励ましの言葉10選。家族や恋人・友人が辛いときにかける言葉
大切な人が落ち込んでいる時、どのタイミングで、どんな言葉を掛けたら良いのか悩みますよね。そこで今回は、心理カウンセラーの小日向るり子さんに、励ましの言葉を掛けるタイミングやおすすめの言葉、NGワードを教えてもらいました。
大切な人が落ち込んでいるのを見ると、こちらまで心が苦しくなりますよね。
励まして少しでも元気になってほしいとは思っても、どのタイミングでどんな言葉を掛けるのが良いのか迷ってしまう時も多いと思います。
今回は、大切な人が落ち込んでいる時にはどのような対応が望ましいか、また声を掛ける際のポイントについてまでを書いていきたいと思います。
恋愛や仕事で落ち込んでいる人に届く「励ましの言葉」10選
ここでは、落ち込んでいる人の心に届く励ましの言葉を紹介します。
(1)「つらいよね」
励ます言葉の前には必ず共感をしましょう。
「つらい」と言ったら「そうだね、つらいよね」、「寂しい」と言ったら「そうだね、寂しいよね」といったように、相手の感情を自分に起きたことのように受け取り、言葉はそのまま伝え返してください。
(2)「何かあった?」
ネガティブな言葉を吐きだしたものの、なぜそのような感情になったのかを伝えるには勇気が必要だったり、うまく伝えられるか躊躇して黙り込んでしまったり、という方もいます。
その時に、こちらから「何かあった?」と聞いてあげると話しやすくなります。
(3)「遠慮しないでね」
相手に迷惑を掛けてはいけない、負担になったら申し訳ない、と考えて明るく軽く話してしまう人もいます。
特に日本人は和を大切にする文化があるために相手のことを気遣うタイプが多いです。
日頃から気遣いが多いタイプの人には話の最初にこの言葉を掛けてあげましょう。
(4)「焦る必要はないよ」
悩んでいる時、ほとんどの人はその悩みを解決しようと焦っています。
その時に焦る必要はないこと、さらに場合によっては「一緒に考えるよ」まで伝えてあげると、焦った気持ちが落ち着いてきます。
(5)「大丈夫だよ」
励ましの言葉の代表的なものですが、言い方には注意が必要です。
明るくさらっと伝えてしまうと、相手に「親身になってもらえなかった」という印象を与えてしまいます。
スキンシップができる相手であれば、肩などに手を添えて落ち着いたトーンで伝えてあげてください。
(6)「そばに行こうか?」
親しい方と電話やメールなどでコミュニケーションを取っている際に言ってあげると良いでしょう。
本当にそばに行くかは関係ありません。行けるのであれば行ってあげたい、そのくらいの気持ちだよ、ということを伝えるのがポイントです。
(7)「ゆっくり考えよう」
相手の頭が混乱して冷静に考えられなくなっていると感じた場合はこの言葉が有効です。
混乱している場合、本人は冷静になろうと思っていても、なかなか切り替えられないものなのです。
ゆっくり考えよう、以外にも「一緒に整理してみよう」といった言葉も良いでしょう。
(8)「今の状態は永遠ではないよ」
心がネガティブな気持ちに支配されていたり、脳が疲れていたりすると、この先ずっとこんな状態が続くように思ってしまいます。
そのような時はつい「前を向こうよ!」といった言葉を掛けてしまいがちですが、落ち込んでいる時は、「永遠に続くものなんてないよ」と無常の真理を伝えてあげる方が、相手の気持ちも救われます。
(9)「そのままでいいんだよ」
ありのままの自分を認めてもらえることで、相手を勇気づけることができるでしょう。
それだけでなく、何度も伝えることで自己肯定感を作り上げることにもつながります。
(10)「応援してるよ」
「あなたを応援しているよ」という言葉も励ましの言葉としておすすめです。
自分一人ではない、味方がいるということが伝わる一言なので、緊張している心がほっとほどけて安心できるでしょう。
【番外編】受験生の子供を励ます言葉
受験生の中には緊張と不安でいっぱいな人もいるでしょう。
ここからは、受験生に向けてどういう言葉をかければいいかを解説します。
(1)「自慢の子供だよ」
一人で黙々と勉強をしていると、どうしても心が不安になってしまうもの。自分はダメなんじゃないかと思ってしまう人もいるでしょう。
そんな時に、自分を認めてもらう言葉をかけてもらうと、「これでいいんだ」「間違えてない」と安心できるでしょう。
(2)「今まで頑張ってきたんだから大丈夫」
今までの努力を認めてくれることも、子供の力になります。自分の実力を改めて認めることができ、本番も頑張ろうという気力が湧いてくるはず。
受験に対して不安や恐怖を抱いていると感じた時は、そっと声をかけてみましょう。
(3)「いつ通りでいいよ」
試験当日に緊張してしまっている子供には「いつも通りで大丈夫」という言葉をかけてあげましょう。
特別なことをする必要はない、今までの努力が自分の力になってくれるということを伝えられる一言です。
偉人・著名人の励ましの名言
偉人や著名人の励ましの言葉も見ていきましょう。
「失敗すればやり直せばいい。やり直してダメなら、もう一度工夫し、もう一度やり直せばいい」 by 松下幸之助
電機メーカー「パナソニック」を一代で築き上げた、実業家・松下幸之助の名言。一度や二度のミスで落ち込む必要はなく、そこから成功につなげるといいということを伝えてくれています。
「ほどほどに愛しなさい。長続きする恋はそういう恋だよ」 by シェイクスピア
もし、恋愛で悩んでいるならこの名言がおすすめです。
シェイクスピアによる戯曲『ロミオとジュリエット』に出てくる言葉ですが、恋愛に依存し過ると疲弊してしまいます。
のめり込み過ぎず、何事もバランスを取ることが大事だということを教えてくれる言葉です。
「どんなに人生が難しく感じられたとしても、必ずあなたに出来ること、成功できることがあります」 by ホーキング博士
イギリスの物理学者、スティーブン・ホーキング博士の言葉。
誰にでも、必ず得意なことがあります。
チャレンジの度に失敗を繰り返していたとしても、いつか必ず得意なものに巡り合えることでしょう。希望を忘れずに、どんな時もチャレンジを続けていこうという気持ちになれる言葉です。
励ましの言葉を掛ける前に知っておきたいこと
励ましの言葉を掛ける前に、ぜひ知っておきたいことがあります。
それは、愛情の反対は憎悪ではなくて「無視」あるいは「無関心」であるということ。
「落ち込んでいる人には下手な言葉を掛けるよりも何もしない方が良い」というのは一つの考え方ではありますし、実際に相手が傷付いてしまったのであればそのように考えることも結果的に間違いではなかったということもあるでしょう。
しかし、「関わらない」ということは、それがどんなにあなたが思慮深く考えた末の結論だとしても、相手からすれば無視されていることは事実ですから、これはとてもつらいことです。
大切な人だからこそ、摩擦を恐れないでください。「あなたを心配している」という思いを込めて、リアルに関わる勇気を持ってください。
励ましの言葉を掛けるべきタイミングとは?
ここでは、励ましの言葉を掛けるべきタイミングを紹介します。
(1)ネガティブな言葉を吐きだした時
これはもっとも分かりやすいサインです。
「最近落ち込むことが多くなった」といった心の不調から、「眠れない」「食欲がない」という体の不調まで、言葉はさまざまありますが、ネガティブワードを言うということは、前向きになれるきっかけをあなたに求めているということ。
前向きな言葉をすぐに返す必要はありませんが、聞き流すことだけはしないでください。
「そうなんだね、それはつらいよね」と、まず相手の言葉を受け止めてあげてください。
(2)何かが始まる時
人間は基本的に変化を恐れる生き物です。
それが結婚や昇格など一般的におめでたいとされる変化であっても同様で、大きな変化はストレス値が高いです。
安易に「それっておめでたいことだから何を言っても自慢だよね」という認識は誤ったものであることを理解しましょう。
「これから始まる新しい生活を応援しているよ」という言葉掛けは、変化に向けて緊張した心を和ませてくれます。
(3)何かが終わった時
何かが終わった時、それも不本意な形で終わった時であれば特に、です。
何かが始まる時というのは、そこに移行するまでには必ず苦悩や混乱の時期があります。
この時期に的確な励ましをすることにより、相手は「過去と決別する力」がつきやすくなります。
(4)孤独を感じている時
自分で自分の存在を常に肯定できていれば孤独を感じることはありません。
しかし、人間はそんなに強くありません。誰にでも自分の存在を肯定的に感じることができなくなる時はあるものです。
そんな時は、他者から自分の存在を認め、肯定してほしいという気持ちになります。そのタイミングで声を掛けることで、相手の気持ちを慰めることができるかもしれません。
(5)病気になった時
病気になった時も励ましの言葉をかけるタイミングです。
今までの日常生活が遅れなくなった時、ストレスがたまると同時に精神的にも落ち込んでしまいます。
どうしてこうなってしまったんだろう、人にも迷惑をかけていると感じてふさぎ込んでしまう人も多いでしょう。
そんな時に温かい励ましの言葉をかけてあげることで、相手はもう少し頑張ろうという気持ちを抱きやすくなります。
逆効果? 元気づけたい時のNGワード
励ましの言葉を掛けるときに注意していただきたいワードを3つお伝えします。
(1)「頑張って」
落ち込んでいる人や元気をなくしている人にこの言葉はNGだと聞いたことがある方も多いと思います。
絶対にNGというわけではありませんが、相手との間に信頼関係が築けていて、かつ適切なタミングに限る、という条件が必要ですので基本的には避けた方が良いでしょう。
(2)「私も経験あるから分かるよ」
同じ経験があるといっても、その捉え方は個々で異なります。
同じ経験をしたのに分かってもらえなかったと感じてしまった場合、逆に相手の落ち込みを深くする危険性があります。
安易な「私も経験あるから分かるよ」は避けましょう。
(3)「みんなつらいんだよ」「もっとつらい人はいるよ」
つらい時は、まず自分のつらさだけを分かち合って、無条件に受け止めてほしいのです。
この言葉を絶対に言ってはいけないということではありませんが、まず本人の苦しみに寄り添ってください。
大切なのは相手を信じて寄り添う気持ち
励ましたい、と思うと言葉を探してしまいますよね。
しかし、大切なことはまず寄り添うことです。
誰であっても、他人の頭を持って顔を上げさせることなどできません。あくまで本人が、自分の意志で首を上げた時にのみ未来に向かって歩き出すことができるのです。
「大切な人の生きる力を信じて寄り添う気持ち」が自発的に前を向く最初の一歩となることを念頭におきつつ、今回書いた言葉も参考にしてみてください。
(小日向るり子)
※画像はイメージです
※この記事は2020年10月28日に公開されたものです