「引き続きよろしくお願いいたします」の意味は? 正しい使い方と言い換え表現
「引き続きよろしくお願いします」は目上の人や取引先相手にも使える敬語表現。ですが、失礼にあたらないよう、正しい使い方を覚えておくといいでしょう。今回は、例文や言い換え表現などを解説します。
ビジネスシーンで使うことの多い「引き続きよろしくお願いいたします」というフレーズ。
何気なく使っている人も多いと思いますが、ふと「自分の使い方は本当に合っているのかな?」「失礼な使い方になっていないかな?」と、心配になることもありますよね。
この記事では、「引き続きよろしくお願いいたします」の意味や、シチュエーション別の例文、言い換え表現などを解説します。
「引き続きよろしくお願いいたします」の意味
「引き続きよろしくお願いいたします」は、ビジネスの場で非常によく使われる言葉です。
「引き続きよろしくお願いいたします」を構成する「引き続き」と「よろしく」の意味は、辞書によると次のとおりです。
ひき‐つづき【引(き)続き】
読み方:ひきつづき1 続けざまに。途切れることなく。「―三日も雨が降っている」
2 すぐそれに続いて。「―慰労会に移る」出典:『デジタル大辞泉』(小学館)
続いて、「よろしく」にはこんな意味合いがあります。
よろしく【▽宜しく】
読み方:よろしく[副]《形容詞「よろしい」の連用形から》
1 ちょうどよいぐあいに。程よく。適当に。「―取り計らってくれ」「今ごろあの二人は―やってるよ」
2 人に好意を示したり、何かを頼んだりするときに添える語。「―御指導下さい」「―お願いいたします」
3 「よろしくお伝えください」の意で、別の人への好意を伝えてもらうときに用いる語。「お父さんに―」
4 《「宜」の漢文訓読語から》(「よろしく…べし」の形で)当然。ぜひとも。「―一層の勉学に励むべし」
5 上の内容を受けて、いかにもそれらしく、の意を表す。「喜劇俳優―おどけてみせる」[補説] 「宜敷」と当てて書くこともある。
出典:『デジタル大辞泉』(小学館)
「引き続きよろしくお願いいたします」は、日頃から取引をしている相手や、今後も関係が継続していく相手に対して、「これからも良好な関係を築いていきたい」「このあとの取引もお互いに気持ち良く続けていきたい」という思いを込めた言葉となります。
また、取引がまだ終了していない、途中の段階でも使うことができます。いずれの場合でも、人間関係を円滑に進めるために役立つ言葉だと言えるでしょう。
「引き続きよろしくお願いいたします」の使い方と例文
「引き続きよろしくお願いいたします」は上司や取引先などだけでなく、後輩や同僚などにも使える便利な表現です。
後輩や同僚との関係が構築されていれば、「引き続き宜しくお願いします」と、少し柔らかい表現を使う場合もあるでしょう。
打ち合わせ終わりの締めの挨拶や、メールの結びの挨拶として使用することもでき、汎用的な言葉です。ビジネスシーンで使う人は多いでしょう。
例文
・本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございます。おかげさまで大変有意義なお打ち合わせができました。引き続きよろしくお願いいたします。
・お忙しい中ご対応いただき、誠にありがとうございました。検討後、速やかにご連絡差し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。
「引き続きよろしくお願いいたします」は、口頭でもメールでも大きく使い方は変わらないのが特徴です。
「よろしくお願いいたします」でも通じますが、「引き続き」という言葉を付け加えると、今後も良好な関係性が続くことを願う気持ちを伝えられます。
「引き続きよろしくお願いいたします」を使う時の注意点
非常に便利なフレーズである「引き続きよろしくお願いいたします」ですが、使用にあたっていくつか気をつけるべきポイントがあります。
このポイントを忘れてしまうと、失礼にあたってしまったり、非常識な人だと思われてしまったりする恐れがあるので意識しながら使いましょう。
(1)取引が継続しない相手には使わない
「引き続きよろしくお願いいたします」は、いつもの取引先や、今後も関係が継続していく相手にのみ使うようにしましょう。
今回で取引が終了することが分かっている相手や、一度きりの取引だと分かっている相手だと、定型文として使っていることが伝わり失礼に感じられることも。
そういった相手には「このたびは誠にありがとうございました」や、「また機会がございましたら、その際はどうぞよろしくお願いいたします」といった言葉を使うようにしましょう。
(2)書き言葉では表記に気をつける
話し言葉では漢字やひらがなの表記は気にならないものですが、メールや手紙などの書き言葉では、表記も大変重要です。
このフレーズの一般的な表記は「引き続きよろしくお願いいたします」です。「よろしく」は漢字で「宜しく」と書いてもかまいません。
「いたします」は、漢字の「致します」と書く人も多いですが、公用文で補助動詞を使う場合、ひらがな表記が正解。大事な場面では、これらも意識してみましょう。
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