「女性従業員の活躍実感度ランキング」1位の会社で働く女性に話を聞いた“働きやすさの本質”
取材・文:ミクニシオリ
撮影:大嶋千尋
編集:鈴木麻葉/マイナビウーマン編集部
女性にとっての働きやすさって、なんなのでしょう。
生理休暇の取りやすさや、産休・育休制度の充実度合い? 女性役職者の多さ?
これらももちろん大切ですが、休暇制度やフレックスタイム制度、役職者数を「女性」と特別視して設定せず、みんながフラットに働ける会社があるとしたら……?
今回は日本最大規模の女性アワード『Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2022』で、女性従業員の活躍実感度ランキング(101名以上1000名以下の部)で第1位を受賞した株式会社コドモンで働く女性社員に、社内で実感する「働きやすさ」について取材。
すると、働きやすさの本質とは「性別やライフステージに囚われず、挑戦がしやすい環境である」ことが見えてきました。
チームプレーの徹底で「代替不可な仕事」をなくす
株式会社コドモンの普及推進部マーケデザイングループに所属する黒河内さんは、4度目の転職でコドモンに出会いました。自身の興味関心を持てる分野で、日々研鑽できる環境を求めて来た黒河内さん。さまざまな職場に勤めてきた中で感じる、コドモンならではの「働きやすさ」とはなんなのかを聞きました。
――黒河内さんはこれまでに数度転職活動をされてきたとのことですが、どのようなきっかけで転職したのでしょうか?
包括すると、自分らしい働き方を求めて転職活動をしてきたと思います。最初はIT企業に勤め、その後デザイン会社でデザイナーとして働きました。デザイン業務は楽しかったのですが、自分の仕事がどんな人に届いているのかが見えなかったため、モチベーションが続かず退職を決意しました。
退職後、カナダでワーホリを経験し、帰国してフリーのデザイナーへ。その後は6年ほど接客業に従事し、実際に広告を手に取る側の人たちと接する中でまたデザインの仕事で役に立てることがあればと考えるようになり、転職活動の際にコドモンとご縁がありました。
――かなり色々な職場を経験してきていらっしゃると思うのですが、職場環境による働きづらさが転職の理由になることはありましたか?
働きづらさが転職のコアな理由になったことはありませんが、働きづらさを感じたことがないわけではありません。たとえば、自分の作業より前の工程を作業する人が体調不良で休むと、本人以外は仕事の進捗や内容が分からず、自分の作業が滞る……といったことがありました。より良い働き方の実現のため会社組織として仕組み化できることがあるのでは、と感じましたね。
――コドモンは『Forbes JAPAN WOMEN AWARD』で活躍実感度ランキング1位を受賞していることもあり、女性も働きやすい環境なのだろうということが想像できます。実際どんなシーンで、働きやすさを感じますか?
まず前提として、社員が企業理念に共感していて、理念に沿った行動統率が取れていると感じます。コドモンは「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」というミッションを掲げ、保育・教育施設向けICTサービスなどを展開しています。
その中で、保育や教育現場の働きやすさ、子育てのしやすさを改善するためには、私たち自身が心身ともに健康に働きやすくあるべきだという中間目標があり、社員がその目的のために一貫した行動を取っているんです。
――なるほど。企業理念を社員全員が理解し、行動できている会社は少ないと思います。具体的にどんな行動から感じるのでしょうか?
まず、みんなが時間を守って行動しています。 コドモンでは打ち合わせの時間は30分が基本で、みんなが終わりの時間を意識しながら会議を進めている印象です。
なので、ミーティングはきっかり30分で終わります。タイムマネジメントがもともと苦手な人でも、周りの意識に引っ張られてどんどん効率的な行動が取れるようになっていくんです。
――会議の時間が長いことは、日本人の悪習の1つともよく言われますよね。規則正しいのはいいことだと思いますが、その規則に縛られていると感じることはないですか?
仕事における優先順位が高いこと以外は自由なことも多いので、規則に縛られていると感じることはありません。必要がなければ出社の義務もありませんし、プライベートを充実させたい人も子育てをしている人も、業務効率をあげることで対応しています。
チームで仕事の進捗を管理するので、 誰かひとりが集中的に忙しくなるということもありません。一人ひとりに仕事の生産性を高める意識があり、仕事の進捗報告が徹底されています。優先順位の決定をチームでシェアする機会も多いので、就業間際に急ぎの仕事がくることもないですね。
――報連相や優先順位の決定など、言葉にすると当たり前のようにも感じることですが、意外とみんなで徹底できる職場というのは少ないのかもしれませんね。なぜ、コドモンは徹底できているのでしょうか?
社内の連絡ツールでも個人DMをなるべく使わず、チームメンバー全員が見れる場所でやり取りするため、直接自分には関係ない部分の進捗も確認できるようになっています。また、チームや上司に対して「相談しづらい」という空気がないですね。リモートワークの人も多いですが、オンラインオフィスも活用されています。上司との短い1 on 1ミーティングも回数が多く、小さなことでも1人で抱え込まず、誰かと考える文化が根づいていますね。
朝と夕方には30分未満のミーティングもあって、全体での進捗確認も行われます。遅れている人がいれば全員でフォローするので、業務の近い人や上司が全て受け負うこともありません。
――あらゆる仕事の悩みを、1人で抱え込まなくていいんですね。
「女性」でも「男性」でも垣根なく、誰もが働きやすい環境
――「女性だから働きやすい」というわけではなく、子育て世代も独身世代も、男女問わず働きやすい環境ができているように感じますね。
そもそも子どものいない社員と子育て中の社員、男性社員や女性社員といった属性による垣根がないのが、コドモンのいいところなんです。たとえば、コドモンでは一般の会社では個人プレーになりやすい営業職も、チームで動くような環境ができています。絶対に自分1人でしなくてはいけない仕事がないことも、働きやすい環境づくりの一環になっていますね。
体調不良はもちろん、家族の体調不良の際など、休むべき時に休みやすい環境を作ることで、日々の生産性を上げる方が大切だというのがコドモンの考え方です。
――規則を守るための報告連絡ではなく、フォローし合えるチームのために情報がシェアされているのがいいですね。働きやすさは伝わってきましたが、女性が活躍を実感できる理由はなんだと思いますか?
職場全体に、チャレンジしやすい環境が整っていると感じますね。たとえば、短期の部署間留学が活発に行われています。自分がやりたいことがあれば、他部署でも短期的にチームに加わり、普段とは違う働き方を体験できるようになっています。
それ以外にも、コドモンには「0.5投資」という制度があります。自身のスキルアップのため 、1週間のうち半日を学習投資に充てていいことになっているんです。こういった制度が存在しているだけでなく、みんな手を上げて使える環境なのも良いところ。 誰もが挑戦がしやすい環境が社内のカルチャーとして根づいているなと感じます。
黒河内さんが制作されたアイテム
――活躍が実感できるのも、女性だからということでなく誰しもが挑戦しやすい環境づくりゆえなんですね。黒河内さん自身、コドモンで新しいスキルを身につけることができましたか?
私も「0.5投資」を利用しセミナーに参加したりデザインツールの新しい機能を試したりして、日々新しいデザイン方法のインプット機会を増やしています。それに、無駄な残業があまりないので、定時に仕事が終わった日には副業をして、本業とは違ったイメージのデザインにも触れるようにしています。
――かなり効率的に時間を使われていますね。リモートワークだと、仕事へのモチベーションも自己管理になりますが、何か工夫されていることはありますか?
たとえば、だらけやすい午後の時間は、15分間チームのみんなでお茶休憩をしたりしています。仕事のモチベーション管理もチームで支え合っていますね。それに、お茶休憩にしろ「0.5投資」のような制度にしろ、面倒な稟議を通す必要がなく、上司に一声かけるだけでいいという手軽さがあります。
――大変参考になりました。最後に、黒河内さんにとって「働きやすさ」とはなんなのかを教えてください。
コドモンは全体を見れば個性豊かなメンバーの揃う会社なのですが、その多様性は活かしながらも、組織としての統率が取れています。自分らしさを活かしながらも、会社に所属しているからこそのチームプレーによるメリットも享受しているので、プライベートの時間やスキルアップの時間も大切にできます。精神的に無理なく成長の機会を与えてくれる環境は、私にとっての働きやすさに繋がっていると思います。
※この記事は2023年01月12日に公開されたものです
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