【心理学】初頭効果とは? 初頭効果と新近効果で第一印象UPさせるコツ
初頭効果で好印象を与える方法
ここでは、実際に初頭効果を使った好印象なコミュニケーションについて解説していきます。
新近効果も上手に取り入れながら、ビジネスや恋愛、人間関係を円滑に進めるコツを習得しましょう。
ビジネス編
まずはビジネスの場面でこれらの効果を生かす方法から見ていきます。
営業で初訪問する場合
まずは初頭効果を意識します。「この人は頼りになるな」と思ってもらうためには、第一印象が大切です。いつもより少しトーンを上げて元気良くあいさつしましょう。
おなかから声を出して語尾をはっきり話すようにすると、堂々と見えて信頼感がアップします。逆に、声が小さくて焦ったように早口で話してしまうと、「仕事を任せて大丈夫かな?」と心配されてしまうので気を付けましょう。
営業で2回目以上の場所を訪問する場合
ここでポイントとなるのは、初頭効果ではなく新近効果。
最後の印象が良ければ、次につながります。丁寧にあいさつをした後は、感謝のメールを送りたいもの。くれぐれも、あいさつもそこそこに急いで帰ったり、フォローを何もしなかったりと、雑な対応をしないように。
2回目以降は気が抜けてしまうかもしれませんが、帰り際や帰った後の印象までを意識しましょう。ここで印象が悪くなると、関係が続かなくなってしまう恐れがあります。
商品やサービスに関心のない相手へ営業をする場合
関心のない相手には初頭効果を活用するのがおすすめ。
最初に、商品やサービスにおける“一番の売り”を提示しましょう(結論から紹介するイメージ)。すると、相手の興味を引くことができます。
商品やサービスに関心のある相手へ営業をする場合
関心のある相手には、新近効果の活用がおすすめ。
最初はそれほど重要ではない情報を提示して、途中でネガティブな情報を出します。そして最後に商品やサービスの最も強みになる情報を提示しましょう。
商談の順序
1.アイスブレイク
2.ネガティブ要素・懸念点を伝えておく
3.商品やサービスの一押しポイントを紹介
そうすることで、相手の判断を一押しすることができます。
恋愛編
続いて、恋愛シーンにおける効果の使い方を解説していきます。
合コン
初対面の相手は、出会ってから数秒が勝負だと言われていますので初頭効果を意識しましょう。
良い印象を与えるためには、清潔感のある身だしなみを心掛けたいもの。服にしわがないかチェックし、靴は磨いておきたいですね。爪など細かいところも見られていますので、綺麗に整えておきましょう。そして笑顔でハキハキ話すと好印象です。
逆に、清潔感のない身なりで、うつむき加減でボソボソ話すのはNGです。
デート
2回目以降に会うデートでは、新近効果を意識しましょう。
デートの終盤でおいしいレストランや夜景の綺麗なデートスポットに行ってみたり、別れ際に笑顔で見送ってみたり、「すごく楽しかった」と声を掛けてみたりするのも良いですね。
デートの最後にそっけない態度をしてしまわないように注意しましょう。
知っていると便利! 他の印象UP効果も活用しよう
先に紹介した初頭効果(および新近効果)の他に、合わせて使用することでより印象UPする効果が存在します。
応用編として、これらのコミュニケーションも押さえておきましょう。
アロンソンの不貞の法則
初対面の相手はまず褒めてみましょう。これは、アロンソンの不貞の法則といって、よく知っている相手よりも、よく知らない相手から褒められた方がうれしいと感じる心理効果です。
プライベート・ビジネスどちらでも使えます。初対面の時に、「御社の商品は素晴らしいですね」「〇〇さんって優しい方だと、△△さんから聞いていますよ」など伝えてみると、その時の好印象がのちも続きやすいと言われています。
ハロー効果
ハロー効果とは、肩書や見た目などの目立ちやすい特徴を入れることで、全体の印象が左右される心理効果です。
したがって、ビジネスの場では、名刺に肩書や実績などを入れておくのもおすすめ。信頼度がアップします。具体的には、資格や何らかの受賞歴などが効果的です。
恋愛の場では、アピールしたいポイントに応じて、自分の見せ方を工夫すると良いでしょう。
例えば、
・短髪→好青年
・眼鏡→真面目・几帳面
・白い服→清楚・清潔感、
・ネイビーの服→冷静
・スーツ→仕事ができる
・料理が趣味→家庭的
・読書が趣味→勉強家
など、それぞれの持つイメージがあります。誇張しすぎない程度にアピールしたいポイントを表現し、ハロー効果を上手に活用しましょう。
アンカリング効果
アンカリング効果とは、先に提示された数字や条件が基準となり、それよりも良いか悪いかなどの判断がされる心理です。
例えばビジネスの場面。値引き可能な商談では、“商品やサービスの定価”と“値引き後の価格”、両方を提示しましょう。最初に、「この商品は1万円です」と伝えて「でも今だけ半額の5000円です」と言うと、1万円が基準となり、5000円が安く見えるのです。
価格を2つ出すことでお値打ちだと思わせることができます。せっかく値引きするのであれば、必ず値引き前の金額と比較して見せるようにしましょう。
また、恋愛の場面では、デートに遅刻しそうになった時にアンカリング効果が活用できます。
具体的には、予定よりも遅めの到着時間を伝えておくと効果的。
「20分くらい遅れるかもしれない」と伝えておいて、実際には時間ぴったりに着いたとすれば、「頑張って急いで来てくれた!」という良い印象を与えることができます。
■初頭効果と新近効果を活用する上での注意点
有効に活用すれば、良い結果をもたらしてくれる初頭効果と新近効果。ただし、乱暴に使ってしまっては、逆に悪い印象を与えてしまうこともあります。
ポイントは「いつもと違う自分」で初頭効果を試さないこと
第一印象が大切だからといって、いつのも自分と全く違う印象を作り上げてしまうと、その後がややこしくなってしまうことも。
軽く打ち解けた後、最初の好印象と違う印象を与えてしまうと、最初が良かった分だけ印象が余計に悪くなってしまうことがあるので注意したいものです。
最初と最後、両方大切に!
また、第一印象があまりにも悪過ぎると、新近効果で挽回しようと思っても、相当強いインパクトを与えないと、印象が変わらないままになってしまうこともあります。
最初と最後の印象はどちらも気を付けたいものですね。
最初と最後に気を付けて、印象をアップさせよう
初頭効果と新近効果は真逆の心理効果に思えるものですが、最初と最後の印象はどちらも大切なものです。
それぞれの特性を考慮して、初対面の相手には初頭効果を、2回目以上の相手には新近効果を意識して、上手に活用していきたいですね。ビジネスでプライベートでも、あなたの印象を賢くアップさせていきましょう。
(高見綾)
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※この記事は2021年03月20日に公開されたものです