セックスは毎日しても大丈夫? 性行為のメリット&デメリット
セックスを毎日するメリット
「とくに悪い影響がなければ、毎日セックスしても問題ない」というものの、本当にそうなのかどうか、心配になる人がいるかもしれません。
頻繁にセックスをすることの身体的・心理的メリットについて、もう少し細かく見ていきましょう。
(1)気分がリラックスする
女性がセックスをすると、おもにPEA(フェニルエチルアミン)、ドーパミン、オキシトシンという3つのホルモンが分泌されるといわれています。このうちオキシトシンには、気分をリラックスさせる作用があるという研究結果があります[*3]。
(2)安眠を得やすくなる
これもオキシトシンの作用といわれていますが、オキシトシンには鎮静作用のような効果があり[*3]、セックスの後は眠りにつきやすいとされています。セックスの頻度が増えると、その効果を得られる頻度も高くなると考えられます。
(3)ダイエット効果が望める
国立健康・栄養研究所の「身体活動のメッツ(METs)表」によると、キスや抱擁などの性行動は1.3メッツ、全般的なセックスは1.8メッツで、積極的なセックスは2.8メッツとあります。これを消費カロリーに換算すると、体重50kgの女性が30分間、一生懸命セックスを頑張った場合、約74kcalとなります。
仮に毎日したとすると、1週間で約518kcal、1ヶ月(30日)で約2,220kcalです。約2,220kcalというと週2回、30分程度のランニングをするのと同等の運動量(4時間40分相当)です。多少ですが、ダイエット(シェイプアップ)効果が期待できるのではないでしょうか。
セックスを毎日するデメリット
特筆するようなことは見当たりませんが、あえてデメリットをあげるならば、時間帯によってはセックスをすることで就寝時間が遅くなり、寝不足になることがあるかもしれません。
また、さほど大きな負担ではないかもしれませんが、コンドームを使うのであれば毎日消費するため購入する手間とお金はかかることになります。
人によっては、セックスへの高揚感が薄れ、マンネリ化を感じることもあるのでは。毎日したい人は体位を工夫する、シチュエーションを変えるなど、刺激を与えてみるとよいかもしれません。
毎日or高頻度でセックスする時の注意点
デメリットとまではいえないものの、毎日、もしくは高頻度でセックスをするうえで、注意しておいたほうがよいことを紹介します。
(1)妊娠の可能性が高まる
「毎日セックスしても大丈夫?」のところでも説明したように、セックスの頻度は妊娠の可能性と大きく関わってきます。妊娠可能な女性の場合、セックスする頻度が上がると、妊娠の可能性も高くなります。妊娠を望んでいない場合は、そのことを考慮し、女性もピルを服用したり、IUSを装着したりなど、積極的な避妊を心掛けましょう。
(2)カップル間に愛情のずれが生じることも
最初のうちはお互いに「毎日セックスしても飽きない!」と思っていたとしても、同じ状態がずっと続くとは限りません。たとえば男性側は「まだまだ毎日したい」と思っていたとしても、女性側はホルモンバランスの変化などの影響で、「今日は休みたいな」と思うことがあるかもしれません。
そのような気持ちのずれが生じる可能性は、どんなに仲の良いカップルであっても大いにあると考えられます。セックスをするときは「相手も自分と同じ気持ちだろう」という思い込みを捨てて、互いの気持ちを思いやることを忘れないようにしましょう。
無理せず、楽しいセックスを
セックスを毎日しても基本的には問題ありませんが、まずは2人がそれを楽しむことが何よりも大切です。また楽しいからといって、のめり込み過ぎて無理をするのもNG。また望まない妊娠の可能性も高まります。
注意点なども理解しながら、無理なく、セックスを楽しんでください。
(監修:宋美玄、文・構成:山本尚恵)
※画像はイメージです
【参考文献】
[*1] ジェクス ジャパンセックスサーベイ2020 調査結果報告書 p14
https://www.jfpa.or.jp/pdf/sexservey2020/report.pdf
[*2] The Face of Global Sex 2005|Durex p19
http://www.durexnetwork.org/SiteCollectionDocuments/Research%20-%20Face%20Of%20Global%20Sex%202005.pdf
[*3] 公益財団法人 母子健康協会 第37回シンポジウム「タッチケアで絆を育む」…安らぎの物質オキシトシン
https://jp.glico.com/boshi/futaba/no81/con02_05.html
※この記事は2021年03月26日に公開されたものです