泣きたいのに泣けないのはなぜ? 苦しい思いを解消して泣く方法5つ
「泣きたいのに泣けない……」と、苦しい気持ちを抱えている人はいると思います。では、何が原因で泣けないのでしょうか? この記事では、泣けない心理や泣けない人の特徴、泣く方法を、心理カウンセラーの大塚統子さんに解説してもらいます。
仕事でつらいことがあった、恋愛が思うようにいかない、家族や友達とすれ違っている……など、泣きたくなるような出来事は時々起こるもの。
素直に泣けたら少しはスッキリするだろうと思う反面、なぜか泣けずにモヤモヤしていませんか?
今回は、泣きたいのに泣けない心理や泣けない人の特徴、泣く方法を紹介します。
泣きたいのに泣けない原因と心理
人が涙を流す感情的なきっかけは、「悲しい」「つらい」の他にも「悔しい」「うれしい」「感動した」など、さまざまです。
そんな気持ちを感じていないわけではないけど、なぜか泣けない……その理由を解説していきます。
(1)泣くことにネガティブなイメージがあるから
泣くことにネガティブなイメージを持っていると、無意識に「泣いてはいけない」と思い、泣けなくなる場合があります。
例えば、子ども時代に「泣くのは悪いこと」「泣く人は弱い」「人前で泣くのは恥ずかしい」「泣くのは迷惑」などと言われて育った場合、泣くのにネガティブなイメージを抱きがちです。
また、感情的な人によって嫌な思いをしたせいで、泣くのも含めて「感情表現をするのは良くないことだ」と思ってしまう場合があります。
例えば、「周囲にヒステリックな人がいてつらい思いをした」「すぐに怒鳴る人がいて嫌だった」など。
感情表現全般にネガティブなイメージがある場合も、簡単には「泣いて良い」と思えないようです。
(2)感情を封印しているから
泣きたいほどつらくても1人で頑張るしかなかった経験があると、「泣いたところで誰かが助けてくれるわけではない」「泣いても何も解決しない」と思うようになる場合があります。
そして、「感情に振り回されると自分がつらいだけ」と考えて、感情を封印してしまうのかもしれません。
そのため、つらいことや悲しいことがあっても、その気持ちをすぐに封印するため、涙が出にくいようです。
(3)現実を受け止めきれていないから
心が「現実に起きたこと」として状況を受け入れ始めてから、ようやく泣けるようになったりします。
そのため、受け止めきれないくらいショックな出来事に遭遇した直後は、泣けないことも多いです。
(4)緊張状態が続いているから
ショックな出来事が起きても、「しっかりしなきゃ」「頑張らなきゃ」と気持ちが張り詰めていて、泣けない場合もあります。
緊張している時は、自分の気持ちをじっくり感じる余裕はないでしょう。また、「ここは安全な場所で、今は泣いても大丈夫」という安心感を得にくいです。
そのため、緊張状態が続いている場合も、泣くことは難しいと考えられます。
泣きたいのに涙が出ない理由
涙腺は神経の興奮を抑える副交感神経によって刺激されるもので、この副交感神経は眠っている時やリラックスしている時に優位になります。
副交感神経が揺れ動いた心をなだめて落ち着かせようと機能した結果、涙腺が刺激され涙がこぼれてくるのです。
従って、涙が出ない場合は、その状態にはなっていないということです。
人間の体は繊細なもの。泣きたい気持ちとは裏腹に、体が反応しないことだってあるはずです。涙が出ないからと言って、自分の感情を軽視しないであげましょう。
▶次のページでは、泣きたいのに泣けない人の特徴を解説します。