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大人の色気がすごい。西島秀俊、人気イケメン俳優の知られざる努力

#PM6時の偏愛図鑑

神田川マイカ

定時後、PM6:00。お仕事マインドを切り替えて、大好きなあの映画、あの舞台、あのドラマを観る時間が実は一番幸せかもしれない。さまざまな人が偏愛たっぷりに、働く女性に楽しんでほしいエンタメ作品を紹介する連載です。今回はライターの神田川マイカさんが、西島秀俊さんへの偏愛を綴ります。

この記事に辿り着いた方の中には、「あんたが好きになる人、みんなおじさんじゃん」とからかわれたり、「同い年と付き合ったことないの? 年下は駄目なの?」と不思議がられたりした経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

かく言う私もその一人で、昔から年上ばかりを好きになる傾向があるようです。

ただ、あくまでもそれは恋愛の話。「好きな芸能人は」と口にした途端、世代問わず誰からも共感の嵐が巻き起こる俳優さんがいるんです。

最近では主演映画で華々しい賞を次々に受賞し、さらなる注目を集めている、あのお方。今回は、そんな日本を代表する俳優・西島秀俊さんについて、僭越ながら語らせていただきます。

西島秀俊さんを好きになったきっかけ

私が気づいた頃には、既にテレビやスクリーンの中にいるのが当たり前の存在だった、西島秀俊さん。けれど、存在が当たり前と感じさせるまでに、一体どれほどの努力を要したのでしょうか。

私が西島さんを目で追うようになったきっかけは、中学生の頃たまたま目にしたテレビ番組のインタビュー。その番組は、西島さんの芸能人生をVTRで紹介しながら振り返っていくものでした。

映画業界へのあこがれから19歳で芸能の道へ進み、好調なスタートを切った西島さん。しかし、映画に出演したいと考える西島さんに対し、事務所は異なる方針を持っていたため、事務所移籍を決意します。

移籍後は仕事が減ってしまったそうですが、年間300本超もの映画を鑑賞しながら俳優としての技を磨いていた……と明かしていたから驚き。

「年300本って、単純計算で月25本も観ているの? 稽古もしながら?」と考えると、西島さんがお芝居の道にいかに命を懸けてきたかが透けてくるようでした。

「この人は『当たり前の存在』という地位を努力でつかんだ人なんだ」と強く胸を打たれ、周囲の大人に反対されながら進路を選ぼうとしていた当時の私に、大きな勇気を与えてくれる存在となりました。

再ブレイク後の姿しか知らない世代としては、若かりし頃の西島さんもリアルタイムで見届けてみたかったものです。

腰砕け必至のスーツ姿

私、西島さんのスーツ姿が大好きなんです。かわいさとかっこよさ、そして大人の色気を感じます。

刑事ドラマのような私にとっては少し怖いと感じるジャンルでも、スーツ姿の西島さんが見られるのならと、怖さに堪えてついつい観てしまいます。

ところであなたは、西島さんが俳優以外の形でもすてきなスーツ姿を見せていたことをご存知ですか?

それは、ジョルジオ・アルマーニの広告。見た瞬間、全地球人の腰が砕けるのではと思うほどの破壊的な色気がそこにはあります。

リンクを貼ろうか迷ったのですが、事前準備なくその姿を見た結果、記事を読んだ老若男女が続々とギックリ腰になってしまったら申し訳ないので、ぜひとも直々に検索してお楽しみいただきたいと思います。

「陰」と「陽」の両立

ハイブランドのスーツを広告モデルとして華麗に着こなす一方、ドラマ・映画にCMと、媒体ごとに見事にイメージを使い分けているのも印象的です。

大学時代、満員の山手線に揺られながらドア付近のモニターでパナソニックのCMシリーズを眺める時間は至福モノでした。

西島さんが当たり前に存在する日常は、レポート課題が今週も終わらないとか、バイトの面接にまた落ちたとか、日々ため込んだ鬱憤なんて視界が幸せすぎて全部吹っ飛んでしまうくらい、本当にあたたかい雰囲気で私を包んでくれました。

そして、西島さんを語る上で欠かせないのが、なんといっても役幅の広さ。人間の性格は、大きく「陰」と「陽」の2パターンに分けられると思うのですが、西島さんの手にかかれば両方とも自然と馴染んでしまうのです。

津軽弁の画家、公安の捜査官、同性愛者の弁護士、学校経営を任されたやくざ、サイバーに精通した名探偵、癖の強い遊園地社員。

演じた役のほんの一部を並べただけですが、とてつもないインパクトですよね? 作品名と俳優を隠した状態で「これ全部、同じ人が演じたんですよ」と言われても、私なら絶対に信じられないでしょう。でも、そんな信じられないことをやってのけてしまうのが西島さんなのです。

よく、巷で「カメレオン俳優」という言葉を聞きますが、西島さんの場合はカメレオンとは違うんですよね。確かに何者にもなれるけれど、空気をまとうように自然で。

他人の人生を演じているのでもなく、擬態のように役に溶け込むのでもなく、登場人物本人がそのままスクリーンに映って動いているんだと錯覚するような。そんな演技をされる方だと私は思っています。

上記の役柄を見てピンとこなかった方は、ぜひこれを機に西島さんの出演作を鑑賞して、探してみてください!

世界の西島秀俊へ

直近の主演映画『ドライブ・マイ・カー』では、ハリウッドの有力作をさしおいて「全米映画批評家協会賞」「ボストン映画批評家協会」などを総ナメ。特に「全米映画批評家協会賞」はアカデミー賞への登竜門とも言われており、今後の期待も膨らみます。

私もこの作品を鑑賞しましたが、沈黙の中に感情が透けるような演技が印象的でした。加えて、間接照明に浮かび上がる見事な筋肉まで拝めてしまうので、それはもう格別に贅沢な3時間。

「えっ、本当に通常通りのチケット代でいいんですか? 倍払いたいくらい良かったのですが……!?」と思わず映画館のスタッフさんに詰め寄りたくなること間違いなしです。

恋人とのデートよりも濃厚な3時間になってしまう可能性すらありますが、その時はその時です。みんなで仲良く西島さん沼にハマってしまいましょう!

あ、私は沼の底で楽しみにお待ちしておりますね♡

(文:神田川マイカ、イラスト:谷口菜津子)

※この記事は2022年01月28日に公開されたものです

神田川マイカ

1997年2月生まれ。派遣社員として働く傍ら、Webライターとして活動中。
かつては100人超の女性ライターチームに所属し、復縁ブログ・読者向け相談サービスを運営していた。ライター名は、新宿で美容師をする祖母から連想。

Twitter:@ma_i_ka_1072

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