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「遠慮させていただきます」は正しい敬語? 使い方や言い換え表現も紹介

にほんご倶楽部

「遠慮させていただきます」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。だからこそ、「正しい敬語なの?」と悩む人は少なくないでしょう。本記事では、「遠慮させていただきます」の使い方や例文、言い換え表現を解説します。

「遠慮させていただきます」は、相手からの誘いを断る時に使える言葉です。ただ「お断りします」とだけ答えるよりも柔らかい印象になるため、ビジネスシーンでもよく使われます。

しかし、そもそも正しい敬語なのか、「ご遠慮させていただきます」としても良いのか、迷う人はいるでしょう。

そこでこの記事では、「遠慮させていただきます」が正しい敬語なのか解説。使い方や例文、ビジネスシーンで使える言い換え表現も紹介します。

「遠慮させていただきます」の意味

まずは「遠慮させていただきます」の意味を確認しておきましょう。「遠慮」を辞書で調べると、以下のように記載されています。

遠慮(えんりょ)

[名](スル)《3が原義》
1 人に対して、言葉や行動を慎み控えること。「―なくいただきます」「年長者への―がある」「この部屋ではタバコは―してください」
2 辞退すること。また、ある場所から引き下がること。「せっかくですが出席を―します」「君は―してくれ」
3 遠い将来のことを思慮に入れて、考えをめぐらすこと。遠謀。「深謀―」
4 江戸時代、武士や僧に科した刑罰の一。軽い謹慎刑で、自宅での籠居 (ろうきょ) を命じたもの。夜間のひそかな外出は黙認された。

(『デジタル大辞泉』小学館)

「遠慮させていただきます」の「遠慮」は2の「辞退する」という意味です。そこに「させてもらう」の謙譲語である「させていただく」をつけて、丁寧な表現にしています。

相手からの誘いや申し出を断る際に使われる、角の立ちにくい言葉です。

例えば、取引先から会食の誘いを受けたにもかかわらず都合が合わない時、「お断りします」とだけ答えるとぶっきらぼうな印象を与えかねません。

このような場合、「せっかくお誘い頂いたところ申し訳ありませんが、先約の都合により今回は遠慮させていただきます」などと答えることで、誘いを受けられず残念に思っている気持ちを伝えられます。

「遠慮させていただきます」は正しい敬語?

では、「遠慮させていただきます」は正しい敬語なのでしょうか。また「ご遠慮させていただきます」としても良いのでしょうか。解説します。

「遠慮させていただきます」は敬語として正しい

結論から言うと、「遠慮させていただきます」は正しい敬語です。

「二重敬語なのでは?」と疑問に感じる人はいるかもしれませんが、二重敬語とは「謙譲語+謙譲語」「尊敬語+尊敬語」のように同じ種類の敬語を重ねた言葉です。例えば「拝見させていただきます」が挙げられます。

「拝見」(「見る」の謙譲語)+「させていただく」(「させてもらう」の謙譲語)+「ます」(丁寧語)

上記の通り、「拝見させていただきます」は謙譲語を二重に使っています。一方、「遠慮させていただきます」は以下の構成になっています。

「遠慮」(名詞)+「させていただく」(「させてもらう」の謙譲語)+「ます」(丁寧語)

こうして見ると、「遠慮させていただきます」が正しい敬語であると分かるでしょう。

「ご遠慮させていただきます」でもOK

「遠慮させていただきます」は「ご遠慮させていただきます」と頭に「ご」をつけて用いられる場合があります。

「自分の行為に『ご』をつけても良いの?」と疑問に思う人はいるかもしれませんが、この場合の「ご」は相手への敬意を表す接頭語なので問題ありません。

もう少し詳しく解説すると、「ごあいさつ」「ご案内」などと同じように「ご+他人に対する行為を意味する言葉」の形で、相手に対する敬意を表しているのです。

「遠慮させていただきます」よりもさらに丁寧な表現をしたい時は、「ご遠慮させていただきます」を用いると良いでしょう。

▶次のページでは、「遠慮させていただきます」の使い方と例文を紹介します。

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