緊急避妊薬のOTC化に9割が賛成。使用経験者のリアルな声
オンライン診察でピルを処方するアプリ「smaluna(スマルナ)」を運営するネクイノは、スマルナユーザーを対象に「緊急避妊薬(アフターピル)」に関する意識調査を実施しました。
6割の人が緊急避妊薬を服薬したい場面に直面した経験あり
現在、緊急避妊薬を処方箋がなくても薬局で買えるようにするOTC化について国の検討が進んでいます。
まず、緊急避妊薬の認知度について質問すると、スマルナユーザー1,319名中99.4%が、緊急避妊薬を知っていると回答しました。
また、緊急避妊薬を使いたい状況に直面した経験があると回答した人は60%、そのうち実際に服薬したことがある人は80.4%でした。
緊急避妊薬が必要になった理由・背景としては、「コンドームが破けた・うまく装着できなかった」(38.1%)が最多、次いで「相手がコンドームを着用してくれなかった」(30.1%)となりました。
この結果から、女性側に避妊の意思はあったものの予期せぬトラブルによって緊急避妊薬が必要とされていることがわかりました。
入手先は「オンライン診察」50.9%、「病院」44.5%
次に、緊急避妊薬にどうアクセスしたか、入手方法については、「オンライン診察」(50.9%)、「病院」(44.5%)、「その他」(4.6%)という結果に。その他の中には「海外在住時に薬局で購入した」という回答もありました。
緊急避妊薬を知ったきっかけは、「自分でインターネットで調べた」(74.9%)が最多となりました。「その他」の中には「スマルナからのメルマガで知った」「テレビや雑誌、漫画などを通じて知った」という人や、「パートナーから聞いた」という人もいました。
また、どのように知るのが理想だと思うかという問いに対しては「教科書や学校での教育」で知るのが理想と回答した人が82.8%という結果が出ました。今後、緊急避妊薬を含めた性に関しての正しい知識をどのようなタイミングでインプットしていくのが良いのかが課題として挙がる結果となっています。
服薬後、避妊に対しての考え方が変わった人は7割超
さらに、緊急避妊薬服薬後、避妊に対しての考え方が変わったかを質問したところ、「変わった」と答えた人が72.3%に上りました。
具体的にどのように変わったか聞いたところ、「自分でできる避妊方法を始めようと思った(低用量ピルや子宮内避妊具など)」が73.3%で最多となりました。
この結果から、緊急避妊薬の服薬を検討するに際し、相手に依存しない自分主導の避妊に対する意識が上がっていることがわかりました。
そのほか、
・避妊をしてくれない彼とは別れようと思った
・危険日についてはコンドームをつけて性行為を行おうと思った
・診察で、アフターピルも100%の避妊効果があるわけではないことや、服用後は性行為ができないことなどを知り、これからより一層気をつけようと思った
・既婚だが、パートナーと話し合うようになった
・低用量ピルを忘れずに服用しようと思った
・パートナーと話し合い、お互いに確認したり気をつけたりするようになった
というコメントも見られました。
OTC化に賛成は86.2%、理由は「選択肢を増やすべき」「現状入手しづらい」など
続いて、緊急避妊薬が薬局で買えるようになる(OTC化)の動きについて調査するとOTC化に賛成する人は86.2%と約9割にのぼることが明らかになりました。
その理由としては、
・72時間以内でしか効果が得られないにも関わらず、現状入手しづらいから
・より多くの人の意思に沿った選択肢を増やすべきだと思うから
・望まぬ妊娠を防げる可能性が高まるため
・ほんとに焦った時に必要だと思うから。産婦人科に行く間に時間がどんどんたつのが怖いから
・自分が住んでいるところは田舎で病院が少ないことと、知り合いに会うかもと行くのを躊躇うこともある。時間も遅くまでやっている薬局で買えれば望まない妊娠は減ると思う
・婦人科の診察が休みの日、勤務時間の形態からそもそも病院が開いてる時間に行けないなどがあるため
・自分の人生を左右する可能性のあることなので、早めにアクセスできることが女性の身体や生活を守ることに繋がるから
・使わないことが一番だが、緊急時に手に入れることができる環境の整備は必要だと考えるから
・受診が望ましいが、土日夜間などは受診できないから
・自らも体を守る権利があると思うから
などが上りました。一方で、「薬局で買えるのはいいと思うが、条件付きなのは少し気にかかる」という回答もありました。
緊急避妊薬は「薬局で買いたい」が40.3%で最多に
続いて、緊急避妊薬が必要になった場合の理想のアクセスについて調査しました。「薬局で買いたい」が40.3%で最多、次いで「病院に行きたいが、忙しさや土日などで行けない場合は薬局で買いたい」が29.2%という結果になりました。
この結果から、本当は病院に行きたいが、忙しくて行けない・土日で行けない・遠くて行けないなど、薬へのアクセスに関するハードルが、薬局で買いたい背景に含まれていることがわかりました。
緊急避妊薬に関する意見・体験コメント
最後に、緊急避妊薬についての実体験や意見を聞いたところ、300を超えるコメントがありました。その一部を紹介しています。
・「すぐにアフターピルを使いたいと思ったが仕事を休んでまで早急に病院を受診できず、その後アフターピルを服用したが結局妊娠してしまった。もっと身近にアフターピルが有ればよかったなと思う」(20代)
・「簡単に手に入るようになれば性行為を助長するから反対だという意見があることは知っているが、手に入りにくくすることで本当に困っている人が対処できずに辛い思いをすることを分かってほしい」(20代)
・「土曜に避妊に失敗して月曜朝一に仕事を休んで婦人科を受診してもなかなか診察と処方まで辿り着けず大変だった」(30代)
・「実際に使用したがアフターピルまで飲んだほうが良いのか、病院に行く時間も無く悩んでしまったため、三日目と少し時間があいてしまった。その為なのか結局妊娠してしまい、初期中絶をした。身近なところで手に入るととても助かる」(30代)
・「アフターピルを2回使用したことがある。1回目も2回目も行為の36時間以内に服用しましたが、2回目はピルを服用しても避妊に失敗し妊娠をしたことがあった。普段からの避妊にいかに重要か実感した」(20代)
・「自分は結婚していて、旅先の性行為でコンドームがなく安易な気持ちでしてしまったが、それでも失敗し妊娠するかもと思ったときはかなり血の気がひいた。これが、もし望まぬ性行為だった場合などを考えたら、女性は絶望的だと思う。薬局で買えるようになることを切に願う」(30代)
調査概要:
調査対象:スマルナユーザー1,319名(女性)
実施期間:2023/01/16~01/21
調査方法:インターネット調査
回答者年齢分布:10代 3.9%、20代 46.3%、30代 33.5%、40代 15.5%、50代 0.8%
(エボル)
※この記事は2023年02月04日に公開されたものです