花言葉とは? 由来や決め方、贈る場面に合わせた花言葉の意味
花に気持ちを乗せてプレゼントしたい時、参考にしたいのが「花言葉」。今回は、花言葉の起源や成り立ち、プロポーズやお見舞いなどシーンに合ったおすすめの花を紹介します。
108本のバラには「結婚してください」という花言葉があると知っていますか?
私がその意味を知ったのは、旅館で働いている時でした。お客様が手配された108本もの深紅のバラと、その圧倒的な迫力。こんなすてきな花束でプロポーズされる彼女が心底うらやましいと思ったものです。
そんなふうに、気持ちを花言葉に込めて渡すことで、花の美しさだけではなく、自分の思いも相手に届けることができます。
今回は、そんな花言葉の起源と成り立ち、花を贈る場面に合わせた花言葉をご紹介します。
花言葉の起源
花言葉の起源は、トルコ流の恋文(セラム)にあるとされています。
セラムとは、小箱に入れたアイテムに意味を持たせ、気持ちや言葉を伝える表現方法です。
それがフランスへと伝わり、恋愛に関する意味が花に込められるよう形を変え、求愛の手段の1つ、花言葉となりました。
当初、上流階級の人たちのみが楽しんでいた花言葉は、18世紀末には中流階級に、その後は出版と同時に労働者階級まで広がったといわれています。
日本には、明治時代の初期に西洋文化とともに花言葉が伝わりました。
花言葉が1冊の本になったのは、文壇がロマンシズムで盛り上がっていた明治43年のことです。
花言葉の解説と、与謝野晶子の短歌が収められ、『花』というタイトルで世に出ました。
花言葉の意味の由来・決め方は?
花言葉はどうやって決まっているのでしょうか。ここで花言葉の由来についてご紹介していきます。
神話・伝説から
ヨーロッパ発祥の花言葉には、ギリシャ神話を由来にしたものも多くあります。
例えば、アネモネは、愛と美の女神アフロディテが、美少年アドニスに恋をし、彼が狩りの最中に死んだのを悼んで流した涙、あるいはアドニスの血から咲いた花とされています。
そのことから、「はかない恋」という花言葉が付けられました。
花言葉にある背景を知ることで、より深い意味を感じることもできますね。
花の特徴から
見た目や特性から花言葉につながった花もあります。
例えば、パンジーの花言葉は、うつむいている人の顔を連想することから「もの思い」。
丈夫でどんな環境でも育つカモミールは、「苦難に耐える」という花言葉を持っています。
その国の歴史や風習から
花にはさまざまな歴史的逸話があります。そこから付けられた花言葉も面白いんです。
たとえば、アザミの花言葉は「独立」。
1263年、スコットランドに侵入してきた近隣国の兵士が、暗闇で鋭い棘のあるアザミを踏みつけ、その痛みに思わず声を上げたことから奇襲を察知し、国を守ることができたという逸話が由来しています。
こうした花にまつわる逸話から、歴史への興味も生まれそうです。
花の色から
色は、人の心に印象や感情を与えます。色によって、感情的な意味が込められることで、同じ花でも全く意味が変わるのです。
色で意味が変わる花の中でもバラは有名ですが、チューリップやカーネーションも色によって意味が異なります。
例えば、チューリップの花言葉は「思いやり」です。
でも、赤は「愛の告白」、黄色は「望みのない恋」、白は「失われた愛」、紫は「不滅の愛」、ピンクは「愛の芽生え」と、花の色によって他の意味も持つのです。
告白・プロポーズにおすすめの花言葉
花とともにさりげなく自分の思いを伝えたい時、花言葉はとても役立ちます。
愛の言葉以外にも、さまざまな花言葉があるので、花を贈る場面に合わせて花を選んでみましょう。
ここでは、使いやすく、比較的花屋で見つけやすい花と花言葉をご紹介します。
まずは告白する時におすすめの花です。
赤いバラ「あなたを愛します」
王道は、やはり赤いバラ。「情熱」や「あなたを愛す」という意味を持っています。
また、本数でも意味が変わります。
1本だと「一目惚れ」、6本は「夢中」、7本は「ひそやかな愛」。そして108本だと「結婚してください」という意味になり、その時の気持ちを込めやすい花です。
ひまわり「あなただけを見つめます」
花が開くまでの間、毎日太陽の方を向いている性質から「あなただけを見つめます」という意味を持つようになったひまわり。
太陽の花、黄金の花とも呼ばれる華やかなひまわりの花束で気持ちを伝えたり、プロポーズしたりするのもいいですね。
ハナミズキ「私の愛を受け止めてください」
1912年に、アメリカから日米親善の証として贈られた花です。
白く美しい花で「永続性」という花言葉も持ちます。
花の時期が長く、樹形も整って美しいので、庭木や記念樹としても人気の高い木です。
誕生日のお祝いにおすすめの花言葉
誕生日には、贈る相手にぴったりの花言葉を持つ花がおすすめです。
ラナンキュラス「魅力的」
鮮やかな花びらがカップ状に重なって咲く姿から、「晴れやかな魅力」という花言葉も持ちます。
花束にしても主役になれる華やかな花です。
ダリア「優雅」
ナポレオンの妃ジョセフィーヌが愛したことでも知られ、花の女王ともいわれるダリア。
色や形に富んでいますが、バラと同様、青色の色素だけは持ち合わせていません。
花言葉は他にも「華麗」や「気品」、そしてジョセフィーヌの性格にちなんだ「気まぐれ」という花言葉もあります。
フリージア「親愛の情」
親友や仲のいい友人に贈るのにぴったりの花言葉です。
色によって、紫は「憧れ」、黄色は「無邪気」などの意味があり、香りも変わってきます。
香水にも用いられる、香りの良い花です。
お見舞いにおすすめの花言葉
お見舞いでぜひ選んでほしいのは、前向きな言葉を持つ花言葉です。
アキレア「治療」「いたわり」
悪魔を遠ざける強い力があると信じられている花で、結婚式の花束にも用いられてきました。
「ヤロウ」という別名もあり、薬用のハーブとして用いられることも。
ネリネ「また会う日を楽しみに」
花が咲いてから葉が出てくる、ちょっと変わった花です。
秋の光に輝く姿がダイヤモンドをイメージさせることから、「ダイヤモンドリリー」とも呼ばれます。
ガーベラ「希望」
「希望」の他には、明るく美しいガーベラらしい「前向き」という花言葉もあります。
色によっても花言葉が変わり、ピンクは「思いやり」、オレンジは「忍耐強さ」、黄色は「優しさ」と、どれもお見舞いで使いやすいですね。
お見舞いで花を渡す時の注意点
お見舞いにおいて注意したいのが、植木鉢の花。
「根付く」、つまり「寝付く」という言葉を連想させるため、お見舞いのシーンにおいては適切ではないとされています。
また、血を連想させる赤色の花、香りが強い花、花粉が多い花も避けるのが無難です。
病院の場合はお見舞いの花を禁止しているところもあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
さまざまな花言葉がありますが、中には怖い意味を持つ花もあります。そんな「怖い花言葉」を紹介します。
出産祝いにおすすめの花言葉
フクジュソウ「幸せを招く」
花言葉は、旧暦の正月の時期に雪の中から顔を出すことからきています。
日が陰るとしぼみ、日が出ると杯状に金色の花びらを広げる。その姿が、幸せや希望を連想させるといわれています。
ゲッケイジュ(月桂樹)「輝ける未来」
古代ギリシャでは、太陽神アポロンの木として、優れた人や競技優勝者に月桂樹が贈られたといいます。
「輝ける未来」は生まれたお子さんにぴったりですが、「栄光」という花言葉もあるので、出産を終えたお母さんを称える意味でもチョイスしてみてはどうでしょうか。
赤のカーネーション「無垢で深い愛」
母の日の花としても有名なカーネーションは、出産で母になったお祝いにぴったりな花です。
赤いカーネーションの花言葉は他にも「愛」「感動」などがあり、基本的に前向きな言葉が多いです。
しかし、黄色は「軽蔑」、濃い赤は「心の哀しみ」などの意味を持つので、この2色は避けるのが無難かもしれません。
花言葉はあくまで気持ちを添える手段の1つ
花は、そこにあるだけで明るく前向きな気持ちや、寄り添ってくれるような安心感を人に与えてくれます。
花言葉は思いを伝えたい時に便利ですが、手段の1つにすぎません。本当に大事なのは、あなた自身の気持ちです。
花言葉に縛られ過ぎて花を限定するのではなく、あくまで参考程度にしながら、四季折々の花やシーンに合った、あなたが贈りたいと思った花を選んでみてくださいね。
(さかもとみき)
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※この記事は2020年08月20日に公開されたものです