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「言質」の正しい読み方は? 意味や使い方を解説

uzura

「言質」という言葉を耳にしたことはありませんか? 読み方は「げんち」です。ビジネスでの交渉時などでも「言質を取る」という表現でよく使われます。今回はそんな「言質」の意味や使い方を、一般企業で勤務経験のあるライターのuzuraさんが解説します。

「言質(げんち)」という言葉を見聞きしたことはありますか?

上司から「今日の取引では言質を取って来てね」と頼まれた時、言葉の意味を知らないとどういう指示なのか理解できず、立ち止まってしまいますよね。

今回は「言質」という言葉の意味や使い方を解説します。

uzura

美容業界から美容やヘアの正しい知識を数多くの人に広めたいと思いライターへ転身。 美容はもちろんファッション、キャリアアップ、恋愛、ライフスタイルなど女性の暮らしが豊かになるような情報を日々発信中。

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言質とは? 読み方・意味

まずは、基本的な読み方や意味を見ていきましょう。

言質の読み方は「げんち」? 「げんしつ」?

冒頭でも触れましたが、「言質」の読み方は「げんち」です。

「げんしつ」や「げんしち」と読んでいる人もいますが、これは慣用読みの誤った読み方とされています。

しかし、慣用読みの方が一般化している場合もあります。例えば、「重複」の本来の読み方は「ちょうふく」ですが、慣用読みである「じゅうふく」の方が広く認知されています。

そのため「げんしつ」「げんしち」は絶対NGというわけでもありませんが、ビジネスシーンでは、本来の正しい読み方である「げんち」を使った方が適切です。

言質の意味は?

言質の意味は、「後で証拠になるような言葉や約束」です。

例えば、最初に話していた内容とは違うことを後日相手から言われた場合、最初に話す時点で言質を取っていれば、それを証拠として話を進めることができます。

「言質」の使い方(例文付き)

ここでは、「言質」の使い方を紹介します。

「言質」を使った会話の意味をしっかり理解して、自分のスキルアップへとつなげましょう。

交渉時の証拠を引き出す時に使う「言質を取る」

「言質を取る」とは、「交渉時に相手から後々役に立つような証拠を引き出すこと」です。

交渉などにおいては、相手が約束を果たさなかったり、考えを変えたりする可能性もあります。そうさせないよう、証拠となる言葉を引き出しておくのです。そのことを「言質を取る」と表現します。

「確認する」などと比べると、相手への疑念や不信感があるニュアンスとなります。

例文

・次回の交渉時には確実に言質を取ってほしい

言質を取られないように何度もシミュレーションする

・契約を締結させるには言質を取るのが正解だ

相手に証拠を与える「言質を与える」

「言質を取る」の逆の意味として使われるのが「言質を与える」という言葉です。

「言質を与える」とは、「後のやりとりで証拠となるような言葉を相手に言ってしまうこと」です。

主に交渉時に相手側が有利になる約束や発言をしてしまった際に、「言質を与えた」と言い表します。

言質を与えてしまった場合は、仮に後から内容変更や訂正をしようとしても、「以前はこうおっしゃっていましたよね?」と言われる可能性があり、簡単に状況を覆すことはできません。

ビジネスにおいて自分側が不利になってしまう状況は避けた方が良いため、言質を与えるような発言には気を付けましょう。

例文

言質を与えるのを避けて交渉してほしい

・多くの人が聞いている場で言質を与えるわけにはいかない

・大切な取引で言質を与えたことを猛省する

「言質」を使う際の注意点

言質という言葉を使う際に気を付けたいのが、敬語表現です。

せっかく覚えた言葉でも使い方を間違えると、違和感のある発言になってしまいます。注意点を踏まえて「言質」を使っていきましょう。

「言質をいただく」という表現はしない

慣用句として使われている「言質を取る」や「言質を与える」という言葉ですが、目上の人や取引先のことを指す場合でも「言質をいただく」などの敬語表現は不適切となります。
なぜなら、慣用句やことわざの多くは敬語表現で使うことができないからです。

例えば、「相手の弱みにつけ込む」という意味の「足元を見る」は、「足元を拝見する」とは表現しません。「逃した魚は大きい」を「逃したお魚は大きい」とも言いません。

目上の人や取引先に対して「言質」を使う場合には、慣用句である「言質を取る」「言質を与える」と、そのままの形で使うようにしましょう。

「言質」の類語・言い換え表現

ビジネスシーンで使われる「言質」は、相手やシーンによっていろいろな言葉に言い換えることができます。

該当する場面によって「言質」よりも適切な表現があるため、さまざまな類語を使い分けるのがおすすめです。

「確約」

「確約」とは、「はっきりと約束すること。確かな約束」という意味です。

お互いが合意したことを約束する際などに使われます。

「証言」

「証言」とは、「事柄の証明となるように話すこと」「証明になる言葉」を意味します。

日常会話で使われることはあまりなく、法廷などで使われる表現です。

疑いがかけられている際にその疑いを晴らしたり、疑惑を決定付けたりする時に使用されることが多い言葉です。

「陳述」

「陳述(ちんじゅつ)」にはいくつかの意味があります。

「言質」の類語として使われている「陳述」の意味は、「裁判の際に訴訟の当事者や関係者が、裁判所に事実についての主張を述べること」を指します。

言葉の重みや後から訂正するのが難しいため「言質」の類語として扱われています。

「供述」

「供述」は、「被疑者や被告人、証人が自ら記憶した事実を述べること」です。

自分の述べた事実が「言質」のように強い効力を発揮するので、類語として使われます。

「言質」の英語表現

言質とは日本独自の言い回しとなるため、英語で全く同じ意味を一語で表すことは難しいです。

言質を英語で表現する場合は、「約束させる」や「契約を取る」といった似た意味の言葉で表現します。

英語表現としては、以下の通りです。

・make ○○ promise
○○(人の名前や代名詞)に約束させる

・commit oneself to~
~を誓約する、言質を与える

・give my word
言質を与える

例文

・I made him promise about the contract.(契約について彼に約束を取り付けた)

・You committed yourself to the purchase.(あなたがその購入を誓約した)

・I gave you my word.(あなたに約束した)

ビジネスでの言質の取り方とは?

最後に補足として、ビジネスにおいてどのようにして「言質」を取るのが良いとされるのかを紹介します。

言質を取るように心掛けると、取引先とのすれ違いが減り、よりスムーズなやりとりができそうです。

相手の言葉を復唱する

簡単に始められるのは、相手の言葉を復唱することです。

これは飲食店のスタッフなどもよく行っている、カジュアルな言質の取り方になります。注文を復唱して相手に確認してもらうことで、トラブルを未然に防いでいます。

ビジネスシーンでは、相手が言った重要なことを復唱して相違がないか確認しましょう。しかし相手の言葉を復唱するやり方は、形として残らないので強い効力はありません。

ボイスレコーダーやメールで形に残して保存する

言質としての効力が最も強く、よく行われているのがボイスレコーダーとメールの保存です。

メモでの言質は自分が書いた内容になるため、相手に提示するにはどうしても説得力に欠けてしまいます。

それに対し、ボイスレコーダーやメールの場合、確実に相手が発した内容だと確認できる上に、正確な内容を残すことができます。

ボイスレコーダーなどで録音する際は、相手に「記録のためにボイスレコーダーで録音してもよろしいでしょうか?」と断りを入れるようにしましょう。

「言質」を取ることを習慣づけて、ビジネスをもっとスムーズに

交渉事を有利に進めるためにも、取引先との言った・言わない論争が起きないためにも、「言質」を取っておくことは重要です。

仕事のトラブルや身に覚えのない責任問題が降りかかってくる事態を回避することもできるでしょう。普段から「言質」を取ることを意識し、ビジネスをよりスムーズに進められるように役立ててみましょう。

(uzura)

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※画像はイメージです

※この記事は2021年05月28日に公開されたものです

uzura

美容業界から美容やヘアの正しい知識を数多くの人に広めたいと思いライターへ転身。 美容はもちろんファッション、キャリアアップ、恋愛、ライフスタイルなど女性の暮らしが豊かになるような情報を日々発信中。

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