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「できれば」は敬語表現? ビジネスでの正しい使い方と失礼のない丁寧な言い換えとは

にほんご倶楽部

日常で使いがちな「できれば」という言葉。実はビジネスで使うにはあまり適していません。なぜ使用を避けた方が良いのか、また目上の人に使える丁寧な言い換え表現について解説します。

「できれば」という表現を普段の会話やビジネスシーンで使う人は多くいます。実はこの「できれば」という表現は、ビジネスでは相手に対して失礼な印象を与えてしまう可能性もあります。

「できれば」の意味や敬語として使えるのか、より丁寧な表現は何なのか解説していきます。

「できれば」に代わる類語も紹介するのでぜひ参考にしてください。

「できれば」は敬語として使える?

結論として「できれば」をビジネスシーンで敬語として使うことは、あまりおすすめできません。

まずは、できればの意味を知っておきましょう。

できれ‐ば【出来れば】
読み方:できれば
[連語]可能であるならば。「—参加してほしい」

出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

「できれば」は「可能であれば」といった意味を持っており、相手に対して「こうしてほしい」という要望や希望を伝える表現です。

日常ではよく使いますが、ビジネスシーンではくだけた表現になってしまいます。特に目上の人に対しては、失礼に思われてしまうことがあるでしょう。

そのため、「できれば」ではなく、より丁寧でやわらかい印象になる言葉を使うと良いでしょう。

ビジネスで使える「できれば」の丁寧な表現

「できれば」はラフな印象を与えてしまう言い回しです。ではビジネスシーンでは、「できれば」をどう丁寧に表現したらいいのでしょうか。

「できれば」を丁寧な敬語表現にした時の3つの例をご紹介します。

(1)「できましたら」

「できましたら」は、「できれば」を敬語にした言い回しです。「できましたら、〇〇日までにご提出ください」など、ただ相手に要望を伝えるのではなく「できましたら」がクッション言葉になり、やわらかい印象を与えられます。

「できたら」よりもカジュアルな印象にならず、口語としても使いやすい表現です。ただし人によっては「できましたら」でも、ややフランクな表現にとられてしまうこともあります。

その場合は次から紹介する、さらに丁寧な言い方に変えていきましょう。

(2)「よろしければ」

「よろしければ」は相手に対して「よろしいか」と伺いを立てる言い回しです。「できたら」よりも丁寧な表現となり、ビジネスシーンでは目上の人にも使いやすい言葉です。

「よろしければ」は、相手に選択肢を選んでもらう時にも使う表現で、相手に決定権があるニュアンスを含ませることもできます。

「できたら〇〇してください」といった表現よりも「よろしければ〇〇していただけないでしょうか?」と言い換えることで、へり下った形での依頼にもなります。

(3)「差し支えなければ」

「差し支える」とは相手にとって不都合があることです。つまり「差し支えなければ」と表現することで、相手にとって不都合がなければ、それを実行してほしいという要望を伝える言葉です。

相手の都合を伺いつつも自分の希望を伝えられるため、一方的な印象になりません。特にビジネスシーンでは幅広い人に対して使える言葉です。

「できれば」の類語

「できれば」はそのままだとくだけた印象になってしまいます。そこで、ビジネスでも使える類語を意識して、シーンに合わせて使い分けていきましょう。

ここでは、「できれば」の3つの類語をご紹介します。

(1)「恐れ入りますが」

「恐れ入りますが」は相手に何かお願いごとをする時に使う言葉です。「恐れ入る」とは相手に対して「お願いすることは申し訳ないが」という意味を持っています。

「お忙しい中恐れ入りますが」などの言葉を使うことによって、相手の状況を理解しつつもお願いをしたいという気持ちを伝えられます。

目上の人やお客様などにも使える表現で、ビジネスでは定番の言い回しです。

(2)「お時間があれば」

相手のスケジュールの都合を確認したうえで、要望を伝える時は「お時間があれば」と使いましょう。

「お時間があれば〇〇についてご説明したいのですが、いかがでしょうか?」など、時間的にゆとりがあるのか伺いを立てたうえで、その後どうするのか判断してほしいといった意味が込められています。

目上の人や取引先に対しては、「あれば」ではなく「お時間ございましたら」などの言葉に変えるとより印象は良くなるでしょう。

(3)「ご無理がなければ」

「できれば」の代わりに、相手にとって自分の要望が無理なものではないか確認したい時に「ご無理がなければ」との表現を使います。

例えば突然の変更や、予定よりも作業量が増えた、時間がかかってしまったといった状況で、相手に無理がないか気遣いつつもお願いできる言い回しです。

「無理」に「ご」をつけることで丁寧な表現になると同時に、お願いする場面でも強引な印象を与えずに気持ちを伝えられます。

「できれば」はビジネスシーンにおいては言い換えて使うのが好ましい

「できれば」は話し言葉としてよく使いますが、基本的にビジネスシーンで目上の人に言うのはカジュアルすぎる表現です。

そのため目上の人には「差し支えなければ」「恐縮ですが」といった、より丁寧な言葉に言い換えるのがベターでしょう。

相手にお願いしたり要望を伝えたりする時の言葉なので、失礼のないよう相手や状況によって言い方を工夫することが大切です。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年05月18日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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