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「つまるところ」の意味と使い方は? 類語や例文も紹介

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「つまるところ」を使う上での注意点

「つまるところ」を使う場合、どんなことに気をつければ良いでしょうか? 以下の3つがポイントです。

偉そうな印象にならないようにする

「あなたが言いたいことは、つまるところ、対価なしの時間外労働はできないということですね」

もし長々と説明している時このように結論を求められた場合、人によっては急かされているように感じ、「偉そうだ」と思うかもしれません。

しかし、ビジネスにおいて結論を求めるのは当然のことであり、責められることではありません。そうならないために気をつけたいポイントは以下の3つです。

・相手の言いたいことをさえぎっていないか

・十分に聞いた上で、結論づけたか

・時間がない場合には、最初に手短にそのことを説明したか

これらに注意した上で「つまるところ」を使うのであれば、相手の不満は生じにくくなります。

大げさな印象にならないようにする

「つまり」と「つまるところ」の2つを音読した時の印象はどうでしょうか?

「つまり」の方がさらりと言いやすいので、「つまるところ」と言われると、重々しく、プレッシャーを感じる人もいるでしょう。

相手との関係性や場面、聞き手の感受性にもよりますが、「つまり」は接続語として受け流されやすい傾向があります。

一方、「つまるところ」はもったいぶった大げさな印象を与える可能性があります。

以上のことから、「つまるところ」は日常で使う言葉としては、やや大げさに感じられるので頻雑に使うことはおすすめできません。

逆に、大事なことをしっかり聞きたい場合には適しています。会議やディベートなどで、タイミング良く効果的に使うと良いでしょう。

話の腰を折らないようにする

「つまるところ」は「つまり」「結局」「言い換えれば」という意味を持つ副詞だということは先述しました。

「つまるところ」を使うことで、国語的に失礼になることはありません。

場面や文脈に合ってさえいれば、使う相手や場面を選ばない言葉であり、目上の人相手やビジネスの場面でも使えます

もしも悩ましい状況があるとしたら、「話の長い上司に対して使う場合」などが考えられます。

気持ち良く自説を述べているような上司に「つまるところ、こういうことですね」などと結論を先に言ってしまうと、「そんなに話が退屈なのか」と思われ、話の腰を折ることになります。

また、なかなか自分の言いたいことをまとめられず困っている上司に対して、部下の方から、「つまるところ、こういうお考えですか?」と助け舟を出せると喜ばれるでしょう。

「つまるところ」を使うことの是非よりも、「使うことでその後どのような展開になるか」「より良い結論やまとめ方、言い換え方に導くことができるか」を考えることが大切です。

次ページ:「つまるところ」の類語(例文つき)

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