「そうですね」と上司に言うのは失礼? 正しい敬語表現を解説
「そうですね」を使用する時の注意点
目上の人に使う「そうですね」は言い換えたいものの、カジュアルな返答がマッチするシーンでは活躍するでしょう。
しかし、使用する際には注意点がいくつかあります。相手をイライラさせないためにも、チェックしてみてください。
(1)「そうですね」の連発はNG
まず覚えておきたいのが、「そうですね」は連発しないことが鉄則です。適当に返事していると捉えられかねないのが「そうですね」のフレーズ。それも頻繁に使用していると、「話を適当に聞いている」と思われてしまうかもしれません。
また、捉え方によっては、自分がない人間と思われてしまう可能性もあります。「そうですね」は相手の意見に同意する言葉です。
「自分の意見は?」「関心がないのかな?」と思われ、ビジネスの話であれば、仕事への意欲がないとレッテルを貼られてしまうでしょう。
(2)口ぐせになると誤解を生みかねない
ビジネスシーンで多くの人が口にする「そうですね」は、つい口ぐせになっているという人も多いのではないでしょうか。そんな人は、相手の話に心から同意する時のみならず、話の内容をろくに聞かず、咄嗟に出てしまうこともあるでしょう。
その場の受け答えとしては自然かもしれませんが、後々考えると「それは同意しかねる!」といった内容に「そうですね」と言っているかもしれません。その場しのぎの同意が、予想外の方向に物事を進める可能性もあるため要注意です。
(3)「そうなんですね」とは意味が違う
「そうですね」と近い言葉に「そうなんですね」があります。どちらも相手への共感を示す言葉ではありますが、意味は同じとは言いきれません。
まず「そうなんですね」には相手に共感しつつも、その物事を今初めて知ったというニュアンスが含まれます。前から知っていたことに対して「そうなんですね」は違和感があり、また反対に、知らなかったことへの「そうですね」も不自然です。
「そうですね」ではなく「そうなんですね」が適切なシーンを、例文で見てみましょう。
例文
「今日から配属になった○○さん、感じのいい人ですよ!」
「そうなんですね。会うのが楽しみです」
この場合、後者の人は○○さんにまだ会ったことがありません。この場合は、新しい発見というニュアンスの「そうなんですね」が適当です。
会話の相手を混乱させないためにも、正しく使い分けましょう。
「そうですね」は敬語でありながら言い換えがベター
「そうですね」は丁寧語の「ます」がついた敬語ではありますが、目上の人に対して使用するのはいささか失礼にあたります。「ね」とつくことでカジュアルさが増し、相手の捉え方次第では上から目線と捉えられてしまうかもしれません。
また、ビジネスシーンで頻発する「そうですね」は、仕事に無関心な人と思われる可能性もあるため注意してください。上司や取引先の意見に同意、もしくは共感を示したい時は「左様でございます」や「おっしゃる通りです」などを活用しましょう。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年11月20日に公開されたものです