【心理学】コンコルド効果とは? 意味や日常例を紹介
冷静に判断するために。コンコルド効果の対策方法
課金型ゲームやダイエット食品など、コンコルド効果はマーケティングにも活用されるもの。
では、コンコルド効果によって冷静な判断力を失わないためには、どのような考え方をしたらいいのでしょうか?
ここでは3つの対策方法を紹介します。
(1)損切りする
「損切り」は金融用語で、値下がりした株式・証券や外貨などを売って損失を確定する意味。ロスカット・ストップロスとも言われ、これ以上悪い結果になる前に見切りをつけ、損を覚悟で手放すことです。
損切りはタイミングが難しいもの。そのため、あらかじめ「課金するのは月に○○円まで」とか「○月○日まで頑張ってみてダメなら諦める」とか、損切りをする限界点を決めておくのもいいでしょう。
また、もし損切りをすることになったとしても、「損をしてしまった」と自分を責めたり後悔したりするのではなく、その間に経験・成長できたことや楽しい気持ちを感じられたことに意味を見出していきましょう。
(2)ゼロベース思考で考える
「ゼロベース思考」とは、何もない白紙の状態(ゼロベース)から物事を考える思考法です。
今を出発点にするので、過去の経験・考え方・サンクコストを抜きに意思決定がしやすくなります。
例えば、不採算の事業をどうするか検討しているとします。「この事業をどうするか?」で考えるとコンコルド効果が起こりがちです。
しかし、ゼロベース思考で「これから会社に必要なのはどんな事業なのか?」とか「同じ事業を今から始めたいと思うか?」を検討すると、冷静な判断がしやすくなります。
今とこれからを中心に考えると、「今、何をするのか?」が重要になり、先入観や過去の延長線で「もったいない」と考えることから抜け出しやすいでしょう。
(3)本当に望むビジョンに焦点を当てる
自分が本当に望むものをはっきりさせると、「それに向かって大切なのは?」と進む方向が決まってきます。
未来の理想像であるビジョンを思い描くと、目指すゴールも定まるでしょう。ゴールに辿り着く手段は、決して1つではありません。
ビジョンを実現する手段が「これしかない!」と思い込むと、警告サインが出ても突き進むしかありません。しかし、うまくいかない時に「他にも手段があるはず」と選択肢を持てると、柔軟な対応も可能になります。
例えば、「絶対に結婚がしたい」なら、どんなに魅力的でも結婚を望まない恋人とはお別れする道もあるでしょう。また、「人を笑顔にする仕事がしたい」なら、業界は問わず、さまざまな職種が選択肢に含まれるはずです。
心から望む未来の幸せのために自分の時間と労力とお金を投資しようとすると、目の前の損得を基準にした判断から解放されやすいでしょう。
手放すことで手に入るものがある
今はもう必要がなくなった何かを「もったいないから」という理由で持ち続けていないでしょうか?
今までこだわってきたものを手放すのには勇気が要りますし、「損をした」と悔やむこともあるかもしれません。
しかし、手放すことで悪循環を断ち切り、時間や労力に余裕ができるとしたら……。手放すことで、きっと新しい何かを手に入れられるのではないでしょうか。
(大塚統子)
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※この記事は2021年04月19日に公開されたものです