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人間関係がうまくいかない原因は? うまくいかない人の特徴や対処法を解説

笹氣健治(心理カウンセラー)

仕事・プライベートにかかわらず、人間関係がうまくいかない時期はあるもの。職場の人や家族、友達との人間関係を改善できる方法があるなら知りたいですよね。今回は心理カウンセラーの笹氣健治さんに、人間関係がうまくいかない原因や対処法を教えてもらいました。

誰もが多かれ少なかれ人間関係で悩みます。

どうしてもウマが合わない人はいるものですし、特に問題なかった人と突然こじれてしまう時もあります。

社会生活をしている以上、人間関係の悩みは避けては通れない問題だと言えます。

そこで、「人間関係がうまくいかない」と悩んだ時はどうすればいいのか、その対処法をご紹介します。

人間関係がうまくいかない2人の間で起こっていること

最近入社してきた新人。反抗的態度が多くて扱いづらい。

新しく着任した上司。チェックが細かくて仕事がやりづらくなった。

何かと干渉してくる母親。最近は特にうっとうしい。

このように、人間関係がうまくいかない相手は、誰でも周りに1人や2人はいるのではないでしょうか?

まずは、人間関係がうまくいってない時、2人の間で何が起きているのかを確認しておきましょう。

(1)自分か相手、もしくは両者が不満を抱いているから

例えば、AさんとBさんの人間関係がうまくいってないとします。

人間関係がうまくいっていない状況とは、シンプルに考えると、次の3つのパターンしかないことが分かります。

1つ目のパターンは、AさんがBさんに対して不満を持っている。

2つ目は、逆にBさんがAさんに不満を持っている。

3つ目は、双方が互いに不満を持っている。

人間関係がうまくいってない状況は、必ずこの3つのどれかに当てはまっています。

要するに、人間関係がうまくいってない状況は、2人のうちのいずれか、もしくは両方が相手に対して何らかの不満を持っているのです。

(2)わだかまりがなかなか解消されないから

次に、不満を持つということについて、もう少し具体的に見ていきましょう。

不満とは、相手が自分の期待に反する態度を取った時に湧き上がってくる感情です。

「私の話を聞いてほしい」「手伝ってほしい」「気を使ってほしい」「自分勝手にしないでほしい」といったように、相手に対する何らかの期待があって、しかしその通りに行動してくれなかった時に、相手に対する不満が生じます。

人は、不満が生じると、不満解消のための行動に出ます。

よくやりがちなのが、その相手に直接その不満をぶつける行為。怒鳴りつける人もいれば、嫌味っぽくネチネチ言う人もいます。

力関係によってそれができない時などは、反抗的態度を取ることをします。

その人から何か頼まれても断る、無視する。陰で悪口を言ったり、何か足を引っ張ったりするような嫌がらせをする人もいます。

一方、不満をぶつけられた側も黙ってはいません。

自分の正当性を主張する。逆に、相手の非を指摘し返す。そうやって言い合いになると、余計に関係がこじれていきます。人によっては、何も言い返せず、不満を内にため込むこともあります。

このようにして、2人の間にわだかまりが生じ、それがなかなか解消されない状況に陥ると、人間関係がうまくいかなくなるのです。

なぜ? 人間関係がうまくいかない原因

なぜ、わだかまりが解消されず、人間関係がうまくいかない状況に陥ってしまうのでしょうか?

その原因として考えられる主なものが、次の3つです。

(1)自分が絶対に正しいと思っている

不満を持つのは、「私の考えは正しくて、相手が間違っている」と思っているからです。

例えば、反抗的な態度の新人との関係がうまくいってない時。

その新人に対して、心の中では「もっと素直に先輩の話を聞いてほしい」「新人なんだから謙虚であるべきだ」といったことを思っているでしょう。

この時は、「自分は正しく相手が間違っている」というスタンスになっています。

そして多くの場合、相手も同じように「自分は正しくて、間違っているのは相手だ」と思っています。

両者が互いに自分の正当性を信じて疑わず、自分が絶対に正しいと思って相手を否定的に見ている限りは、わだかまりが解消されなくても当然だと言えます。

(2)相手の立場を考えようとしていない

互いに「自分が正しくて相手が間違っている」と考えていると言いましたが、それでは実際に正しいのはどちらなのでしょうか?

実はどちらも正しいのです。

どういうことか説明しましょう。

チェックが細かい上司との関係がうまくいっていない時、上司に対して「今まではそんなに細かくチェックされなくてもうまくやっていた。かえってやりづらくなる」と思っているのは、それは事実であって決して間違いではありません。

一方、上司は上司で「自分が責任者なのだから、絶対にミスのないように管理したい。今までもこのやり方でやってきた」という思いがあるのかもしれません。これはこれで間違ってはいないでしょう。

要するに、各々が各々の立場で正しいことを考えているのです。

各々の言い分に隔たりがある中では、意思疎通をして調整を図り、双方にとって納得のいく結論を見出す必要があります。

そのためにはまず、相手の立場も考えることが重要です。そうしない限り、互いの距離は永遠に埋まらないのです。

(3)わだかまりの解消は無理だと諦めている

わだかまりは、話し合いなくして解消されることはありません。

私たちは、日常的にちょっとした意見の食い違いを話し合いによって解決できています。

しかし、わだかまりに発展するような時には、なぜかうまく話し合いができません。話し合いの場を持つことすらできなかったりします。

話し合いがうまくできない時、私たちは、「ディスカウント」をしています。

ディスカウントとは、心理学の1つである交流分析の専門用語で、「過小評価をする」「低く見積もる」といった意味合いです。

例えば、話し合いができない時には、次のようなディスカウントをしています。

「どうせ聞く耳を持たないだろう」(相手が話を聞いてくれる可能性をディスカウントしている)

「どうせ理解してくれないだろう」(相手の理解力をディスカウントしている)

「どうせ何を言っても無駄だろう」(問題が解決する可能性をディスカウントしている)

問題が生じて悩んでいる時、私たちはさまざまなディスカウントをついやっています。

その結果、解決に向けて行動することを最初から諦めてしまい、悩み続けることになるのです。

▶次のページでは、人間関係がうまくいかない人の特徴を紹介します。

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