「ご用命ください」はどう使う? 「用命」の意味や例文を解説
「用命」とは、「用事を言いつけること」という意味。「ご用命ください」はビジネスでもよく見聞きするフレーズですが、使い方に自信がないという方もいるのではないでしょうか? 国際おもてなし協会代表理事・直井みずほさんに、「ご用命ください」の使い方を解説してもらいました。
「ご用命」という言葉を見聞きしたことはありませんか?
「○○のご用命は、○○会社まで」というふうに、ビジネスの場面でお客さまへ自社のサービスを案内する場面や雑誌・テレビ・チラシなどの広告でもよく使われる言葉です。
見慣れた言葉ではありますが、いざ自分が使うとなった際には、注意するべきポイントがあります。今回は、「ご用命」という言葉の使い方を紹介します。
「ご用命」の意味
「ご用命」は、「用命」という名詞に、丁寧さを表現する接頭語「ご」を付けた言葉です。
「用名」という言葉の意味は、辞書で引くと次のように書かれています。
ようめい【用命】
用事を言いつけること。命令すること。注文すること。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)
また、「ご」という接頭語は、「ご理解いただけますと幸いです」のように、相手が行う行為に対して付けることで、その相手を立てる働きをします。
つまり「ご用命」とは、相手から仕事や用事の依頼や注文を受けること・命令を受けることを、その相手を立て、敬意を込めて表現する言葉といえます。
「ご用命」を使う上での注意点
ここでは、「ご用命」を使う上での注意点を2つ紹介します。
「ご用命」は目下や同僚に対しては使わない
先述した通り、「ご用命」はその行為を行う人を立てる表現ですので、目上の人の他には、顧客・取引先に対しても使うことができます。
では目下の人にはどうでしょうか?
「用命」の意味の1つである「命令」。この言葉には、「立場が上位の者が下位の者に物事を言いつけること」という意味があります。
そのため、目下の人や同僚に対しては「ご用命」を使うのはふさわしくありませんので、注意しましょう。
自分の行為に対して「ご用命」とは使わない
また、自分の行為に対して「ご用命」と使うのも誤りです。
なぜなら、先述した通り、「ご用命」とはその行為を行う相手を立てる表現だからです。
仕事や用事を依頼する際に「私がご用命いたします」と言うのは適切ではありませんので、気をつけましょう。