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インタラクティブとは? 意味や語源・使い方・言い換え表現(例文付)

藤田尚弓

皆さんは「インタラクティブ」の意味を正しく理解していますか? 間違った使い方をして、知らぬ間に恥をかいているかもしれません。そこで、今回はコミュニケーション研究家の藤田尚弓さんに、「インタラクティブ」の意味やビジネスシーンでの使い方、類義語・対義語などについて詳しく聞いてみました。

ビジネスシーンで使われるだけでなく、時代のキーワードとしても使われることが多い単語「インタラクティブ」。既に言葉として根付いている感じもしますが、意味が曖昧なまま、何となくの感覚で使っている人もいると思います。

皆さんは、インタラクティブの意味や使用方法に自信がありますか? 今さら聞けない「インタラクティブ」の意味を、具体的な使用例とともに紹介します。

「インタラクティブ(interactive)」とは? 意味と語源

インタラクティブとは、英語の「interactive」が語源で、直訳すると「相互作用」という意味です。ここから転じて、日本では「双方向性のやり取り」を含むものを指す、ビジネス用語として定着しています。

広い意味で使われるのが特徴で、一方的でないコミュニケーションであれば、多くの場合この言葉が当てはまります。

ビジネスシーンの他には、教育現場などで使われることがありますが、プライベートで使われることは少ない言葉です。ビジネスシーンでも業界によっては使う頻度が少ない職場もあるので、あまり聞いたことがないという人もいるかも知れません。

IT用語としての意味は「情報の送り手と受け手が双方向にやり取りできる状態」

また、IT用語としても定着しており、「情報の送り手と受け手が双方向にやり取りできるシステム」だけでなく、「操作に反応する」といった意味で使われるケースもあります。システムの提供者から決まったものだけが提供される前時代のシステムに対し、ユーザーによってカスタマイズできる現代のシステムを表現するときによく使われます。

「インタラクティブ」の使用例

続いて、ビジネスシーンでの使用例を見てみましょう。

社内会議で使われる「インタラクティブ」の使用例

【例文】
「会議はもっとインタラクティブにするべきだ」

決裁者の承認を求めるだけといった形式的な会議は、一方的なコミュニケーションとなります。そうではなく、参加者それぞれがコミュニケーションを取り、有意義な会議をしたいという意味合いになります。

業務施策で使われる「インタラクティブ」の使用例

【例文】
「消費者との良好な関係性を維持し、ファンを増やしていくにはインタラクティブな施策が重要です」

テレビCMや雑誌の広告などは、企業から消費者へ向けた一方的なコミュニケーションです。これに対し、SNSなどを用いたPRは、消費者からの書き込み、シェア、いいね! などがあるため、インタラクティブな施策といえるでしょう。

どちらの例文でも、「双方向にやり取りをする」といったイメージを持っておくと理解しやすく、使いやすくなります。

よく見る「インタラクティブ」を用いた表現

最後に、「インタラクティブ」を用いた表現についても確認しておきましょう

(1)インタラクティブスタディ

教える側が一方的に情報を提供する、教科書や映像などの学習方法に対して、学ぶ側の参加パートを多くした学習方法のことを指します。オンラインでやり取りができるような学習を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

アクティブラーニング、反転授業といった表現をする人もいますが、双方向性を強調したい時などにはインタラクティブスタディを使う人が多いようです。

(2)インタラクティブコミュニケーション

告知や放送といった一方向の発信ではなく、やり取りが発生するコミュニケーションを指して使われます。

例えば、企業のSNS担当者(更新者)が「中の人」と呼ばれ、ユーザーとコミュニケーションを取っている状況を思い浮かべると分かりやすいかも知れません。マーケティング領域では、ユーザーの声を反映するといった意味合いで使う場合もあります。

(3)インタラクティブデザイン

「操作が即時に反映される」「カスタマイズされる」といった、操作性をデザインすることを指して使われることが多い言葉です。

ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンス、ユーザビリティといった言葉と似ていますが、より双方向性を強調したい時に使われると考えると分かりやすいでしょう。

対人コミュニケーションや視覚的なデザイン性が伴わなくても使われる言葉なのでイメージしにくいかも知れませんが、双方向のやり取りがあるシステムを創出している場合などに使用されています。

「インタラクティブ」の類義語

さらに理解を深めるために類義語も見ていきましょう。

「双方向性」

前述してきた通り、インタラクティブの類義語として一番近いのは「双方向性」です。どちらか一方からだけではないコミュニケーションという意味が、違和感なくフィットする言葉です。

カタカナ語を多用したくない時、その場にインタラクティブの意味が分かない人がいると思われる時などに、言い換えに使う言葉としてもおすすめです。

「参加型」

「参加型」というのも、インタラクティブという言葉の中核となる部分を表現している言葉といえます。

インタラクティブコンテンツ、インタラクティブメディア、インタラクティブ動画など、ユーザーや消費者が参加するといった意味合いで使われる言葉も多いため、理解してもらいやすい言い回しといえるでしょう。

「対話型」

上記2つに比べると少し使用シーンは限られるのですが「対話型」もインタラクティブの類義語です。

インタラクティブスタディなど、どちらか一方からではなく、双方向からやり取りがある状況を示す場合には「対話型」の方が分かりやすい人もいるでしょう。

「インタラクティブ」の対義語

次に、インタラクティブの反対の意味を表す対義語を見ておきましょう。

「一方通行」

まずは「一方通行」です。インタラクティブが双方向からのやり取りができるのに対して、まさに反対の状況を表す言葉といえます。

「一方的」

もう少し広い意味も含む「一方的」も対義語といえるでしょう。

「操作に反応する」といった広い意味で使われるインタラクティブの反対と考えるのであれば、この表現がしっくりくるのではないでしょうか。

「ノンインタラクティブ」

最近少しずつ使う人も増えてきたのが、「ノンインタラクティブ」という言い方です。

インターネットといった双方向性があるメディアに対して、テレビや映画など、一方的な発信になりがちなメディアを指して、「ノンインタラクティブメディア」と呼ぶケースもあります。

ただし、普通の会話の中で突然「ノンインタラクティブ」という表現を使うと意味が伝わりにくいため注意が必要です。

ビジネスシーンで戸惑わないために

カタカナ語が使われるシーンや、自分が使わなければいけないシーンでは、「まず意味のコアな部分を思い浮かべるようにする」と覚えておきましょう。インタラクティブの場合なら、「双方向からやり取りするイメージ」を思い浮かべばOKです。

カタカナ語は、コミュニケーションを取る相手に正確な意味が伝わらない場合もあるので多用は避けたいところです。ただ、「インタラクティブ」は昨今のビジネスシーンなどでよく使われるようになった言葉でもあります。

なので、あえて言い換えをするというよりは、意味が伝わっていない人を見つけた時に、さりげなく言い換えて発言するとよいでしょう。

(藤田 尚弓)

※画像はイメージです

※この記事は2020年10月28日に公開されたものです

藤田尚弓

コミュニケーション研究家

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