健康は何よりの資本「ヘルスケアキャリ」。AuB・上田麻実さんの働き方
「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。
取材・文:瑞姫
撮影:稲垣佑季
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部
日々生活する上で、健康な身体は何よりの資本。年齢を重ねるにつれて、これまで以上に健康に気を使い、食生活などを意識することが多くなったという方もいるのではないのでしょうか?
元サッカー選手・鈴木啓太さんが代表を務めるヘルスケア事業の会社、AuB株式会社の広報を務める上田麻実さんはまさに、健康を第一に考えることをプライベートでも仕事でも大切にしている一人です。
元々は臨床検査技師の資格を取得し、新薬開発のための治験に携わるような会社におよそ6年半勤務していたという上田さんですが、さまざまな縁が重なって現在の仕事に行き着きます。
THE 理系のような研究職から、未経験だったという広報へのキャリアチェンジには、一体どんな経緯があったのか? そして、全く違うように思える二つの職種に通ずるものとは? 詳しく聞いていくと、奇跡のような縁が紡いだストーリーがありました。
点と点がすべて繋がった。「ここしかない!」と思えた今の仕事
大学卒業後、新薬開発のための治験に携わるヘルスケア事業の会社に勤務した後に語学留学を経験し、そこから再び同じ仕事に戻ったものの、現在のAuB株式会社に入社しました。
AuB株式会社はアスリートの腸内細菌の研究成果をベースに、一般のお客さまに向けたフードテック事業、サプリメントなどの栄養補助食品の販売を行う会社です。現在は、「どうやったら商品やサービスが世に認知されるか」を意識しながら部門長としてPRに注力し、さらにアスリートの方のサポートも行っています。
昔からの夢と、ヘルスケア業界で働いていた経験を生かせる場所が、ここにはあるんじゃないかなと思ったところが一番大きいです。
私は埼玉県の浦和出身で、小さい頃から両親が熱烈な浦和レッズのサポーターだったんです。土曜日は学校が終わると両親が迎えにきてくれて試合を見にいくというのが日課だったので、日常生活の中で当たり前のように「スポーツ」「サッカー」「浦和レッズ」というキーワードが入っていて……。
それで、何となく将来の夢を考え始める高校生ぐらいのタイミングで、最初はスポーツに関わる仕事がしたいなと思ったのですが、そのとき私が調べられた範囲ではトレーナーやドクターというような職種しか見当たらなかったんですね。
ヘルスケア業界で働いて数年経った頃にはそのスポーツに関わるっていう夢は忘れていたんですけど、ある時うちの代表の鈴木が引退記者会見で「アスリートの腸内細菌を研究するベンチャー企業立ち上げます」と言っていたのを見たんです。
それを聞いたときに「今までやりたかったアスリートに関わる仕事と、自分が経験してきたヘルスケアの仕事、両方ができる場所はここしかないんじゃないか!」と思い、代表の鈴木にInstagramでDMを送ったのがきっかけです。
でも、すぐに連絡が帰ってきたわけではなかったんです。当時Instagramが流行り始めたばかりの頃だったので、鈴木はDMの見方を知らなくて……(笑)。
ただ、その1カ月後ぐらいにたまたま私の前職の会社の社長を通じて、鈴木と会食をする機会がたまたまセッティングされて、そこで「実はこういうメッセージを送ったんです」「帰ったら見てください」とコンタクトを取ることができました。今思い返しても、最初に勇気を出してDMを送っておいて良かったなと思います。
社員一号として入社、未経験だった広報職に就いたきっかけは?
一言で言うと健康オタク的な人が集まるところですね。それこそみなさん仕事上で「今日どんなうんちでた?」なんて会話を絶対にしないと思うんですけど、割と日常的に「なんか今日こんなうんちが出たんだけど、それって何でだと思う?」みたいな話をします。
ランチタイムにコンビニにいくときも「これ食物繊維量これだけ入ってるよ!」とか、「組み合わせはどれがいい?」「何する?」みたいな、マニアックな話をしょっちゅうする、少し変わった人が多いですね。
健康は全てのライフステージの基盤
元々、仕事を仕事として捉えていないというのはありますね。入社した経緯が「プライベートで自分が好きだったアスリートのサポートがしたい」だったこともあるんですけど、入社して8年もいれば、結婚して家族ができたり、子どもを授かったり、自分のライフステージがどんどん変わっていくと、思うことも感じることもどんどん変わります。
けれど、健康って赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで誰もが絶対に大切なことじゃないですか。
なので、今自分がいるライフステージによって「何かもっとこういうサービスがあったら良いな」とか、「こういうふうに伝えたら、届けたい人に届けられるんじゃないかな」と日々感じることがすごく多いです。
普段から仕事とプライベートを分けず、日々の生活の中でも「これ、AuBにとって良いかもしれないな」ということは、会社に戻ってからフィードバックしますし、仕事で得た健康情報があれば家に持ち帰る……みたいな感じです。わりと私の中で、仕事とプライベートの切り分けはないのかなと思います。
現在妊娠中でまた新しいライフステージがやってくるので、その経験もAuBに還元できたら良いなと思っています。
2月に子ども向けのブランドを新しく立ち上げたんですが、同じぐらいの世代の親御さんに向けていろいろな情報発信することが増えていく中で、もっと妊娠中の自分や、生まれた直後の赤ちゃんに対するサービスや情報の提供など、やれることがあるんじゃないかなっていうのは思っていて……。
でも、やっぱり実際に自分が母になることでしか分からない気持ちもあると思うので、まずは自分で体験したことを会社に持ち帰って、商品やサービスに生かせるように考えたいというのが産休後の目標です!
※この記事は2023年08月26日に公開されたものです