「そうですか」は正しい敬語? 使い方や言い換え表現を解説
「そうですか」は相づちとして定番のフレーズです。しかし、ビジネスシーンで使用するのは好ましくないといわれているのをご存じでしょうか。今回は、「そうですか」という言葉について解説していきます。
「そうですか」は、相手の話に対する相づちとして使う言葉です。ビジネスシーンでもよく使われますが、「そうですか」のみだと目上の人に対してはカジュアルすぎる表現になってしまうことも。
そこで今回は、失礼のない相づちとして「そうですか」を使うにはどうすれば良いのかを解説します。類似表現も紹介するので参考にしてくださいね。
「そうですか」とは
「そうですか」は、相手の話を聞いて納得した時や賛同する時に用いる相づちです。
「その通りですね」といったニュアンスがあり、意見を否定することなく受け止める時に役立つフレーズといえます。
「そうですか」は敬語として使えるの?
「そうですか」は敬語ですが、ビジネスシーンで使用するのはあまりふさわしくないでしょう。
なぜなら、相手の意見を聞いた時の返答として、そっけない印象を与える可能性があるからです。
例えば、「Aさんは来月退職します」と伝えた時に、「そうですか」という相づちだけでは、Aさんに対する関心がないように感じませんか?
そこに「理解しました」という意味が込められていたとしても、受け取る側はネガティブな印象を抱く可能性があるため、上司や取引先の人など目上の相手に使うのは避けるのがベターでしょう。
「そうですか」の言い換え表現
では、ビジネスシーンではどのような相づちが望ましいのでしょうか?
ここからは「そうですか」の言い換え表現を紹介しますので、使う相手や関係性、シーンに応じて使い分けることを意識してみてくださいね。
(1)「そうでございますか」
「そうですか」ではカジュアルになってしまう場面では、「そうでございますか」という丁寧な表現にするのがおすすめ。
少し言い回しを変えるだけで、お客さまや取引先の人などにも失礼のない言葉になります。
(2)「そうなのですね」
「そうなのですね」は、比較的距離が近い相手との会話で使える言い換えです。語尾に「ね」に加えることで柔らかい表現になります。
また、ポジティブな情報への相づちだけでなく、頼み事を断られた時などネガティブなシーンでも、事実を受け止めたという意味で使うことができます。
冒頭で挙げた「Aさんは来月退職します」に対する返答でも、「そうですか」と述べるより「そうなのですね」とすることで、柔らかい表現になりますよね。
同じ相づちでも、言い方1つで相手に与える印象が変わるでしょう。
(3)「左様でございますか」
「左様でございますか」は「そうですか」よりも丁寧で、役職が離れている上司やお客さまなど特に丁寧な対応を求められる相手に対して使われることが多いフレーズです。
対面での場面だけでなくビジネスメールなどの文面でも使えるため、覚えておくと便利でしょう。
ただし、「左様でございますか」は堅苦しい表現でもあります。直属の上司や頻繁に会っている取引先の人など、近しい間柄の相手に使うとかえって距離を感じられてしまう可能性があるので、時と場合によって使い分けるようにしましょう。
(4)「承知しました」
何かお願いをされた時や指示された場合は、「承知しました」と答えることでビジネスシーンでも使える言い回しになります。
「承知」とは「依頼や要求を受け入れる」という意味で、指示を理解し、実行するという考えを伝えられる表現です。
例えば、「打合せの資料は〇日までに用意してほしい」と言われた時に「承知しました」と答えることで「そうですか」とただ肯定するだけではなく、受け入れた上でその通りになるように行動するという気持ちを示すことができます。
「そうですか」を目上の人に使う時は丁寧な表現に言い換えよう
「そうですか」は相づちとして定番のフレーズです。しかし、シンプルだからこそ、ビジネスシーンではカジュアルすぎる表現になってしまうことも。
そのため、「そうですか」は基本的に同僚や後輩など付き合いが深い相手に使う程度にしましょう。
上司や取引先など目上の人には、「左様ですか」「そうでございますか」といった、より丁寧な表現を取り入れるのがおすすめですよ。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年10月17日に公開されたものです