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大切な権利の一つなのに……。約9割の女性が、中絶に対して「女性側だけの問題とされているように感じる」と回答

#ヘルシーニュース

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オンライン診察でピルを処方するアプリ「smaluna(スマルナ)」を運営するネクイノは、スマルナユーザーを対象に、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)に関する意識調査を実施しました。

※このレポートで記載している「女性」とは生物学的女性を指しています。

SRHRについて「聞いたことがあるし意味も知っている」はわずか5.7%

まず、SRHRという言葉自体の認知度について調査しました。するとSRHRについて、「聞いたこともないし意味も知らない」が77.3%、「聞いたことはあるが意味は知らない」が17%となり、SRHRについてよく知らない人が94.3%と大半を占める結果となりました。

そのうち、「聞いたことがあるし意味も知っている」は5.7%にとどまりました。

年代別で見てみると、「聞いたことがあるし意味も知っている」の回答は他年代に比べ18〜24歳で約2倍高く、若い世代の関心度が高い傾向がうかがえました。

また、「聞いたことがあるし意味も知っている」と答えた人に、「今の日本においてSRHRが浸透していると思いますか」と聞いたところ、99.6%が浸透していないと回答しました。

83.8%の人が「性別による理不尽さやモヤモヤ」を感じていると回答

続いて、SRHRの考え方につながる日常で感じる「性別による理不尽さやモヤモヤ」に関して調査しました。

「性別による理不尽さやモヤモヤを感じたことがあるか」当てはまるものを選択してもらったところ、1位は「性に関しての悩みを人に話すべきではない・隠すべきものという風潮を感じる(36.0%)」に。

続いて、2位「婚姻関係がある、もしくはパートナーがいたら子どもを産むものだという風潮を感じる(35.0%)」、3位「生理についての悩みを人に話すべきではない・隠すべきものという風潮を感じる(33.7%)」という結果となりました。

この調査により何らかの性別による理不尽さを感じている人は全体の83.8%に上ることが明らかになりました。

また、「婚姻関係がある、もしくはパートナーがいたら子どもを産むものだという風潮を感じる」という質問に対しては、30〜34歳の人が47.7%という結果が出ており、他年代に比べて12.7%強く感じているという結果が出ました。

その他に「性別による理不尽さやモヤモヤ」した経験を自由回答でコメントしてもらったところ、130の回答が得られました。一部のコメントを紹介します。

 

「性別による理不尽さやモヤモヤ」した経験は?

・母親が家事育児メイン担当、父親はできたらやるという責任感のない立場。母親の生きにくさは常に感じる(30代)
・私はバツイチだが、今のパートナーが女性。パートナーは初婚だが、再婚するならこの人と決めていても同性婚は認められていないため、交わすのはパートナーシップのみ…愛した人が同性というだけで、切ない思いばかりする(40代)
・コンドームをしない彼に勝手だなと思った。避妊することをもっと義務教育から「当たり前」だという認識を植え込んで欲しい(20代)
・20代後半〜30代半ばくらいで就職しようと思うと、必ずと言っていいほど「結婚してるなら近々子どもの予定があるでしょう」ということを言われ、そのことが不採用に繋がっていると感じることがとても多い(30代)
・いつ子どもができてもいいと思ってはいるものの、仕事を代わってくれる人がいないため、今自分が妊娠したら無責任になるんじゃないかと思ってしまい、なかなかタイミングが掴めずにいる(30代)
・出産をすることが女性の幸せだと夫が言っていたこと(40代)
・職場で当たり前なことのように既婚で子どもがいないことを不思議がられる(30代)

 

 

これらの結果から、SRHRの認識有無に関係なく、文化的要因や社会的制約などから日常生活の中でSRHRという概念が浸透していないことにより、全ての事項において個人に決定が委ねられているにも関わらず、性別による不公平さや理不尽さを感じている人が多いということがわかりました。

避妊は「自身のライフプランを形成する上で必要なもの」と回答した人が9割超

続いて、SRHRの中でもリプロダクティブ・ライツの考え方に関わる「避妊」についてのイメージを質問すると、「自身のライフプランを形成する上で必要なもの」が最も高く92.3%に上りました。次いで「パートナーと二人で話し合って行うもの」と回答した人が90.6%という結果が出ました。

一方で、「男性主体で行うもの(コンドームなど)」と回答した人は69.8%、「女性主体で行うもの(ピルや避妊リング等を含む子宮内避妊具など)」と回答した人が51.5%と、避妊は男性主体で行うものという認識が約20%を上回っています。

このことから、避妊は、自身のライフプランを形成する上で必要と考え、パートナーと話し合って行うものだという考えを持ちつつも、実際の認識はまだ「男性主体で行うもの」と考えている人も多くいることがわかりました。

また、避妊の一つの手段であるピルについて聞いたところ、ピルについて知る前の「ピル」についてのイメージは「避妊のためのもの」がトップとなりました。

「ピルについて知った・もしくは服用したことでそのイメージはどのように変わりましたか?」と聞いたところ、1位「生理周期が整い、予定が立てやすくなる」(75.1%)、2位「自分で避妊を選択できるもの」(66.7%)、3位「生理痛を軽減できる薬である」(65.8%)となりました。

これらのことから、ピルは「避妊のための薬」として認識している人が多い一方で、副効用(生理不順の改善・月経痛の軽減・PMSの改善など)も含めて日々の生活がより豊かになるサポートとなっている様子がわかりました。

また、ピルの情報をどこから得ているかという質問は「インターネットやSNSで検索して調べた」がトップで61.1%。次いで「医師からの説明を聞いた」(22.1%)、「友達から聞いた」(10.4%)という結果となりました。

その他の回答では、「パートナーから勧めてもらった」「テレビニュースで見て知った」という声もありました。

その他、「避妊のイメージ」を自由回答で聞いたところ、以下のコメントがありました。

「避妊のイメージ」は?

・女性が自分の将来を選択するために欠かせない手段(30代)
・自分らしく生きる為に必要なこと。でも、人によっては遊ぶ為の行為と思われる(40代)
・私自身、小4くらいの時から母親から「彼氏が出来たら必ずコンドームしてもらいなさい!」とよく言われていたので、特に悪いイメージはない(30代)
・多くの人に必要で大切な行為のはずなのに、話題にすること自体が恥ずかしい、いかがわしいことのようにされており、日本では学校などであまりきちんと教えられていないように思う(20代)
・妊娠を望まないなら絶対に必要だと思う。性病も心配なので男性主体で避妊して欲しいが、快楽優先や妊娠を安易に思ってる男性が多い(30代)
・望まない妊娠をしてしまった場合、身体的・精神的・(経済的)負担を強いられるのは女性側であるからこそ、避妊はお互いがしっかりするべきで、お互いにしっかり意思表示が出来ることが重要であると思う(20代)

性行為は相手とのコミュニケーションや関係性を築く上でお互いにとっての重要な要素ですが、「妊娠」は女性側の身体に直接的に影響します。そのため、女性主体で避妊方法を選択することは、女性が自分自身のココロとカラダを大切にするために必要な手段です。

さらに、健全で満足度の高いパートナーシップを築くためには、避妊に関する共同の意思決定が重要だと言えます。

中絶が「女性側だけの問題とされているように感じる」人は約9割に

続いて、妊娠の結果産まないことを選択した場合の「中絶」についてのイメージを質問しました。

中絶に対して「女性側だけの問題とされているように感じる」と回答した人は89.6%に上りました。また、身体的理由・経済的理由に関わらず「どういう理由であれ中絶は女性の権利として認められるべきだ」と回答した人は78.1%に上りました。

また、「中絶という言葉に抵抗がある」「妊娠した以上産むべきだ」という項目について年代別で見てみると、他年代に比べて10代(18・19歳)が高く出ていることがわかりました。

特に若い年代に対してはSRHRの考え方を含めた包括的性教育(人権尊重を基盤とした性教育)が必要とされていることを感じさせる結果となりました。

その他の「中絶」のイメージについては以下のようなコメントがありました。

「中絶のイメージ」とは?

・母体のためにも子どものためにもできるだけしないことが望ましいと思うが、望まない妊娠をしてしまう人がいる事実に対する世間の理解がもっとあると良いと感じる(20代)
・個人的に中絶は女性の大切な権利の一つだと考えるが、日本では中絶=母親の身勝手・無責任だと捉えられているように感じる(30代)
・中絶同意書にパートナーのサインが必要であるのはおかしいと感じている。自分の体の事は自分で決めたい(30代)
・女性の権利として認められるべきものという考え方に賛成しているが、自分の中で中絶に対して否定的な感情があり、考えることが苦しく感じる。若い子が性行為をして妊娠してしまうと社会から弾かれてしまうような現状も問題だと思う(20代)
・性被害に合って、願ってもいない妊娠をしてしまったとき、自分の人生を他人の欲望のせいで奪われてほしくないと思う。中絶する事で罪悪感を持つような世の中にはなってほしくない(30代)
・中絶はだめだ、中絶したら子どもが可哀想だ、などいろいろな意見があるが、産んだ以上ちゃんと育てる義務が発生するし、タダで育てれる訳でもないから、経済力が必要。いろんなことを考慮した結果、生まれた子どもが幸せになる環境を作れる確証がないなら、中絶は必要な選択肢だと思う(20代)

続いて、2023年4月に承認された国内初の経口中絶薬について「もし今あなたが妊娠し、中絶を選ぶことになったとしたら、経口中絶薬と中絶手術、どちらを選択しますか」と質問しました。この質問には61.3%の人が「経口中絶薬」と回答し、33.1%の人が「わからない」と回答しました。

国内で初めて経口中絶薬が承認されたことは、中絶の際の選択肢が増えたということでありSRHRの社会実装の観点から大きな第一歩です。しかし、服薬にあたり、出血や感染症、さらに中絶が完全に行われない場合など、母体に対するリスクがあると言われています。まずはこれらを正しく知る必要があります。

SRHRに含まれるリプロダクティブ・ライツには、「子どもを産む・産まないを決める権利」が含まれています。産むと決めた人だけでなく産まないと決めた人をサポートできる環境を整える必要があり、SRHRを社会実装していく上で、女性の健康と自己決定権を尊重するための包括的支援が重要だと考えます。

今回の調査により、SRHRという概念自体はまだまだ浸透していないものの、SRHRの考え方に通ずる違和感は多くの人が感じているという実態が明らかになりました。

調査概要

調査対象:スマルナユーザー511名(女性)
実施期間:2023/05/12~2023/05/18
調査方法:インターネット調査
回答者年齢分布:10代 4.5%、20代 42.2%、30代 35.4%、40代 15.4%、50代以上 2.4%
スマルナ:https://smaluna.com/

(エボル)

※この記事は2023年07月05日に公開されたものです

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