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セーラームーン声優・三石琴乃が「キャリアに悩む女性に伝えたいこと」

#この会社の片隅に

ameri

ごく平凡な会社員として、会社の片隅で働く編集部・ライターが、今気になるビジネスパーソンにインタビューする連載【この会社の片隅に】。今回は、人気漫画「セーラームーン」の声優を務める三石琴乃さんにインタビュー。「キャリアに悩む女性に伝えたいこと」について聞きました!

取材・文:ameri
撮影:大嶋千尋
編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

仕事で忙しい日々の中、ふと立ち止まった時に襲ってくる「あれ、私このままで本当にいいんだっけ……」という不安。

何となく流されるままに過ごしていると、これからの働き方・生き方をしっかり考えなくちゃ、という焦りの感情に苛まれる。

周りを見渡してみると、転職をしたり、フリーランスの道に飛び込んだりする友達がチラホラ。そして「自分が何をしたいか分からないんだよね」と悩む友達の姿も。

そこで気付く。これが、アラサー世代が抱える悩みか、と。

人生の大先輩は、こういった壁をどのように乗り越えてきたのだろうか。

今回話を聞いたのは、伝説の少女漫画「美少女戦士セーラームーン」で、1992年のTVアニメ放送当初から主人公・セーラームーン/月野うさぎ役を務める声優の三石琴乃さん。

25年ぶりに映画化された劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」が、前編1月8日(金)、後編2月11日(木・祝)に二部作連続公開される。

声優としてのキャリアを重ね続けている彼女に、女性がぶつかるキャリアの悩みについて聞いてきた。

病気療養を経て、役との向き合い方がより深まった

ライターのameriです。今日は三石さんに、働く女性が抱えるキャリアの悩みについて、ご相談させてください!
はい。よろしくお願いします!

三石さんは「美少女戦士セーラームーン」シリーズのセーラームーン/月野うさぎ役をきっかけにブレイクされましたよね。当時、お仕事にはどのような気持ちで挑んでいたのでしょう?

当時は、毎週放送される30分のアフレコをこなすのが精一杯で……。周りの先輩方には演技面でかなわないけど、誰よりも大きい声でセリフを喋ろうということを意識していました(笑)。

今になって考えてみると、そのとんちんかんなエネルギーの使い方が、結果的に月野うさぎちゃんと相まって、良い感じに役が動いてくれたのかなと思いますね。

うさぎちゃん役でブレイクしてから、長年声優としてのキャリアを歩まれていると思いますが、その中で挫けそうになったことってありましたか?
ありました! 大きな事件が……。
大きな事件!
90年代「美少女戦士セーラームーン」シリーズの終盤で体調を崩してしまって。卵巣の病気になり、入院・手術・自宅療養で丸々3カ月お仕事ができなくなってしまったんです。
それはつらい……。

その時期がちょうどクライマックスのアフレコで、「仕事がしたいのに体が動かない」という状況がかなりつらかったです。しかも、放送は待ってくれない。スタッフや周りの皆さんに本当に迷惑を掛けてしまって、かなり混乱しましたね。

結果的に、代役を立てていただきました。

聞いているだけで泣いてしまいそうです。

その時に気付いたんです。「声優という職業は、代わりはいくらでもいる。大事な役でも代わりが立ち、作品は進んでいってしまう」と。その後は、自分の役が生き生きと動くように、自分らしさを入れ込むことを一段と心掛けるようになりました。

きっと、月野うさぎという大役をいただいたことで少し有頂天になっていたんだと思います。神様が「気付きなさい」と私に試練を与えたのかなって。当時はとてもつらかったですけど、今ポジティブに考えると、お灸を据えられたのだと感じています。

三石さんのポジティブさと、人としての素晴らしさに感動です……! 私も仕事で挫折を感じた時は、試練だと捉えるようにしてみます!

声優以外の仕事をする人生を考えたことはない

30歳前後でキャリアプランを考える際に「転職しようかな」「フリーランスになろうかな」と、選択に悩む女性は多いです。

ましてや、三石さんのように一つの仕事を長く続けることは、そう簡単なことではないと思います。正直言って、声優以外の道を考えたことはないんですか?

ないですね(きっぱり)。
声優一筋! すごい!

好きだから、声優以外の仕事をすることは考えもしていませんでした。

仕事がなくなってきてどうしようと思う時期はありましたけど、私たち役者は受け身の仕事なので、結局どうしようもできないですし……。「お金がなくなったらバイトすればいいか」と思いながら、綱渡りでここまでやってきました。

しかも三石さんは、40才の時に声優事務所から独立して、フリーランスになられたんですよね。
そうですね。

勇気がいる決断だと思います。どういう気持ちでフリーランスの世界に飛び込んだんですか?

「自分でやれるかもしれない」という可能性を見出せたので、大変なことも覚悟して飛び込みました。フリーになってから今年で12年ほど経ちますが、今思い返すと、年齢的に元気だったからできたことだったなと思います。
というのは……?
もし10年後だったら、「フリーランスは疲れてしまいそうだから、このままでいいかな」と考えていたと思います。
なるほど。タイミングって大事ですね。具体的に、今感じる「フリーランスの良いところと大変なところ」が知りたいです!

良いところは、「(この役を)三石さんにやってほしい」という気持ちが伝わるところですかね。

事務所を通さず、映画の配給会社さんやアニメの制作会社さんと直接やり取りをして依頼をいただいているので、制作側の方の気持ちがダイレクトに伝わってくるんです。ただただうれしくて、その人のために頑張ろうと思えます。

確かに「あなたと仕事がしたい」と言われると、俄然やる気が出ます! 反対に、大変なところは?
請求書などの事務処理も全て自分でやらなくてはいけないので、毎月憂うつな日がありますね(笑)。
聞くだけでどっと疲れが……。面倒な作業も、全て自分で対応するのがフリーランスですもんね。

「精一杯力を尽くせた時」が次へ進むタイミング

幼い頃「美少女戦士セーラームーン」シリーズのアニメを見ていた女性たちは現在20~30代で、ちょうどマイナビウーマン読者と同じ世代です。

「仕事も生き方も、このままでいいのかな」と悩む人も多いですが、そんな女性たちに向けて、三石さんならどんな言葉を掛けたいですか?

今後の仕事や生き方に迷っているということは、今の場所に不満があったり、くすぶりを感じたりしているからですよね。今、自分がいる場所で精一杯やったという自覚があるならば、次へ向かって行動していいと思います。

あとは、もし人間関係などでつらい立場になっている場合も、環境を変えるために動くべきだと思います。転職や独立は“逃げ”ではないので。

とはいえ、行動を起こすのは勇気もいります……。そういったキャリアの分岐点に差し掛かった時、三石さんであれば何を基準に選択しますか?

「少し先のビジョンが具体的に見えるかどうか」ですね。ビジョンのないまま飛び出してしまうと、きっと現実に驚いてしまうと思うから。

会社は、今あなたにとって世界の大部分を占めているかもしれないけれど、ほんの一部の集合体でしかありません。なので、そこから出たからといって、自分が変わってしまうことはないはず。

いろんなことを学び、数年後のビジョンを自分の中で描けるようになった時に、次のステップへ踏み出すといいと思いますよ。

最後に、三石さんが声優として働く上で大切にしていることはありますか?

いただいた仕事を、相手が思っている以上のエネルギーや結果で返すことですね。そうすることで、また仕事が広がっていくと信じて取り組んでいます。
すてきな心掛け……! 今日はたくさんのお話、ありがとうございました!

劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」

1991年12月、月刊少女漫画雑誌「なかよし」(講談社刊)で連載を開始し、翌92年にはTVアニメ化した「美少女戦士セーラームーン」が、25年ぶりに映画化。

最新作のテーマは「夢」。戦士として、一人の人間として、葛藤し成長していくセーラー戦士の姿や、ちびうさの淡い初恋が描かれます。

映画は前後編2部作で、劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」《前編》が2021年1月8日(金)、《後編》が2月11日(木・祝)より全国ロードショー!

c武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会

ameri

2016年より執筆をはじめ、主に美容・恋愛・ウエディングについて書いています。美容とコーヒーとチョコレートをこよなく愛するフリーライター。コスメと触れ合うこと、旅行、カフェ巡りが趣味です。百貨店のコスメフロアによく出没する特徴あり。

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