離乳食で鉄分はどうとる?鉄分豊富な食材やおすすめレシピ【管理栄養士監修】

離乳食で鉄分はどうとる?鉄分豊富な食材やおすすめレシピ【管理栄養士監修】

離乳食が進むにつれて、赤ちゃんは離乳食の内容によっては栄養バランスが崩れやすくなり、特に健康維持のために大切な「鉄分」が不足しがちに。そこで今回は、鉄分の大切さと鉄分補給のおすすめメニューをご紹介します。


この記事の監修者
川口由美子 先生(管理栄養士/母子栄養指導士)
一般社団法人母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師。大学時に小児栄養学を学んだのち、育児用品メーカーでベビーフード開発を経て栄養相談、離乳食レシピ執筆、講演会に携わる。2児の母。現在は、母子栄養協会にて離乳食アドバイザー®他、専門家を養成している。
一般社団法人母子栄養協会HP

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赤ちゃんも鉄分不足になるの? 症状は?

「鉄分が大切」とは何となくわかっているつもりでも、はっきりと知らない人も多いのでは? 実際に鉄分不足になるとどのような症状が起こり、何が問題なのかを知っておきましょう。

なお、専門的には「鉄」ですが、今回の記事では一般的によく使われる「鉄分」という言葉で解説を進めます。

生後4~5ヶ月ごろまでは貯蔵鉄がある

一般に、満期産で出生体重が3kg以上で生まれた赤ちゃんは、生後4〜5ヶ月ごろまでは鉄分が体内に蓄えられているといわれていますが、それ以降はだんだん減っていきます。これらは、赤ちゃんが持って生まれた貯蔵鉄です。

母乳だけでは十分に補えなくなってくる

それだけでは足りないので、鉄分は飲んだり食べたりしたものからとるわけですが、母乳だけでは十分に補えなくなってくるので、離乳食の進みが遅いなどで食べ物から十分な鉄分がとれないと貧血になりやすいのです。特に、生後9ヶ月以降は鉄分が不足しやすくなるので注意が必要です。

体内の鉄分が不足して、血液中のヘモグロビンが正常よりも少なくなると「鉄欠乏性貧血」になることがあります。

生後6ヶ月~1歳半の約8%が貧血

生後6ヶ月~1歳半で貧血の子の割合は約8%ですから、鉄分が不足しがちなこの時期は貧血の有無や程度についてよく見ていくことが大切です。軽い貧血や、貧血気味程度の場合には、鉄分補給ができる食品やミルクの使用を考えることが必要になります。

なお、鉄欠乏性貧血と診断がついて鉄剤の投与が必要な場合でも、すぐに治療を開始すれば多くの場合は1~2ヶ月で改善されます。

赤ちゃんが貧血になったときの症状は?

貧血になっても見た目ではわかりにくい場合も多いのですが、症状が進むと顔色が青白くなったり爪の色が白っぽくなったりしてきます。また、機嫌が悪い、食欲がない、疲れやすくだるそうにしている、体重が増えない、などの症状がみられることもあります。

鉄分は、脳の細胞を細胞間の刺激が伝わる成分を作るうえで大切な栄養素です。そこで、成長・発達も著しい2歳までの乳幼児期に、鉄欠乏状態が3ヶ月以上も長く続いてしまうと心配ですので、注意したいものです。

鉄分の大切さはわかっても、実際には何をどれくらいとればいいのでしょうか? 赤ちゃんに必要な鉄分量と、おすすめの食品をお知らせします。

赤ちゃんが1日にとりたい鉄分量は?

健康を維持するために必要な鉄分の量は、月齢や年齢、性別などによっても多少違ってきます。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、乳幼児1日の鉄分の摂取基準は以下の通りです。

〈生後6~11ヶ月〉
男の子→推定平均必要量3.5mg 推奨量5.0mg
女の子→推定平均必要量3.5mg 推奨量4.5mg
〈1~2歳〉
男の子→推定平均必要量3.0mg 推奨量4.5mg
女の子→推定平均必要量3.0mg 推奨量4.5mg

推定平均必要量:50%の人が必要量を満たす量(50%が欠乏、50%が充足)
推奨量:ほとんどの人(97.5%の人が充足)が必要量を満たす量



赤ちゃんの健康を維持するためには、できれば推奨量だけの鉄分をとることが理想なのですね。

鉄分はどうとればいいの?ポイントは?

「鉄分を1日に〇mg」と聞いても、ピンとこないかもしれません。たとえば4.5mg(生後6~11ヶ月女子・1〜2歳男女の推奨量)とは、何をどれくらい食べたらいいのでしょうか?

鉄分は1つの食材からとるわけではない

 きなこなら大さじで7杯必要!?

例えばきなこは100gで8.0mgの鉄分が含まれているので、鉄分4.5mgをとるには大さじ7杯も必要になります。また、ゆでた小松菜の葉であれば100gで鉄分2.0mgが含まれるので、4.5mgをとるには200g以上食べる必要があります。

こう聞くと、「赤ちゃんにそんなに食べさせるのは、絶対無理!」と思うかもしれません。でも、大人もそうですが、1日に1種類の食品だけ食べているわけではなく、鉄分も1種類の食品だけからとるわけではありません。

吸収率が高い“ヘム鉄”をしっかりと

鉄分は食材により、体での吸収率が異なるのはご存知でしょうか?

鉄には、先に挙げたきなこや小松菜のような野菜・卵・牛乳などに含まれる「非ヘム鉄」と、肉や魚などの動物性食品に主に含まれる「ヘム鉄」の2種類があり、ヘム鉄の方が体内への吸収率が高いという特徴があります。鉄分摂取を考える際は、肉や魚をしっかり食べられるといいでしょう。

なお、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒にとることで非ヘム鉄も吸収率が高くなりますよ。

分量は気にしすぎず、鉄分豊富な食品を取り入れる

鉄分はさまざまな食品に含まれていますし、母乳やミルクからもある程度の鉄分はとれるので、「何を何g」と細かい量にはあまりとらわれすぎないようにしましょう。大切なのは、鉄分が多く含まれる食品を知り、意識して離乳食に取り入れようと心がけることです。

離乳中期から食べられる、鉄分の多い食材は?

では、鉄分が多く含まれている食品で、離乳食にも使えるのはどのようなものでしょうか。以下に一例を挙げますので、ぜひ離乳食作りの参考にしてくださいね。特に、離乳中期以降は積極的に利用するよう心がけてください。

<食材10gあたりの鉄分>
・木綿豆腐:0.1mg
・きなこ:0.8mg
・小松菜の葉(ゆで):0.2mg
・ほうれん草(ゆで):0.1mg
・ひきわり納豆:0.2mg
・若鶏皮なしもも肉(ゆで):0.1mg
・鶏レバー:0.9mg
・豚もも肉(ゆで):0.09mg
・ツナ缶(水煮):0.06mg

その他/青のり1gで0.7mg

鉄分補給のため、ベビーフードを利用していい?

鉄分を多く含む食品の中には、家庭で調理しにくいものや、赤ちゃんに合った調理形態にしにくいものもあります。ベビーフードは、月齢に応じた調理形態、内容、かたさなどさまざまな商品が市販されているので、鉄分を多く含む食品が使われているものを利用するのも手ですね。

特にレバーペーストは、離乳食用に調理しにくいレバーを使っていて鉄分を多く含むので、おすすめです。

ただし、ベビーフードを使用する場合は、赤ちゃんの月齢や離乳食の進み具合のかたさに合ったものを選び、ほかのメニューと組み合わせて栄養バランスを考えましょう。

なお、ベビーフードではありませんが、ベビー用のお菓子(ビスケットなど)やふりかけにも、鉄分入りをうたっている商品がさまざまあります。そうしたものも取り入れるといいですね。

鉄分がとれるおすすめレシピ

離乳食では「鉄分」だけに気を付けるのではなく、穀類、野菜類、タンパク質類がなんとなくバランス良くとれているかがポイントとなります。鉄分をとろうと思ったら、鉄分の多く含まれているものだけではなく、バランスよくとることが大切ということは基本として覚えておきましょう。

鉄分レシピ|かつおのトマト煮(中期頃~完了期)

■材料
・かつおのたたき 刺身状 1切れ(15g)
・トマトピューレ 5g
・水 適量

■作り方
① 小鍋にかつおをいれ、ひたひたの水で茹でる
② 加熱されたらかつおを手で細かくほぐす
③ 別鍋に②をいれ、トマトピューレを3倍の水で溶いたものを加えて、ひと煮立ちさせる

鉄分レシピ|ミートソース(中期頃~完了期)

■材料
(作りやすい量・約7~10回分)
・牛赤身ひき肉 100g
・にんじん 40g
・玉ねぎ 40g
・油 少々
・塩 少々
・ホールトマト 100g

■作り方
① にんじん、玉ねぎはみじん切りにし、油で炒める
② ①に火が通ったら牛ひき肉を加えて炒めあわせる。最後に塩とホールトマトを加える
③ 水分が減りなじんだらできあがり

鉄分レシピ|きな粉ごはん

レシピというものではありませんが、おかゆをもっと食べてほしいな、「おかゆに飽きてしまったかな、という時には、きな粉を振りかけるのがおすすめ。きな粉には鉄分やタンパク質が含まれています。

気軽にとれるので、是非とりいれてみてくださいね。

まとめ

鉄分が不足しがちな時期には、鉄分の多い食材を上手に使って、時にはベビーフードも活用して離乳食を作るといいですね。また、牛乳を使ったレシピでは、粉ミルクを溶いたものに置き換えるのもおすすめです。

ただ、せっかくママが離乳食を用意しても、赤ちゃんは食べ残すこともあるでしょう。「鉄分を〇gとるには、これだけ食べさせなくちゃ!」などと量にとらわれすぎて無理強いしたりすると、赤ちゃんは食事自体が楽しくなくなってしまいます。

離乳食で何より大切なのは、いろいろな種類のものを食べて、鉄分だけでなくさまざまな栄養素をとることです。ですから、離乳食は栄養バランスのよいものを少し多めに用意して、「食べられるだけでOK」という大らかな気持ちでいるといいですね。

(文:村田弥生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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