契約結婚とは? リアルな手続きやメリット・デメリットを弁護士が解説
マンガやドラマなどで「契約結婚」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。実際に契約結婚がしたい! と思う人もいるかもしれませんね。今回は、リアルに契約結婚をしたらどんなメリットやデメリットがあるのか、弁護士の宮崎大輔さんに解説してもらいます。
契約結婚について、皆様どんなものだとイメージされますか。「結婚するのに契約なんて!」と思われる方も多いと思いますが、もちろんメリットもあります。
この機会に契約結婚について理解しておきましょう。
そもそも「契約結婚」とは?
契約結婚とは、今後の生活に関する事柄など、契約を結んだ上で結婚することを言います。
人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』では、元々は恋愛関係になかった2人が双方のメリットのために結婚することを「契約結婚」と呼んでいましたね。
実際には契約結婚について法律上の定義はなく、その解釈はさまざま。一般的には、前述の通り何らかの契約を結んだ後に結婚することを指す場合が多いでしょう。
「契約結婚」で契約できる内容
契約結婚で契約できる内容は主に以下の通り。
(1)日常生活における取り決め
(2)夫婦の財産関係
(3)離婚時の条件
(1)には、 家事や子育て分担の合意・結婚生活における合意(門限や飲酒等)・親族との付き合いに関する合意などが挙げられます。
(2)は、家計負担や貯蓄、子どもの教育費に関する合意などのこと。
(3)については、万が一離婚に至った場合の財産分与、共有財産の範囲の取り決めなどが挙げられます。
「契約結婚」と「法律婚」「事実婚」の違い
前述の通り、実際の契約結婚は生活についてなどの取り決めを結んだ上で結婚することを言います。
したがって、事前に契約を交わすということ以外は、一般的に結婚の形として多い「法律婚(法的に入籍した関係にある夫婦)」と同じです。
なお事実婚とは、法的には入籍していないものの、実質的に夫婦と同等の関係にある状態を言います。
法律上は、事実婚の関係にある2人が結婚生活についての契約を結ぶことも可能です。そのため、事実婚と契約結婚も、婚姻届や契約の有無を除いて大きな違いはないと言えるでしょう。
▶次のページでは、契約結婚のメリット・デメリットを紹介します。