フリーライダー社員の特徴と問題点・対応方法
「フリーライダー」という言葉を聞いたことはありますか? 簡単に言うと、他人の成果に「タダ乗りする人」のことを指します。今回はそんなフリーライダー社員の特徴や問題点、相手別の対応方法について、外資系OLコラムニストのぱぴこさんに解説してもらいました。
うそか真か、高給取りで知られる総合商社の中には「Windows2000」という言葉があるそうです。
もちろん「Windows2000」とは、Microsoft社が提供するOSの2000年版……ではありません。
「窓際族で年収2000万円」という、ある意味で夢のような待遇の一部社員を指した言葉だそうです。
正直うらやましい……けれど、自分の周囲の人間が「Windows2000」ばかりだったら、モチベーションを保つのはめっちゃ難しいです。
「Windows2000」「腰掛社員」「給与泥棒」など呼び名はさまざまありますが、利益を生み出さない(ように見える)のにちゃっかりお給料をもらっているフリーライダーについて、今回は見ていきましょう。
フリーライダーの言葉の意味
フリーライダーの言葉の意味は、「不労所得者」や「コストを負担せずに利益だけを得る人」です。言葉の通り「タダ乗りする人」を表します。
本来は心理学や社会学の中で学術的に使われる専門用語ですが、一般的にも浸透している言葉といえるでしょう。
会社組織におけるフリーライダーと問題点
前述の「Windows2000」に代表されるように、会社員として業務成果を上げず、利益貢献はしないのに給与・報酬を得る社員などが典型的です。
また、他人の成果を横取りして自分のものにする人も「他人の努力・成果にタダ乗りしている」といえます。他人が作り出した成果の上でのうのうと楽をする人間の母数が多ければ、その他の社員に伸し掛かる負担は増します。
日本企業は新卒一括採用のメンバーシップ型を取る企業が多く、かつ労働者の権利が強く守られているため、解雇のハードルは非常に高いです。
年功序列で上がった給与、長期間在籍していることで強まる発言権……これらを背景にしたタダ乗り社員の存在は、企業としても大きな問題です。
日本全体が少子高齢化に向かっているのと同様に、企業も逆ピラミッド型の構造になっていっています。
生産性の向上と社員1人当たりの売上高UPは各企業にとっても死活問題になります。フリーライダーを「正社員」という鉄壁の守りの中で抱え続ける余裕はありません。
「フリーライダー社員」は職場の士気を下げる
最も大きな悪影響はモチベーションの低下です。
誰だって「あいつ働かねぇな!?」という人間がいる横であくせく働いていたら、自分がばかなのか? と考える瞬間が訪れます。
完全歩合性なら成果が評価に直結しますが、多くはそうでないからフリーライダー社員が発生するのです。
「働いても働かなくても大した差がない」ことがフリーライダーによって可視化されれば、職場全体の士気に関わります。
モチベーションの低下は職場からの離脱などの問題も引き起こします。優秀な人間ほど別の場所に移り、フリーライダーだけがその場に残れば、組織は文字通り瓦解します。