年収を上げたい! 転職時に使える「給与交渉術」
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回は「転職の給与交渉術が知りたい」というお悩みに、外資系OLコラムニストのぱぴこさんがアドバイス。
転職の給与交渉術が知りたい
私は今初めての転職活動中で、内定が決まりそうな企業が何社かあるのですが、年収が今より変わらなそうで悩んでいます。転職にあたり給与交渉が可能だと聞いたことがありますが、どのタイミングで、どのように交渉するのが良いですか?
転職活動が順調そうで何よりです! 年収、上げたいですよね。
ただし、同時に悩みも生まれます。
「強気で年収交渉をして、印象を悪くしたくない」
「入社前にがめつい奴だと思われたくない」
「そもそもどうやって年収交渉をしたらいいのだろうか」
でもね! 年収を上げる交渉は、転職活動時に頑張るのが一番です。なぜなら、入ってからそうそう上げられないから……。
「すぐ昇進して上がるよ」なんて言葉にだまされてはいけません。最初が肝心なのだ……。
上げたものはすぐ下がらないが、自分が上げたいと思った時に上げられるとは限らないのが年収やポジションだからNE!
そして交渉のタイミングは、内定が出てからです。
内定のタイミングで年収を提示されるので、交渉へ
私の過去の経験に照らし合わせると、自分の希望年収を伝えるタイミングは大体2回です。
(1)面接中
(2)内定後、労働条件の提示時
交渉は(2)のタイミングが最適ですが、(1)のタイミングで自分の希望を先方に伝えることで、内定条件の給与に影響を与えられる可能性もありますので、希望は素直に伝えるのが一番でしょう。
(1)(2)それぞれのタイミングでの具体的な交渉術をお伝えします。
(1)面接中
面接のどこかのフェーズ(中盤及び最終面談時)で、「希望年収はどの程度ですか?」という質問が人事や担当者から入るのが常です。そのタイミングで自分の希望の金額を伝えるのがまず一点。
ここで先方のレンジ(範囲)内で希望を満たせるかどうかの軽い攻防戦が入ります。
例えば現職年収が高くて上げにくい場合は、「弊社だとどうしても下がってしまいますが……」などのジャブは打たれます。
今回は上げたいということなので、基本的には企業が持っているレンジでどこまで高い条件を引き出せるか? が肝になります。
(2) 内定後、労働条件の提示時
きちんと条件が出てくるのは内定後。内定通知書と同時に労働条件が記載された書面を提示されるのが通常フローです。
記載内容を確認した上で、希望年収に足りていないのであれば交渉スタート! という形になります。
また、業界標準が高い業界から他業界への転職でそもそもの年収レンジが大幅に変わる場合は、内定通知書を発行するにあたって企業側から条件のすり合わせの場を設定される場合もあります。
転職エージェントを利用している場合はエージェントを通して交渉してもらうこともできますが、最終ジャッジや説明を受けるのは自分自身なので、あまりアテにしすぎないでください。
出た条件に納得できない場合は面談依頼を
内定通知書は受諾期限が記載されていますが、年収に納得できない場合や、希望年収までもう少し上げられないか? という悩みが出てきた場合は、率直に「労働条件についてご相談できないでしょうか?」と人事や担当者と話す機会をつくるのが良いでしょう。
多くの場合は通知書が出る前におおよその年収を軸とした諸条件調整やヒアリングが入りますが、機会がなかった場合や上記を経た結果が想定とズレた場合は、すり合わせをするしかありません。
相手方も「来てほしい」と思って内定を出すので、交渉のテーブルを拒否することはまれです。
また、交渉時のポイントは以下です。
(1)提示年収での合意が難しいことを伝える
(2)自身の希望年収を提示する
(3)回答期限を合意する
(2)に関してはある程度の合理性が必要なので、「前職給与はこの程度だったが、マネージメントの仕事を経験しており、責任範囲を上げた仕事ができる」など、理由は用意しておきましょう。
よく「前年度年収が高いタイミングで転職した方が良い」と言われるのは、この交渉において「前職はこうだったので」という理由を出しやすいからです。楽だよね。
基本的には企業側も「納得して入社してほしい」と考えているため、年収という生活に関わる部分については常識的な範囲で交渉に応じてくれます。
転職者側は「相談」という立場を念頭において、すり合わせを行うこと事態は何も問題ありません。
ないとは思いますが、「入ってやるって言ってるだろ」的な上から目線で年収交渉をするのは、後々になってから禍根を残す結果になるのでやめましょう。
頑張ってください!
Point.
・年収を上げたいならば、転職活動時に頑張るのが一番楽
・年収交渉は内定後に! あくまで「相談」のテイで条件のすり合わせを
・転職エージェントに任せることもできるが、最後は自分で決めよう
(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2020年12月08日に公開されたものです