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ビジネスで「幸甚」はどう使う? 意味や使い方・類語を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「幸甚」の言い換え表現

ビジネスシーンでは、「幸甚」のように、何らかの依頼をする場合や、心からの感謝を示す場合に使われる表現がいくつかあります。

似たような意味合いを持つ言葉を、言い換えの表現と共に紹介します。

「この上ない幸せです」

「幸甚です」と同じ意味ですが、柔らかい表現のため、手紙やメールだけでなく、口頭でも使えます。

また、目上・目下に関わらず、社内外の誰に対しても使うことができます。

例文

・今回のプロジェクトをみなさんと共にできることは、チーフとしてこの上ない幸せです。

「これに勝る幸せはございません」

こちらも「幸甚です」と同じ意味ですが、分かりやすい表現なので、口頭でも使えます。

目上の人に対しては「ございません」、それ以外は「ありません」と結ぶのが良いでしょう。

例文

・部長に仲人をお願いできるのでしたら、これに勝る幸せはございません。

「至福です」

「この上ない幸福」の意。福々しく、最高に満ち足りた気持ちを表現できます。

誰に対しても、手紙でも口頭でも使えます。

例文

・上田先生にこの家の設計をお願いできるなら、私たち2人にとってまさに至福です。

「ありがたく存じます」

「幸甚です」同様、恩恵を受けた相手に対して感謝を述べる時はもちろん、依頼をする時にも使えます。

口語なので「幸甚」のように堅苦しくなく、広く使える表現です。

例文

・この度は、遠路はるばるお越しいただき、誠にありがたく存じます。

「幸いです」

「幸甚です」よりも日常的な表現です。

お誘いや依頼、お礼など述べる際に、幅広く、誰に対しても使えます。丁寧に伝えたい時は「幸いでございます」が良いでしょう。

例文

・ぜひお目にかかれましたら、幸いです。

「うれしいです」

「幸甚です」よりも日常的で、「幸いです」よりも親しみやすい表現です。

同僚や目下の相手に対して使います。目上の人に対しては「うれしく存じます」と書くと丁寧です。

例文

・先日伺っていた資料の件、メールの添付で私宛に送りいただけたらうれしいです。

最大限の幸せを表現して依頼する「幸甚」という言葉

いかがでしたか?

依頼の文書で「幸甚です」と書く際は「引き受けていただければ、この上なく幸せです」という意味で使います。

「この上ない幸せ」はそう何度もあることではないので、日常的な依頼や仕事のやり取りで「幸甚です」を多用すると、重みが半減してしまいますね。

仕事のできる人は、たいてい依頼上手です。言い換え表現で挙げた言葉も使いながら、依頼スキルを高めましょう。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

※この記事は2020年09月19日に公開されたものです

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師) (ライティングコーチ・文章術講師)

コピーライターとして長年「ことば」に関わってきた経験値を元にまとめた「ほどよい敬語」(https://ameblo.jp/comkeigo/)が好評。過剰さや不適切さを排し、明快に説く内容は「違和感の理由がわかりスッキリした」と質問サイトなどでたびたび引用される。

自治体・団体・医療機関向けSNS活用、文章術研修の講師でもある。

著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(青春出版社)『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(日本経済新聞出版社)『ソーシャルメディアで伝わる文章術』(秀和システム)など。公益社団法人日本広報協会アドバイザー。

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