リモートワークのコミュニケーション問題。後輩との距離を縮める方法
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「リモートワークで後輩との距離が縮まらない」とのお悩みに、ライターのぱぴこさんがアドバイス。
テレワークで後輩との距離が縮まらない
私の会社は完全にリモートワークになってしまったため、指導している後輩と直接顔を合わせることがありません。そのため、上手にコミュニケーションを取ることができず、なかなか後輩との距離が縮まらないのです……。
後輩にとって悩みを相談できたり、プライベートな話もできたりする親しい先輩になりたいと思っているのですが、仲良くなる何か良い方法はあるのでしょうか?
コロナ時代のコミュニケーション問題、非常に悩ましいですよね。そんなことを言っている私も部下、後輩、新卒対応においての「距離感」に悩む中間管理職の1人です。
「顔を見て話さないと誠意が伝わらない!」的な昭和思想を忌み嫌っていたはずなのに、最近はたまの出社での雑談が楽しくて、「やはり、人と人は会って話すべきだ……」と思ってしまうほどです。だからといって毎日出社は耐えられないのですが……。
本来はリモートと出社をハイブリッドで活用することが望ましいですが、緊急事態宣言やオリンピック対応で「強制リモートワーク」がある中、我々は一体どうしていけばいいのでしょうか。
リモートワークのコミュニケーション問題は深刻
スノーピークビジネスソリューションズが実施した『コロナ禍におけるリモート勤務の実態・意識調査』(※1)では、週に1回以上リモート勤務をしている会社員の89.3%がリモート勤務に「不満」があると回答し、不満に思うことで一番多いのは「会社の人とのコミュニケーションが減った」で58.3%という結果になっています。
さらに、63.5%が「社内でのコミュニケーション不足に“不安”を感じる」とも回答しています。
約9割が「リモート勤務に不満がある」というのは意外ともいえる結果です。しかも、その不満要因は、人との「コミュニケーション不足」や「チームワーク力の低下」といったコミュニケーションの問題なのです。
つまり、相談者さんと同じく多くの人はリモートワークにおけるコミュニケーションの問題に悩んでいるといえます。
リモートワークでのコミュニケーション低下は避けられない
まず、「リモートワークで対面と同じようなコミュニケーションを取ることは非常に難しい」ということを理解しましょう。
人間はどうしても「同じようにできない」ことにストレスを感じてしまいますが、「対面と同様のコミュニケーションを取る」ことをゴールにしてしまうと道のりが途方もないばかりか、不可能なのでストレスが加速度的にたまってしまいます。
今、後輩とのコミュニケーション不足が生まれることや、距離が縮まらないことは「仕方がない」とある程度割り切ることは重要です。
コミュニケーション頻度を上げるしかない
そうはいっても「リモートワークでコミュニケーション不全になるのはしょうがない」と不安や不満を放置して良いわけではありません。ではどうするか? ですが「質より量」がリモート時代のコミュニケーションといえます。
1.オンライン雑談など「隙間時間のコミュニケーション」を設定する
2.チャット連絡やメールなどテキストでも「つながり」を意識する
3.リアルの3倍くらいの「働きかけ」を意識する
リアルでの「ちょっとした隙間時間での会話」や「ばったり会っての小話」的な偶発的なコミュニケーションがなくなってしまうのが、リモートワークなので、意図的にコミュニケーションを作り出す必要があります。
話しかける側も「いいのかな?」と遠慮してしまいがちですが、チャットやオンライン雑談を頻度高く実施するなど「接点ハードルを下げる」ことが重要です。
繰り返し「連絡していいんだよー!」「心配しているよー!」「相談してねー!」というメッセージを後輩に発信し、話しかけやすい環境を作っていくことが上位職種に求められる姿勢になります。
チームチャットやチーム雑談時間をつくるなど、先輩側から働きかけていきましょう。
Point.
・リモートワークでのコミュニケーションに不安を持つ人は圧倒的多数
・リモートワークでのコミュニケーション低下は避けられない
・リモートでのコミュニケーションはまずは「質より量!」気軽に接点を持つ癖をつけていこう
(※1)『20代〜50代のリモート勤務会社員400人に聞く、コロナ禍におけるリモート勤務の実態・意識調査』(https://www.snowpeak.co.jp/news/p20210127-1/)
(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2021年07月20日に公開されたものです