやすいものです。授乳や体の不安、育児や家族、自分のことで不安な気持ちがあれば、この機会に医師や助産師に話してみましょう。
なお、健診内容は医療機関によって少しずつ異なる場合があるので、気になるときは事前に問い合わせてみましょう。
持ち物や費用は? 1ヶ月健診のよくある疑問
医療機関によっては日時と持参するもののみ伝えられ、その他の内容については特に知らされないことも珍しくありません。費用や所要時間は? 伝えられた持参物以外にも必要なものはある? などなど、気になることも多いでしょう。
1ヶ月健診についてよく聞かれる疑問と、先輩ママの体験に基づくアドバイスをご紹介します。
1ヶ月健診の所要時間
健診を受ける病院によって異なりますが、一般的に2~3時間ほど要することが多いようです。短い時間で済むことはあまりないようなので、そのように理解して準備しておくといいですね。
1ヶ月健診の費用
1ヶ月健診は一般的に保険が適用されないので、全額自分で支払う必要があります。親子合わせると1万円ほどがおおよその目安となりますが、医療機関によって幅があるので、いくらかかるかは事前に確かめておきましょう。
施設によっては、産後健診までが出産費用に含まれている場合もあります。また、自治体によっては助成が出ることもあるので、こちらも調べておくといいですね。
1ヶ月健診の持ち物や服装
健診時は、必ず持参すべきものはもちろん、あった方が良いもの、便利な服装などの情報も気になるところです。まだ小さい赤ちゃんを連れて長時間を過ごす1ヶ月健診ともなると、なおさらですよね。
忘れてはいけない必需品とともに、持っていってよかったものや、服装についての先輩ママのアドバイスもご紹介します。
必需品(持参するべきもの)
必要なものは、各医療機関から伝えられます。確認して忘れずに持参しましょう。一般的に、以下のものを持ってくるように指定されます。
・診察券
・乳児医療証
・ママの健康保険証
・赤ちゃんのお世話グッズ
∟オムツ替えセット、着替え、ミルクの準備(ミルク育児の場合)
この他、以下のものが必要になる場合もあります。
・産後健診の補助券
・哺乳瓶の乳首(吸い口)
保険が適用されないので必要ない場合がほとんどですが、検査結果によっては診療が必要になることもあり、その際には保険証が必要になります。1ヶ月健診まで保険証が間に合わないときは、その旨を伝えて指示を受けてください。
また、K2シロップ服用のため、哺乳瓶の乳首(吸い口の部分)の持参を求められたり、自治体によっては補助券を発行しているところもあるので、その場合は忘れずに持参しましょう。
あると便利なもの
先輩ママによると、母乳育児の場合は授乳ケープがあると、わざわざ授乳室に行かなくても待合室でさっと授乳できて便利なようです。
また、育児メモがあると良いという声も。母乳やミルク・排便の回数、睡眠サイクルなどを書き留めて置くと、より詳しい診察の役に立ちます。問診の際によく聞かれる内容でもあるので、こまめにメモしておいて持参するといいかもしれません。母子健康手帳にチェックしておくのもいいですね。
おすすめの服装
身体測定の際はオムツ1枚になるので、着脱しやすい前開きの肌着やカバーオールが便利です。室内はエアコンがきいて暑かったり、寒いこともあるので、薄着+上着など、他温調節しやすい服装にするのもポイントです。おくるみや大き目のタオルなどを持参するのもおすすめ。
ママの産後健診では内診を行うのが一般的です。やはり、脱ぎ着が楽な服装で行きましょう。パンツよりはスカートが便利でしょう。また、上着は授乳しやすいよう、授乳服や前開きタイプをおすすめします。
まとめ
多くの場合、産後初めての乳幼児健診となる1ヶ月健診。初めてのことでもあり、また、赤ちゃんが小さいこともあって心配になることも多いと思います。わからないことや気がかりなことは、事前に医療機関に問い合わせておきましょう。服装や持ち物など、必要な情報を身近な先輩ママにアドバイスしてもらうのもいいですね。ストレスのないスムーズな健診のためにも、しっかり準備しておきましょう。
(文:マイナビウーマン子育て編集部/監修:梁尚弘 先生)
※画像はイメージです

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます