「先般より」の意味とは? 正しい使い方や例文・言い換え表現を紹介
「先般より」は、「この間からずっと」という意味を表す言葉です。この記事では、「先般より」の正しい意味や使い方、ニュアンスの異なる類語などについて、例文を交えて詳しく解説していきます。
「先般より」は、「この間からずっと」という意味を表す言葉です。古風でフォーマルな響きの言葉なので、あまり聞き馴染みがない人も多いのではないでしょうか。
しかし、「先般より」はビジネスシーンでしばしば使われるため、ぜひ知っておきたい表現です。
この記事では、「先般より」の正しい意味や使い方、ニュアンスの異なる類語・言い換え表現などについて、例文を交えて詳しく解説していきます。
「先般より」の意味とは?
「先般より」は、「この前から」という意味を表す言葉です。「先般」は「せんぱん」と読みます。
「先般より」を分解すると、「先般」と「より」に分けられます。このうちの「先般」の意味を辞書で引くと、以下のように掲載されています。
先般(せんぱん) の意味
さきごろ。このあいだ。過日。「―の件、承知いたしました」「―申し上げたように」出典:『デジタル大辞泉』小学館
「より」は「~から」と同じなので、「先般より」で「この間から」という意味となります。
ただし、意味は同じであっても、表すニュアンスは異なります。「先般」と「より」はどちらも古風な言い回しなので、「先般より」と言うと「この間から」よりも改まった印象を受けるでしょう。
「先般」が表すのはどれくらい前のこと?
「先般」で表せるのは、比較的最近あった出来事です。目安としては、お互いが詳細を覚えていられるくらいの、1週間から、長くとも1カ月前くらいと捉えておけばよいでしょう。
そのため、長年の付き合いの人に対して「先般よりお付き合いがある」などと言うと、少し不自然になります。あくまでここ最近の出来事に限定して使うようにしましょう。
「先般より」の正しい使い方と注意点(例文付き)
「先般より」の使い方として最も適しているのは、「この間からずっと○○している」という趣旨の文面です。
具体的な例文は、以下の通りです。
・「先般よりお伝えしている件ですが、その後いかがでしょうか」
・「先般よりご協力いただき、誠にありがとうございます」
・「お父様に先般よりご案内しておりますパーティーですが、参加していただけそうですか」
・「弊社が先般よりご相談しております案件ですが、この度無事に完了いたしました」
「先般より」を日常会話で使うのはやや不自然
「先般より」は非常にフォーマルな響きの言葉なので、日常会話で使うのはやや不自然でしょう。
また、ビジネスシーンであっても、同僚同士などの会話で使うのは適切とはいえません。例えば、「先般より行きたがっているお店に行ってみましょう」などと言えば、カジュアルなのかフォーマルなのかが分からず、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。
「先般より」は、あくまでメールなどの文面で使ったり、目上の人や取引先を相手にしたフォーマルな会話で使ったりするようにしましょう。
具体的な日付を表す際は「先般より」を使わない
「この間の〇月〇日から」のように、具体的な日付が分かっている場合は「先般より」とは言いません。そのような場合は、具体的な日付を言うか、後述する「先日から」を使う方が自然です。
例えば、「先般より1週間限定で実施しているキャンペーン」などと言うと、一体いつから始まって、いつ終了するのかが聞き手に伝わらず混乱を生んでしまうでしょう。