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【File12】付き合って1カ月でスペインへ旅立った彼との恋

#イタい恋ログ

みなみちゃん

今振り返れば「イタいな、自分!」と思うけれど、あの時は全力だった恋愛。そんな“イタい恋の思い出”は誰にでもあるものですよね。今では恋の達人である恋愛コラムニストに過去のイタい恋を振り返ってもらい、そこから得た教訓を紹介してもらう連載です。今回はみなみちゃんのイタい恋。

仲の良い友人宅に入り浸っていた頃、同じくそこによく来ていた高身長小顔のロン毛、若干オダギリジョー似の元スポーツ選手が彼でした。

初めて会った時、「知らん女いるなぁ誰?」みたいなガンを飛ばされ、「何様?」とムカついたのを覚えています。

「オダギリ君」との恋の始まり

そんなオダギリジョー似の男、以後オダギリ君とはその後、同じ映画を観て泣いたことと1番好きな本が同じということがきっかけで一気に打ち解けました。

1カ月ほど経った時、シラフで真昼間のカフェに呼び出された私にオダギリ君が言ったのは、

「昨日はごめん。俺は1カ月後スペインに行く」

告白してないのにフラれ寝耳に滝の私でしたが、気まずい空気とオダギリ君の曇った顔を吹っ飛ばしたかったので、「全然大丈夫! フレンチキスはセーフ!」と無理矢理笑顔をつくり、訳の分からないフォローをかましてみせました。

そうなんですよ、何で呼び出されたのかいうと、「1カ月後スペインに行くのに酔った勢いでキスしてごめん」ってクソ真面目か。インドの修行僧か。スペイン嘘だろインドだろという言葉を抑え大好きだった俳優窪田正孝の結婚報道以来の衝撃に耐え私が言った言葉は、

「今を楽しもうよ!」

だったのです。

残された短い時間を楽しみたかった……

私の思考回路が一般常識からとんでもなく外れていることはさておき、オダギリ君は皆でいる時に先陣を切って盛り上げるタイプで、「おもしろいけど恋愛対象にならない」と言う人もいましたが、私にはドンピシャでハマっていたし、酔っていても人を気遣える視野の広さと思いやりを尊敬していました。

つまり私は、思い返すと、結構最初から彼のことが人としても異性としても大好きだったんですね。

食べ放題でフード持ち帰って注意されるケチとか、女遊びし過ぎて生霊に憑かれまくってる奴とか毎回爆弾を好きになってきたんですけど、今回が別の意味で一番の爆弾だったかもしれません。

バッティングセンターへ行き新大久保で韓国料理を食べ語り盛り上がり、すっかりぴえん顔を払拭したオダギリ君は深夜、「みなみちゃんと付き合う!」と友人に電話で宣言をしたのでした。

オダギリ君の遠征に一緒に行ってプレーの巧さに感動したこと、友人や先輩に紹介してもらった時に彼のいない場で「あいつよくみなみちゃんの話してる」と聞き嬉しかったこと、バッティングやダーツ、一緒に料理、サプライズで来てくれてはしゃぎすぎて引かれたこと、皆でBBQ、蔦屋書店デート、水族館、実家に遊びに行くもペットの犬に嫌われ泣きそうになったこと。

楽しかったです。どんなことも。

……別れた元カレとの思い出をこんな風に書くのは気が引けるのですが続けます。オダギリ君ゴメン!

ついに1カ月。オダギリ君との別れ

オダギリ君の送別会は楽しいほど辛く、何度も隠れて泣きました。女の武器を使いたいけど泣き顔が不細工なので大変でした。

1カ月で飽きればいいや! とアホなことを思っていたのですが、付き合った時点が100%なら送別会時点は5万%くらい、私はオダギリ君にゾッコーンだったんですね

少しの空き時間でも電話をくれたこと、私の好きなアイスをよく買ってきてくれたこと、私が酔い潰れて寝てた時ずっと腕枕して頭を撫でてくれてたなんて話を聞き嬉しかったこと、会った後いつも「元気になった!」と連絡をくれたこと。

他にも幸せなことが山ほどあったのに、「1カ月ありがとうまたね」なんてサラッと言えるヤツいる〜? いねえよな〜! スポーツで並々ならない努力や挫折を繰り返してきていた彼は、知れば知るほど味が出るスルメイカ男子だったんですよ。すぐ消える男は板ガムであれよと思いましたね。

そしてスペインへ経つ日、「1カ月ありがとう」と言われた私は色々察し、「遠距離頑張ろう」という言葉を飲み込み、「ありがとう」とだけ返しましたね。

皆で空港へ見送りに行って、それから彼には会っていません。

イタい恋から得た教訓「自分で決めたことに後悔はしない」

昨日でオダギリ君が日本を経ってちょうど1年、別れてからも1年が経ちましたが、未だに帰ってくる予定はありません。

「付き合う」と彼が宣言した時、電話口から聞こえた友人の心配する声を素直に聞いていたら良かったのかもしれないと思うほど寂しい夜もあったけど、オダギリ君と付き合って、「自分が恋愛において1番求めているもの」に気付けたことはめちゃくちゃデカい。

あからさまな愛情表現だけじゃなく、自分の目に見えない所で大事にしてくれていたことを後々知っていった時、そういう人とまた恋愛がしたいと思いました。

それに、「何で会えて側で話せた時に素直に伝えなかったんだろう」「好きだから別れたくないって素直に伝えてたら?」と苦しくて後悔して初めて、結果が同じだとしても、気持ちを素直に伝えることの大切さを知りました。やっぱり人間素直が1番。ありのままを断られた方が諦めがつくんですよね。

そして、「自分で決めたことを後悔しない」

時間の無駄だったんじゃないか。寂しい。辛い。会えないし連絡もない。もう会えないんじゃないか。そもそも自分は愛されてたのか。そんなマイナスな感情が湧き上がったとしても、「付き合わなきゃ良かった」と相手を否定することは「その人を選んだ過去の自分も否定すること」で、何のプラスも生みません。

「あの時自分は本当に彼のことが好きで、自分で選んで付き合うことを決めた。そして楽しい思い出が沢山できたし、学ぶことも沢山あった」と感謝の気持ちを思い出すことで、彼と付き合うことを選んだ自分に自信が持てるし、心豊かに生きられる、そんな気がします。

この恋愛で私が学んだことが、少しでも読んでくださった方に伝わったらめちゃくちゃ嬉しいです。

短い時間だったけど、沢山の事を教えてくれたオダギリ君には、全力でエールと感謝を伝えたいです!

お読みいただきありがとうございました。
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(文・みなみちゃん、イラスト・菜々子)

※この記事は2021年08月08日に公開されたものです

みなみちゃん

都内現役のキャバ嬢。自身の恋愛観やリアルな感情をSNSに投稿し、共感を集めている。家出や事故、水商売での経験を活かした人生観や対人関係についての投稿も「心に響く」と話題に。

著書『会う気ないくせに会いたかったなんて言わないで』はAmazon人気ランキング1位を獲得。「内面外見ともに自分を変えたい」と努力する姿や、ライブ配信やDMでフォロワーの相談にのる親しみやすさが、幅広い年齢層の支持を集めている。

Twitterプロフィールに記載された「元カレを5年引きずりやっと好きになった男はスペインに消えた」は実体験。キャッチフレーズは「女の武器を使いたいけど泣き顔が不細工」

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Instagram:@tokyo___23
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