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上手なアドバイスの仕方とは。 独りよがりにならないコツ

トイアンナ

アドバイスって、とても難しいですよね。相手のためを思ってしたことが、実は独りよがりになっているなんてことも……。そこで今回は、コラムニストのトイアンナさんに、良いアドバイス・悪いアドバイスについて教えてもらいます。

私が17歳でレイプされた時、29歳で犯罪の被害にあった時、一番嫌だったのは「善意でアドバイスしてくる人」でした。

こういう人生のどん底にいる時は、大して仲良くもない人が「私もつらい目に遭ったの」と泣きながらカミングアウトしてくることも多いです。「あの時は私もつらかったの。もうだめだと思ったの」と、“アドバイス”という体裁で自分の傷を癒しにくる。

自分が孤独で一番寄り添ってほしい時に、むしろそれを利用して癒されたい人が寄ってくる。しかも“アドバイス”という殻を被って。それは、犯罪の被害に遭ったことと同じくらい、つらかったことの一つです。

アドバイスは、時として本質的に押し付けがましくて、独りよがりなものです。

「アドバイス」の正しい意味を知っていますか?

そもそも「アドバイス」という言葉の意味を知っていますか。そのままの意味としては「助言」ですが、英語の“Advice”は語源を探るとサンスクリット語の“veda”「私は知っている」という意味からきているという説があるようです。

他の言語を見ても、ギリシャ語、ロシア語、ガリア語、リトアニア語、ブルガリア語……いずれも「見える、分かる、知っている」という単語からアドバイスが派生しているらしいのです。

つまりは、語源からしてアドバイスって、相手の気持ちを全て知っているかのようでちょっと押し付けがましい言葉なんです。

アドバイスと指導の違い

また、アドバイスと指導の違いはさほどありません。どちらも「善意」から生まれているし、どちらも押し付けがましく、身勝手なものでもあるのです。

ただ、指導の方がまだマシかもしれません。なぜなら、「指導」は押し付けがましいこと前提でやってくるからです。反対に、アドバイスは一見対等なふりをした相手がやってくるので、より一層しんどいと感じてしまうのです。

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