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文房具への想いを貫く「信念キャリ」。キングジム・望月真希子さんの働き方

#働くわたしの選択肢

ねむみえり

「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。

取材・文:ねむみえり
撮影:洞澤佐智子
編集:杉田穂南/マイナビウーマン編集部

自分の好きなものを仕事にするというのは、一種の憧れがあるのではないでしょうか。

今回お話しを聞いた望月真希子さんは、小学生の時から好きだったという文房具に携わりたいという気持ちで就職活動をし、キングジムに入社されました。

キングジムにとって初のブランド「HITOTOKI」を立ち上げるまでには、さまざまな苦労があったそう。その苦労を乗り越えてきた望月さんからは、文房具への大きな愛が感じられました。

キングジムにとって初のブランド「HITOTOKI」を立ち上げるまでには、さまざまな苦労があったそう。その苦労を乗り越えてきた望月さんからは、文房具への大きな愛が感じられました。

小学生の時から大好きな文房具に携わりたい

まず初めに、現在どのようなお仕事をされているのかお聞きしたいです。

私は入社してからずっと開発一本なのですが、今は開発本部のステーショナリー開発部というところに所属をしております。ファイルやノート、スタンプといった、いわゆる文房具屋さんに売っているような商品を担当しています。

入社してから開発一本とのことですが、就職活動をされていた時から開発に携わることを意識していましたか?

開発職に就きたいという希望はあったのですが、もし就けなかったとしても、とにかく文房具に携わりたいという気持ちが非常に強かったです。昔から文房具が大好きだったので、就職活動をしていた時は文具業界のみを受けていました。

文房具にハマった理由はなんだったんですか?

小学生の時にシール手帳を作ったり、手紙の交換をやったりしていて、その時から文房具は好きだったんです。大学ではプロダクトデザインを専攻していたので、専門的な文房具にも触れる機会が多くて、文房具全般が好きになりました。

女性3人から始まった、会社初のブランド「HITOTOKI」

望月さんはキングジムのブランドである「HITOTOKI」に立ち上げから携わっているとのことですが、立ち上げるまでの経緯を教えて下さい。

今までも特定の商品を作りこんでいくということはあったのですが、私としては、今自分が作っている企画たちを1つにまとめてブランド化していきたいという思いがありました。

当時、会社にはまだその文化がなかったので、2年ぐらいかけて、私含め開発にいる2人と、営業女性の3人チームで「HITOTOKI」というブランドを作っていきました。

女性3人から始まったブランドなんですね! でも、どうしてそんなに「ブランド化」にこだわったんでしょうか?

ブランドを作ると、商品群全体を知ってもらうきっかけになるんじゃないかなと思ったんです例えば、自分が好きな洋服のブランドって、そのお店に行けば好きなものが何かしらあると思うじゃないですか。

ブランドの新作や、発信する情報を楽しみにしてもらう、それを文房具でもやりたかったんです。また商品単体でPRするよりも、ブランドで括ることでこの先いつか、大きな活動につなげられるのではないかとも考えていました。

なるほど。でも、ブランドを立ち上げるのはそう簡単じゃなかったのでは……?

そうですね。会社として初めての取り組みだったので、“ブランドにする必要性や優位性”を上層部の人たちに納得してもらうことから始めて……。まずはその伝え方に苦労をしました。

「HITOTOKI」のサイトには「いい日と。」というタイトルでブランドメッセージを載せているんですが、これには「いい日が作れる文房具を作りたい」という思いが込められています。

私たちが作る文房具を使ったり眺めたりして、楽しいと思える日が積み重なることでいい人生になるんじゃないかと。そんな文房具を作り続けたいとブランド化するにあたっては、社内でこういったコンセプト側の説明も何回もしていました。

新しい試みだからこそ、丁寧に説明していかなければならなかったんですね。

そうなんです。ブランドを作った実績が会社になかったので、そもそもブランドってどうやって作るんだろう、というところから始まりました。ブランド化が決まったあとには、コンセプトはどのように作り上げていこうかとか、ブランドってどう発表すればいいのだろうとか。基本的なことが全く分かっていなかったので手探りでした。

そんな状況だったので、今までやったことのない仕事にまで手を伸ばしてやっていました。でも、こうして年齢関係なく好きなことを提案させてもらえる環境があって、関連部署のみなさん もたくさん手助けしてくれたので、なんとかブランドの立ち上げも成功し会社にはすごく感謝しています。

ブランドとしてコンセプトに沿った商品を出すことはユーザーさんとの約束

次々と新しい商品を開発されている望月さんですが、アイディアを出し続けるのは大変じゃないんですか?

アイディアが煮詰まることは多々あります。そういう時は、時間を決めて外に出て色んな商品を見てとにかくインプットします。その日は必ず最後にカフェに入り、その日に思いついたアイディアをノートに書きだすということをして、アイディアをどうにか出し続けています。入社してから書き溜めている“アイディアノート”はもう何十冊もたまりました(笑)。

すごい……! アイディアを出すうえで大切にしていることは何かありますか?

絶対に自分が欲しいものしか作っちゃいけないと思っています。どうしても企画件数の目標値みたいなものが毎年あるのですが、ブランドとして商品を出すってユーザーさんとの約束みたいなところがあるので、ブランドコンセプトに沿っていて、自分も欲しくて、絶対におすすめできるものを作るというのを必ず守りながら新しいものを企画しないといけないと思っています。

ユーザーさんの期待を裏切らないという、強い信念を感じます。最後に、望月さんの今後のビジョンをお聞きしたいです。

私たちが作っているスタンプやシールなどの文房具は、毎日仕事で使うような“必需品”ではなくてある意味“娯楽品”側の商品なんですよね。必要不可欠ではないんです。けれど、それが仕事をするうえでの活力になったり、それがあるから日々が楽しくなったりする。そういう意味での“必需品”としての立ち位置になる文房具を作り続けたいと思っています。

「HITOTOKI」ブランドとしては、最近は雑貨屋さんに並ぶようなトートバッグやピンバッチ、レジャーシートといったものをオンラインストア限定で販売するなどアイテムの幅を広げて展開をしています。文房具ブランドですが、ライフスタイルブランドに少しずつ広げて、より皆さんにとって身近なブランドにしていきたいなと感じています。

「HITOTOKI」のこれからのアイテムがとても楽しみです。ありがとうございました!

※この記事は2024年06月07日に公開されたものです

ねむみえり

1992年生まれ、東京出身。ライターとして働きながら、現代詩の創作も行なっている。本、舞台、映画、音楽、お笑い、ラジオ、アートなど、無意識のうちに多趣味な人間になっていた。いつか黒猫と暮らすのが夢。

Twitter:https://twitter.com/noserabbit_e
note:https://note.com/noserabbit_e

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