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【第2話】あまりに根深すぎたセックスレスの闇

#あなたがしてくれなくても考察

やまとなでし子

恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、フジテレビ系木曜ドラマ『あなたがしてくれなくても』を毎週考察&展開予想するコラムです。夫婦のセックスレスをテーマにした大人の恋愛ドラマとなっている同作。あんなに仲の良かった夫婦がなぜセックスレスになってしまうの? 妻の色気がなくなったから? 夫の努力不足? それとも……? 愛を求めてさまよう30代男女の危ういラブアフェア模様を考察します。

※このコラムはドラマ「あなたがしてくれなくても」2話までのネタバレを含んでいます。

©フジテレビ

想像以上に根深すぎた新名夫婦の闇

新名夫婦のレスの原因は、夫婦の時間が取れないほどの楓(田中みな実)の多忙かと思っていたのですが、想像以上に問題が根深すぎて震えました。会社ではあんなに信頼され、輝いている新名(岩田剛典)が楓の前では楓の顔色をうかがい、機嫌をとる怯えた子羊のようで、そのギャップに悲しさと切なさでいっぱいになる回でしたね。

楓の振る舞いはもはや精神的DV

楓は新名の優しさに慣れすぎて、それを敬意も尊敬もなく当然のように搾取しているように見えるほどの横暴さです。仕事で成功したい気持ちが大きくなりすぎて、追い込まれると、それ以外の物事に配慮ができなくなってしまいます。

例えば仕事でミスがあった日は、ねぎらいにお茶を入れようとする新名に「起きてなくていいよ!」と当たったり、結婚記念日のディナーの約束よりも、差し込みの仕事を優先したりするほどです。

周囲が心配しても「大丈夫、そんなことで怒る人じゃないんで」と新名の優しさにあぐらをかきまくっています。

結局ディナーは間に合わず、宿泊するホテルの部屋に着くやいなや、夕飯も食べず疲れて寝てしまう楓。キスすら断り、新名を待たせた申し訳なさや、敬意が一切感じられません。

「忙しいから仕方ない。理解しろ」と、仕事を全ての免罪符にして、新名の気持ちを押し込め自分の欲求を押し通しているよう。それを繊細に汲み取り、一層追い込まれていく新名。

編集長に推薦される話も出ていたので、もしかなえばさらに多忙を極め、この地獄はさらに深くなりそうです。

楓は妊娠を恐れている可能性?

©フジテレビ

ディナーの晩はキスすら断っていた楓。編集長(MEGUMI)と話す場面で「女が出世しようとすると、結婚出産が弊害になる」といった会話もありましたが、妊娠することでキャリアが中断されることを恐れ、体の関係にならないようにガードしている、という理由もあるかもしれません。仮にそうだとしたなら、その考えを伝える対話が必要ですよね。

記念日デートでの「今日だけでも頑張ることはできない?」という誘い方は、配慮と気遣いの人、新名にしては「下手こいたな〜」という印象で、「頑張ってするものなの?」と性のはけ口にされていると捉えられかねない表現でしたが、それに対する楓も「いいよ! それで誠が満足するなら! 私遊んでるわけじゃないんだよ?(仕事で疲れているんだから配慮しろ)」というブチギレ開き直りでもう最悪OF最悪。

マジでなんであの場面で小島よしお出てこなかったの? あそこを救えるのはよしおしかいなかったはず。新名「今日だけでも頑張ることはできない?」よしお「下手こいた〜!」ドゥルルンドゥルルンドゥルルンドゥルルン♪ であの空気をぶっこわしてくれや。辛い。ピーヤ!

とりあえず自分のことだけ考えるのやめろ

珍しく楓が先に帰宅していた日、新名が一人で飲んでいたと伝えたら「なんだー、誘ってくれたらよかったのに」と言っていましたが、自分がどう見えているか、新名目線で考えたり配慮したりすることが一切できてないことが明らかになるセリフでしたね。

夫婦の会話が3分しか取れないような、あれだけ多忙を極めているお前を気軽に誘えるわけないだろと。誘ったところで、仕事で時間がないのは目に見えてるし、虫の居所が悪ければ、「仕事で忙しいのに行けるわけないの分からない?」とカウンターくらうリスクだってあります。

仕事への配慮を日頃しまくった上で接している、新名のことを何も分かっていないんだなと。「旦那呑気に見えない?」という質問に「たまに」と答えていた楓ですが、呑気なのはお前だよ状態です。校了で奇跡的に時間ができたならお前から誘えや。

花選びにみる新名の哀愁

結婚記念日に楓のために花を選んでいた新名。前回コラムに書いた「揚げの工程」に引き続き、やっぱこの人恐ろしいわ……と思わされました。

花束作るのに、バラでもチューリップでもなく「アルストロメリアあります?」ってよどみなく噛まずに言えます? アルストロメリアの花がなんなのかピンとこない人の方が多いのでは。ハリポタの呪文と言われても、疑いなくスッと入ってきそうなほど馴染みの薄い花ですが、新名の知識量、まめさ、本当に末恐ろしいです。

ちなみにこの花言葉は「未来への憧れ」。楓とのレス解消への期待を込めて選んだ花なのでしょうか。そこまで織り込み済みで新名は選んでいそうだから(いい意味で)怖いですし、切なくなってしまいました。でもこうなると旦那が優しければ優しいほどイライラするフェーズに楓が入っていきそうでそれもまた恐ろしい。

罪悪感をセックスで上書きすな

©フジテレビ

一方、主人公のみち(奈緒)のセックスレス模様はというと……。

旦那・陽一(永山瑛太)が店長を務めるカフェでは、バイトとして結衣花(さとうほなみ)を雇うことに。あのガラガラ具合でバイトいらねぇだろ。赤字だよ。とは視聴者全員が心の中で突っ込みつつ、二人の距離は突如縮まります。

帰り道、結衣花をバイクで送り届けることとなり、初めてのバイクに結衣花は大興奮。勢いで結衣花が陽一にキスをし、それに応えるように陽一もキスを返してしまいます。

さすがに「うちくる?」の誘惑は冷静に断ったものの、その流れでみちにスーパーあたりで買った値札つきの花を渡してキス、からの押し倒すという、最悪なきっかけでのセックスレス解消。しかし途中の描写で終わったので、無事最後までできたのか? ED発動で未遂で終わっていた可能性もあります。

自分の罪悪感をみちとのセックスで上書きすな! みちも「花束のプレゼントいいな」と考えていた中で受け取ったのが、知らないとはいえ“詫び花”だったなんて皮肉すぎますね。

©フジテレビ

楓にとっての最重要事項とは?

今回、楓を責めすぎましたが、入院する新名のお母さんのために、多忙な中プレゼントを持って駆けつけるなど、優しさや家族愛があるんですよね。そういう姿に新名はまた愛を感じて、また尽くしてしまうのでしょう。一度本音を全部ぶちまけてみてほしいですが、そこで仕事か新名か、彼女にとって何が一番大切なのかが分かりそうですよね。

優しさにあぐらをかいていたことに気づくか、それだったら新名は仕事の弊害になるからいらない、となるか。彼女にとって一番大切なものがなんなのか気になります。次回予告もさらに地獄を極めていましたが、放送を楽しみに待ちましょう。

(やまとなでし子)

※この記事は2023年04月27日に公開されたものです

やまとなでし子 (コラムニスト)

大和撫子とは対極にいるアラサーJK(女子会社員)。バチェラーを始めとした恋愛リアリティ番組、ドラマ、合コン、婚活、過去出会った世にも不思議な男性たちや日常についての備忘録をTwitterとブログで綴っている。インスタでは綺麗めファッションコーデを日々更新。

Twitter:@yamatonadeshi5
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ブログ:男性見聞録

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