【医師監修】生後12ヶ月の特徴・成長ぶりは? 育児の基礎知識

【医師監修】生後12ヶ月の特徴・成長ぶりは? 育児の基礎知識

生後12ヶ月は、体格、行動、心とあらゆる面で成長を遂げます。今回は、12ヶ月ごろの子供の特徴や食事のこと、注意点ほか、予防接種についてもお伝えしていきたいと思います。


この記事の監修ドクター
なごみクリニック院長 武井智昭先生
慶応義塾大学医学部卒業後、平塚共済病院小児科医長を経てなごみクリニック院長。日本小児科学会専門医、指導医。臨床研修医指導医。インフェクションコントロールドクター(日本小児感染症学会)。現在、0歳から100歳までの「1世紀」を診療する医師として、家庭医として地域医療に従事しながら、メディア等での執筆・監修を多方面で行っている。

生後12ヶ月の成長 (1)体格

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※画像はイメージです

生まれてから12ヶ月経つと、赤ちゃんらしい体型から徐々に幼児体型と変化していきます。身長が伸びて、体重も増加して見た目のプロポーションも変化していきますので「見るたびに大きくなっている気がする」というのも気のせいではないかもしれません。

体重や身長は?

12ヶ月の子供の体重は、出生体重に比べておよそ3倍にもなります。厚生労働省の資料[※1]を見ますと、男児の体重は約7.6キログラム~11キログラム程度、女児の体重は約7.1キログラム~10.5キログラム程度にまで増加していることがわかります。

一方、身長についてもおよそ1.5倍程度成長します。具体的に男児の身長は約70~80センチメートル程度、女児の体重は約68~78センチメートル程度まで増加していることがわかります。

体を作る「食事」のこと

12ヶ月になると、離乳食にも慣れてくる時期です。1日3食の習慣とともに、食べられる食材やメニューのレパートリーも増えます。ただし、全く大人と同じ食事と言うわけにはいきません。この年齢だとまだ、消化吸収能力が未発達で、「噛むこと」にも慣れていませんから、食べやすい食事を工夫してあげましょう。1つの目安としては「歯ぐきで噛める固さ」であることが挙げられます。

1日あたりの離乳食の量を見てみましょう。主食(ご飯)約80~90g、主菜(肉や魚)約15~20g、野菜・果物類を約40~50g、を目安にすると良いでしょう。また、主菜で卵を与える場合は全卵約1/2~2/3個を目安とします。なお、子供の成長や発育状態、食欲や食事に対しての好みに個人差がありますので、食事の量は調整していきましょう。

12ヶ月ごろから、手づかみ食べが上手になると同時に、食具を使った食べ方も覚えてきますので、積極的に手づかみ食べをさせましょう。目で食べ物を確かめ、手で掴み、口に入れる「目と手と口の協調運動」ができることにより、食器が上手に使えるようになっていきます。この時期は、自分で何でもやりたいという気持ちが強いので、自分で食べさせるべく「手づかみ食べ」がとても重要なのです。

アレルギーに注意を

食べる量が増えると新しい食材を取り入れることも増えてきますが、初めて食べさせるものは必ず小さじ1杯から始めましょう。また、問題が起こった時すぐに対応できるよう、できるだけ医療機関が対応できる平日の午前中など、早い時間帯に食べさせてください。

生後12ヶ月の成長 (2)行動

12ヶ月ごろになると遊びやいたずらなど行動パターンも多様化し、運動能力が発達していきます。怪我や思わぬ事故につながらないよう、ママ・パパがよく見てあげる必要があります。

ひとりで歩ける?

1歳3~4ヶ月ころまでに歩けるようになる子供は多いでしょう[※1]。しかし、我が子がまだ歩き始めなくても、「たっち」や「つたい歩き」といった兆候があれば心配いりません。一人歩きを始める時期には個人差がありますから決して急がず、温かい目で見守ってあげてください。

なお、一人歩きに際しては、行動範囲内の危険なものを片付けておくことが重要です。例えば、子供が転ぶ原因となるもの(本、インテリア、置き時計、スマートフォンの充電器など)は、すべて子供の手の届かないところに移動しましょう。子供の行動範囲であれば、基本的に、床の上に物を置くことを避けたほうが良いでしょう。

それから一人歩きしたばかりの頃は特に「頭部の怪我」に注意しましょう。一人歩きはしているものの、上手にバランスをとれないため、転倒して頭を家具の角などにぶつけるトラブルも比較的多いといえます。その対策のひとつとして「コーナークッション」があります。家具の角などに取り付けることで、万が一子供がぶつかった場合でもダメージを軽減することができます。

遊びやいたずら

12ヶ月にもなると、子供いろいろな動きをするようになるでしょう。一人歩きはもちろんですが、手や指を使った細かい動きもできるようになるのです。個人差はありますが、親指と人差し指の指先で物をつまんだり、指さしをしたり、簡単な積み木遊びもできるようになってきます。 その他、スイッチを押す、つまみをひねる、ボールを転がす、本のページをめくる、紙をくしゃくしゃと丸める……などもできるようになります。壁紙や家具にクレヨンなどでいたずら書きをする子もいるでしょう。

この時期になると家電を勝手にいじってしまったり、電化製品を壊してしまったりといった危険性もあるほか、万が一ガス台のつまみなどをひねってしまうと事故が起きる可能性もあります。また、ボタン電池や1円玉などの硬貨を誤飲することもあります。子供にとっては「遊び・いたずら」の区別がないので、叱るよりも、危険なものはあらかじめ手の届かないところに片付けておくことが重要です。

12ヶ月ごろの子供からは目が離せない!

12ヶ月ごろの子供は、大人からは想像できないような原因で、ケガをしたり、場合によっては命を落とすことも。厚生労働省の資料によると、この時期の子供の死亡原因の第2位には「不慮の事故」が入っています[※2]。

また、事故の傾向としては、「転ぶ」「落ちる」「物が詰まる」「溺れる」「やけど」などがあります。12ヶ月になると一人で歩き始める子もいるので、行動範囲も広がります。 ほんの少し目を離した時に事故は起こる、と心にとどめておきましょう。

生後12ヶ月の成長 (3)心の発達

少しずつ自我が出てくると、「イヤ!」と自己主張が始まることもありますが、ただ叱りつけるということは避けてください。言葉はまだうまくしゃべれなくても、伝えたいことが子供にはあります。

また、起きる時間・寝る時間をいつも同じ時間帯にし、無理なく自然な形で生活習慣を身につけることも大切です。

感情の発達は?

12ヶ月ごろになると自我が芽生え始め、なんでも自分でやりたがるようになってきます。

自分でできることが増えてなんでもやろうとしますが、思い通りにできず、泣いたり怒ったり、大声を出したりすることもあります。そのような時は怒らず、暖かく見守ってあげましょう。そしてうまくできた時はたくさん褒めてあげて、我が子の「やる気」を育ててあげましょう。

生活習慣を少しずつ覚える

少しずつ、子供の生活リズムを整えて、日中は体をたくさん動かすようにしましょう。早寝早起きの習慣をつけさせ、健康的な毎日を過ごせば、子供は元気よく体を動かして遊びを楽しみます。

また、衛生上の習慣として「手洗い」は覚えさせたいところ。これも、ママ・パパと一緒におこない「当たり前のこと」として覚えさせれば自然に身につくでしょう。

生後12ヶ月以降の育児

生後12ヶ月以降の育児について、お世話やコミュニケーションのポイントほか、予防接種についても確認しておきましょう。

お世話やコミュニケーションのポイント

12ヶ月ごろはだんだんと言葉も覚えてきて、身近な単語が口にするようになるころでしょう。子供が一生懸命話しかけてきたら、笑顔で最後まで聞いてあげてください。言えない言葉、間違えた言葉は、正しい発音でゆっくり言ってあげましょう。子供はママ・パパの言葉を聞いて、その言葉を覚えるものです。焦らずゆったりした態度で子供と向き合ってくださいね。

また、同じことを繰り返し訊くようになってくるでしょう。面倒だと思わずに、訊かれたことに対してはきちんと答えてあげましょう。根気よく繰り返し教えることが大事なのです。

予防接種のスケジュールを確認!

1歳になったら受けたい予防接種には、MR (麻疹 ・風疹混合)、水痘、ヒブと肺炎球菌、四種混合、おたふくかぜの追加接種があります。 お住まいの自治体のホームページで確認したり、医師に相談したりしながら 、接種のタイミングを逃さないよう気をつけましょう。

まとめ

生後12ヶ月ごろの子供は「自分でやりたい」という気持ちが強く表れ、いろいろと目が離せません。子供が伸びやかに育つよう、ママ・パパはあらゆる面で注意を払い、サポートしてあげてください。規則正しい生活を心がけ、親子で健やかな毎日を過ごしましょう。

参考文献
[※1]厚生労働省「一般調査及び病院調査による乳幼児身体発育値及び発育曲線について」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/kekkagaiyou.pdf
[※2]厚生労働省「第8表 死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth8.html

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2020.03.02)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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