「お待ちしております」の正しい使い方は? 意味や注意点を解説
「お待ちしております」を使う時の注意点
待ち望むというニュアンスを含む「お待ちしております」は便利な言葉ですが、使い方には少し注意が必要です。
少しの差で間違った日本語になるケースもあるため、次に挙げる注意点に気を配ってみてください。
(1)「お待ちいたしております」は間違い
丁寧な言い回しをしたいために、「お待ちいたしております」と表現する人もいるかもしれません。しかしこれは間違った表現のため、ビジネスシーンにおいては避けましょう。
なぜなら「お待ちいたしております」の「おります」は先述の通り謙譲語ですが、「いたす」も同じく謙譲語。一つの言葉に同じ敬語表現が重なることは、二重敬語と呼ばれ、正しい日本語とは言えません。よくやりがちな間違いのため、ぜひ覚えておきましょう。
(2)相談なしの「お待ちしております」は失礼
メールで連絡や来店を望む時に使用する場合は、タイミングや使用するまでのやりとりが肝心です。例えば、相手の状況を全く知らない状況で「お待ちしております」を使用すると、自分だけの判断による持ちかけとなり、配慮に欠けた言い回しとなります。
そこまで強制的なニュアンスではないにせよ、何度かやりとりを重ね、相手のスケジュールを加味した上で使用するのが適切です。言い放っているように受け取られないよう、持っていき方には注意しましょう。
(3)時と場合によって言葉を選ぶ
汎用性の高い「お待ちしております」ですが、どんなシーンにも最適な言葉とは言えません。歓迎の意味合いを強くしたいなら、「心よりお待ちしております」を使用するのもおすすめ。「心より」には「心の奥深くから思っています」というニュアンスが含まれるためです。
また、より立場の高い相手に使用する時は「お待ち申し上げております」という表現も使用できます。「申し上げる」と「おります」はどちらも謙譲語で、厳密にいうと二重表現にはなりますが、浸透性の高い言葉であるため違和感は少ないと考えられています。
▶次のページでは、「お待ちしております」の言い換え表現を紹介します。