「ご希望に添えず申し訳ございません」の使い方は? 例文つきで解説
「ご希望に添えず申し訳ございません」はよく見聞きする謝罪の言葉ですが、いざ自分が使うとなると、正しい使い方が分からず戸惑う人もいるのではないでしょうか。この記事では、「ご希望に添えず申し訳ございません」の使い方を例文つきで解説します。
「ご希望に添えず申し訳ございません」は、相手からの依頼を断る時などに使われる言葉です。ビジネスシーンにおいては取引先に対して使うことが多い言葉なので、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。
この記事では、「ご希望に添えず申し訳ございません」の意味や使い方について、例文とともに解説します。
また、「ご希望に添う/沿う」どちらの漢字表記が正しいのかに加え、言い換え表現も紹介するので参考にしてみてください。
「ご希望に添えず申し訳ございません」の意味
そもそも「ご希望に添えず申し訳ございません」とはどのような意味なのでしょうか。辞書で「添う」の意味を調べると、以下のように記載されています。
そ・う〔そふ〕【添う/▽副う】
《「沿う」と同語源》
[動ワ五(ハ四)]
1 そばを離れずにいる。ぴったりつく。「影の形に—・うようにいつも一緒にいる」「病人に—・って歩く」2 夫婦になる。連れそう。「二人を—・わせてやりたい」
3 親しく交際する。「人には—・うてみよ、馬には乗ってみよ」
4 目的どおりになる。かなうようにする。「御希望には—・いかねます」
5 すでにあるものの上に、他のものが加わる。付け加わる。「さらに趣が—・う」
[可能]そえる
[動ハ下二]「そえる」の文語形。(『デジタル大辞泉』小学館)
「ご希望に添えず申し訳ございません」の「添う」の意味は、4の「目的どおりになる。かなうようにする」です。
つまり、「ご希望に添えず申し訳ございません」は、「ご希望をかなえられず申し訳ございません」という意味になります。
ご希望に「添えず」or「沿えず」、どっちが正しい?
パソコンやスマホで「そえず」と入力すると、候補に「添えず」と「沿えず」が出てくるため、どちらを使うべきか迷うかもしれません。しかし結論からいうと、どちらを使ってもOKです。
先ほど「添う」の意味を確認しましたが、「沿う」の意味も見てみましょう。
そ・う〔そふ〕【沿う】
[動ワ五(ハ四)]
1 長く続いているものに、離れないように付き従う。何かに並行した形で続いている。「流れに—・ってくだる」「道路に—・ってケヤキが植えてある」
2 (「添う」「副う」とも書く)方針や基準となるものに従い、それから離れないようにして何かを行う。「要求に—・った回答」
(『デジタル大辞泉』小学館)
「添う」には「目的どおりになる。かなうようにする」という意味があり、「沿う」には「方針や基準となるものに従い、それから離れないようにして何かを行う」という意味があります。
微妙なニュアンスの違いはありますが、「ご希望に添えず申し訳ございません」も「ご希望に沿えず申し訳ございません」もほぼ同じ意味といえるでしょう。
▶次のページでは、「ご希望に添えず申し訳ございません」の使い方と使う時の注意点を紹介します。