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結婚生活はつまらない? 結婚の真実と相手選びのポイント

安東徳子

結婚した友人や同僚から、結婚生活に対する不平不満を聞くことってありますよね。結婚したい婚活中の女性にとっては、結婚後の生活がどんなものなのかは気になるポイントだと思います。

そこで今回は、結婚生活の真実についてお話ししたいと思います。

結婚生活がつまらないと感じたことはある?

アンケート結果によると、つまらないと感じたことがある女性は43.5%、ないと答えた女性は56.5%となっています。半数近くが「つまらない」と回答していますが、質問は、「つまらない」ではなく、「つまらないと感じたことがある」ですから、一度でもつまらないと感じた人がネガティブアンサーを回答しているわけです。

どんな夫婦でも一度や二度、つまらないと感じるのは、想像に易いですから、「一度でもつまらないと感じたことがある」を含めてこの数字であるなら、むしろネガティブ度は低いといえます。

また、「結婚をつまらないと感じたことがない」という回答は、まさに一度もつまらないと感じたことがない、ということですから、半数以上の女性が、結婚に対して100%肯定的ということです。イマドキの夫婦は、案外結婚生活を楽しんでいるのかもしれません。

結婚生活がつまらないと感じる理由とは?

「なにか楽しいことないかなあ」とカフェでママ友につぶやく女性。夫がいて、子どももいて、ランチもして……。結婚したい人たちにとってみれば、うらやましい生活ですよね。それなのに、「なにかいいことないかな」とつぶやいてしまうに至るのは、何故なのでしょう?結婚がつまらなくなる要因としては以下の5つが考えられます。

(1)幸せに慣れてしまった

夢は手に入れたとたん夢でなくなるものです。どんなにほしかったものも、手に入れてしまうと、そのありがたさを忘れてしまうものです。朝起きて、隣に夫がいる。子どものためにお弁当をつくる。掃除をする。花を飾る。買い物にいく。夕食をつくる。家族で食事をする。テレビをみる。お風呂にはいる。このあたりまえこそが幸せそのものなのに、実際に毎日それを体験すると幸せに慣れてしまい、飽きてしまう。その結果がママ友との会話での「なにか楽しいことないかな」につながっていくのですね。

(2)結婚生活に主体性がない

結婚生活がつまらないと思っている人は、たいていは結婚生活に受け身です。結婚さえすれば、人生は変わるという幻想を持って結婚します。妻になれば、母になれば、人生は変わると思い込んでいる傾向があります。失恋すると髪を切るとか、引っ越しするとかいうことはありますね。確かに、環境が変われば生活パターンは変わりますが、外部環境が変わるぐらいでは、自分を簡単に変えることはできません。

夫が幸せにしてくれるはずだ、子どもがいれば幸せなはずだ、夫が出世すれば幸せなはずだ、年一の海外旅行に行ければ幸せなはずだ、と自分自身ではなく外部環境に依存する傾向がある人は、やはり結婚生活がつまらなく感じるようです。

(3)常識にとらわれている

結婚生活がつまらない人たちに共通することに、「らしさ」にとらわれることがあります。妻らしくしなきゃ、母親らしくしなきゃ、と、結婚生活にまつわる自分の役割に「らしさ」の責任を感じてしまい、毎日を窮屈でつまらないものに自分でしてしまうのです。

妻になったらホームパーティでは、好感度の高い服を着なければいけない、手作りの料理を持っていかなければいけないという「らしさの重圧」。母になれば、キャラ弁にはじまり、あるべき母の姿にとらわれ、それを演じることで疲れ果ててしまう。自分らしい結婚生活を送れないが故のつまらなさを感じるに至るのでしょう。

(4)期待が大きすぎた

「結婚相手は○○で○○な人!」「結婚は○歳までにしたい!」「結婚したら○○に住みたい!」「新居のインテリアは○○でそろえたい!」といった、結婚に対して超積極的でかつ超計画的な場合、自分の計画と現実に少しでも差が生まれたときに結婚生活がつまらなくなる、というケースもあります。

結婚生活はもちろん、人生は予期せぬことの連続です。どんなに計画をたてても、その通りにことが運ぶほうがめずらしいのです。結婚生活に期待が大きすぎると、少しの期待外れでたちまち幸せが逃げていきます。結婚生活に幻滅し、つまらなさを感じてしまうのは、こんなケースです。

(5)ミスマッチの結婚だった

結婚生活を楽しくするのは、「楽しみの共有」といえるでしょう。映画でもゲームでも、グルメでも、DIYでも、ガーデニングでも、一緒に楽しむと楽しみは2倍になります。それがそもそも結婚の魅力のひとつです。ところが、夫婦の価値観がちがいすぎると、その楽しみの共有ができずに、結果結婚生活はつまらないものになっていきます。価値観とは、時間とお金の使い方です。そのそもそもの価値観がちがうと、「楽しみのすれちがい」が起こり、結婚生活は楽しさとは程遠いものになるでしょう。

実は、価値観がちがいすぎる人との結婚はそもそも難しいのです。結婚生活が本当につまらない場合、どうしても、どうしようもなくつまらない場合は、もしかしたら、ミスマッチの結婚だった可能性もあります。1~4までをしっかりと振り返り、それでもつまらなさを感じるのであれば、ミスマッチの可能性もあります。

結婚生活の真実とは

結婚生活と独身生活、どちらがおもしろくてどちらがつまらないかというのは、愚問です。おもしろい結婚生活もあれば、つまらない結婚生活もあるでしょう。独身生活も然りです。

大切なのは、結婚生活に「主体性」を持つこと。

プロポーズを受けて、入籍して、結婚式を挙げても、本質的な自分はなにも変化していません。変化が必要なのは、結婚してからです。

結婚して、そこから自分が成長して、変化していかない限り、幸福な結婚生活は築けません。まったく別の文化の中で育った2人が、毎日同じ屋根の下で暮らすとなると、価値観のすり合わせが必要になります。

歯磨き粉のブランド、歯磨き粉の使い方、歯磨き粉のしまい方、など、歯磨き粉ひとつとっても、生活習慣は異なります。一緒に暮らしているときは、さすがに「一生の覚悟」はありません。

多少価値観がちがっても、気になりませんが、結婚してしまうと、すべてが一生の問題となります。この歯磨き粉を一生使うのか? この歯磨き粉の使い方を一生守るのか? この歯磨き粉のしまい方を一生続けるのか? とすべてが深刻で重い出来事になってしまうのです。

結婚は、結婚してから築いていくものです。結婚してから、長い年月をかけて夫婦になっていくものです。また結婚生活には、予期しない出来事が起こります。予期しない登場人物も登場します。

脱サラやリストラもそうでしょうし、遠くに住んでいた義母と突然同居することになったりもするのです。予定通り、計画通りの結婚生活は幻想でしかありません。

その毎日をつまらなくするのも、おもしろくするのも、2人次第、自分次第なのです。

結婚後に後悔しないためには?

「結婚しても、人は変わらない」

これは真実です。

離婚の相談にいらっしゃる方がそろって口にするのは、「結婚したら変わるかと思って」結婚してしまった、というセリフです。

女性関係や金銭感覚など、結婚に向かない生活習慣を送っている相手でも、結婚したら変わるだろう、と思ってしまったことが過ちのはじまりなのです。さらに深刻なケースは、結婚しても変わってくれなかったから、今度は「子どもができたら変わると思って」子どもを産んだという妻たちです。

悪しき生活習慣は結婚や出産で改善されるものではありません。むしろ、そうした習慣は年齢とともに改善しにくいものになります。今が最高の姿、という視点で相手を見ることが間違いのない結婚相手の選び方のポイントです。

そして、結婚前に最悪のシナリオを想定しておくこと。

たとえば、相手が病気になって働けなくても、この人と結婚したいか?
たとえば、相手の家族の人生も受け入れられるか?
という想定をして、自問自答しておくことです。

それが結婚に対する覚悟になり、結婚生活に対して主体性を以て、結婚生活に向き合っていくことができるようになります。また、結婚相手を選ぶ際のポイントは前述にもあった通り価値観の一致です。

それはつまり、お金と時間の使い方。

お金のあるなしではなく、お金をなにに使うか、使い方の優先順位。余暇をなにに使うかの時間の使い方の優先順位。それが一致しないと、まさに「つまらない結婚生活」になってしまうのです。お金と時間の使い方の優先順位が一致することこそ、価値観の一致であり、それがないと性格の不一致になるのです。

また、どんな小さなことでもよいので、「同じことを楽しめるか」ということもポイントです。自分が楽しめることを相手も楽しめるかということです。

映画、旅行、テレビ、スポーツ、ゲーム、なんでもよいのです。ひとつでも、同じ楽しみを共有できることが「つまらなくない結婚生活」の条件といえそうです。

結婚は自分次第で最高の生き方になる

結婚は2人でするものですが、2人の力を合わせなければ幸せにはなれません。相手に依存したり、他責にしても、結婚はごきげんなものにはなりません。

あなたか結婚という選択をしてもしなくても、あなた自身が人生に主体性を持つことが「つまらない人生」から脱却できる唯一の方法なのです。

結婚は幸せな出来事です。
結婚生活は幸せな生活です。

それを実現するのは、あなたの考え方次第です。

(安東徳子)

※画像はイメージです

※マイナビライフサポート調べ
調査日時:2019年4月12日~4月16日
調査人数:145人(22~44歳の既婚女性)

※この記事は2022年08月29日に公開されたものです

安東徳子

ウエディング研究家、戸板女子短期大学服飾芸術科教授。

一般社団法人日本ホスピタリエ協会代表理事、株式会社エスプレシーボ・コム代表取締役。

30年の長きに渡りウエディングビジネスに関わる中で培われた日本独自のホスピタリティをユニバーサルな視点から再構築、理論化し広くサービス業に広めてきた。

単なるマナーではなくビジネスに貢献できるコミュニケーションスキルとしてのホスピタリティ教育は産学両分野からの定評がある。

著書に『共感力の鍛え方』、『ハネムーンでしかできない10のこと』、『世界・ブライダルの基本』(監修) など。

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