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【第9話】ハリポタシステムで命をつなぐ母と、夢をかなえることで懸念されるリスク

#君が心をくれたから考察

やまとなでし子

恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、月9ドラマ『君が心をくれたから』(フジテレビ系)を毎週考察&展開予想するコラムです。主人公・逢原雨が、愛する男性のために自分の“心”を差し出す宿命を背負うことから始まる、“過酷な奇跡”が引き起こすファンタジーラブストーリー。“奇跡”と引き替えに雨が奪われる“心”とは……? 2人の未来は果たして……?

※このコラムは『君が心をくれたから』9話までのネタバレを含んでいます。

©フジテレビ

ハリポタのヴォルデモートシステムのおかげで命をつないだ母

謎の案内人・千秋(松本若菜)の正体が、太陽(山田裕貴)の亡くなった母であることが発覚しました。亡くなったはずの母と再会できるなんて、これもまた一つの奇跡です。しかしながら、母子感動の再会! とはいきません。

千秋は「太陽の母であることを隠し通す。バレたら月明かりに溶けて消える」のを条件に、特例で親族に関わる案件を担当させてもらっていたのです。

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一方で、母の写真から千秋が実の母であることを知った太陽。

母であることを隠し通すのが条件なら、太陽が千秋を母だと認識した時点ですでにアウトなのでは? と思いきや、太陽が千秋を「母さん」と呼ぶまでアウトにはならないよう。

太陽にもそのルールは伝えられ、絶対に千秋を母さんと呼んではならないルールを認識します。

何だこのルールの既視感、と思ったらこれ「ハリポタのヴォルデモートシステム」だわ。名前を呼んではいけないあの人の名を口に出すと、死喰い人に殺されてしまうアレです。

「ぶっちゃけ隠し通せてはいないけど、口に出すまでは大丈夫!」という、ちょいゆるシステムのおかげで千秋は何とか命をつなぐことができました。

空白の時間を埋める太陽と千秋

太陽は、千秋を呼び出します。もちろん、母であることを認識していることは伏せたまま。そこで、一緒に生きることができなかった空白の時間を語り合います。

母さんとの約束を守るため、花火師を目指したけど色覚障害から挫折したこと。雨(永野芽郁)に出会って、もう一度花火師になろうと思えたこと。雨と母のおかげで今がある、ということ……。

雨と実母が、空白の時間を埋めるために行なった会話は、海辺での決闘のような、殺伐としたものでしたが、この二人のなんとハートフルなことか……。

そして最後に「天国で偶然母さんにあったら伝えてほしい。ごめんなさい。俺のせいで火事に巻き込んで」と、ずっと直接母に言いたかったであろう、人生のしこりになっている贖罪の言葉を、母である千秋に直接告げるのです。

事実、そうかもしれないけれど、そうは思って生きてほしくないであろう千秋。

自分の命より子ども達の未来の方が大切。この笑顔を守ろうと、陽平(遠藤憲一)と誓い合った結果なのですから。

お互いがお互いの正体を知りながら、知らないふりをして進む会話。そこで千秋は「見たい景色がある」と太陽にお願い事をします。

千秋が見たかった、夢にまで見た景色

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それは朝野家がそろった一家団らんの姿。

太陽は家族を集め、そこに母・千秋の席を作ります。天国の母がいる体で、みんなで一緒に囲む鍋。太陽以外に千秋は見えてなくとも、千秋が生きていたらこんなふうに食卓を囲んでいたのだろう、という笑顔と幸せが溢れる団らん。そんな夢にまで見た光景を体験できるなんて、千秋は死後、想像もできなかったことでしょう。

しかし、席作って千秋に「おいでよ!」と目配せするのは、「母さん」と呼んでなくても、母と認識してるの丸わかりで完全アウトでしょ! と思いつつ、改めて天国のジャッジがガバガバで良かったです。おかげでこんなに幸せな時間が過ごせたのですから。

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そして、陽一が言っていた「あの時、火事を消すためにお前が雨を降らせてくれたんだろう」という言葉。ここでも人が亡くなる瞬間に降らせることができる、大切な人に想いを届ける雨が降っていたのですね。

それが陽一にしっかり伝わっていたことや、「明日香(千秋)と生きることができて良かった」という言葉も千秋がこの団欒で得られた、かけがえのないものではないでしょうか。

着火しまくった太陽

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「誰もが心に希望の炎が灯ったキャンドルを持っている」と言っていた千秋。とうに火が消え、もう灯らないと思っていた千秋の心のキャンドルに、太陽が炎を灯しました。

そして、五感を失う未来に怯え、死を考えるほどになった雨の心にも太陽が火を灯します。

医療の進歩で五感を取り戻せる日が来るかもしれない。その方法を太陽は探し続けるし、実現すれば、一緒に行きたい場所、見たい景色、そして雨のパティシエになる夢がかなう未来だってそこにはある。そんなことを雨に想像させ、未来に希望を抱かせることで、雨の心にも炎が灯ります。二人もの心に着火するなんて、さすが花火師。炎の使い手です。

しかし、雨の抱く希望は太陽の思惑とは違っていたようで……。

雨が将来見たい景色は、「太陽が立派な花火師になって、誰かと幸せに暮らす姿」。その横にいるのは自分でなくても構わないから、夢をかなえて幸せになってほしいと、純粋で一途な愛を語る姿に案内人・日下(斎藤工)は胸を打たれ、ある行動を取るのです。

日下の奇跡の結末の先にあったもの

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自身も奇跡の経験者である日下。その奇跡とは、「事故に遭った最愛の恋人の怪我を肩代わりし、寝たきりになる」というもの。「画家になりたい」という夢をかなえてほしくて、彼女のために奇跡の選択をした日下。

しかし、自分のことを支えてくれるだろうと信じていた彼女には早々に裏切られ、長い余生を不自由なまま孤独に生きることとなった、悲しく辛い結末の奇跡でした。

しかし、全ての不幸を背負ってでも、純粋に太陽の夢を応援する雨を見て、日下は元恋人の絵を見に美術館に向かいます。

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そこにあったのは、画家として成功した彼女の絵。そして、彼女が晩年の2013年に残した絵に、日下の選択の答えが描かれていました。

それは、日下が人生で最も幸せだった10秒間。タイトルは「ごめんなさい」。彼女にとっても、二人で過ごしたあの時間は幸せだったという証と、彼女の気持ち。そしてちゃんと夢をかなえてくれていたこと。

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日下の長く苦しい、辛い日々が全て報われるわけではないとは思いますが、「私の人生はこの瞬間のためにあったのかも」と、彼の選択が間違いではなかったと思わせてくれるのに十分な答えがそこに残されていました。

雨との出会いがきっかけで、日下がここにたどり着けたわけですが、もしかするとそこまで込みで天国が仕組んだ担当配置だったのかもしれません。

春陽はアンガーマネジメントしてくれ

太陽の妹・春陽は「雨ちゃんに『いなくなって』なんて、最低なことを言った! お兄のことが許せなかった」と喚いてましたが、また罪が一つ増えましたね……。お兄が許せないなら直接お兄に言えと。雨に八つ当たりして傷つけるなよと。

毎回の「やっちまった後に後悔して反省し、謝って、傷つけた相手の優しさに救われる流れ」は、周囲を無用に傷つけるばかりなので、アンガーマネジメントをしましょう。何でも屋・司には、春陽にいいカウンセリングを紹介してやってほしいです。

太陽が夢をかなえることで懸念されるもう一つのリスク

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太陽はとうとう花火に込めるための、人生で一番大切だった10秒間が決まったようです。桜祭りでの太陽の花火はどうなるのでしょうか。

そして、花火を楽しみにしているのは雨だけではありません。花火師になる約束を交わした母・千秋もです。太陽の花火を見ることができれば、彼女の夢もかないます。

ここまで案内人として生きてこれたことに満足して、太陽に「母であることと、花火師の夢をかなえたことへの感謝」を告げて、消えてしまうのではないかも心配です。

全員の幸せを祈りながら次回を待ちましょう。

(やまとなでし子)

※この記事は2024年03月11日に公開されたものです

やまとなでし子 (コラムニスト)

大和撫子とは対極にいるアラサーJK(女子会社員)。バチェラーを始めとした恋愛リアリティ番組、ドラマ、合コン、婚活、過去出会った世にも不思議な男性たちや日常についての備忘録をTwitterとブログで綴っている。インスタでは綺麗めファッションコーデを日々更新。

Twitter:@yamatonadeshi5
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ブログ:男性見聞録

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