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プレゼン成功のコツ! 10分で分かる話し方と資料作成のポイント

トイアンナ

プレゼンが苦手。話し方が分からない。資料作成の方法がよく分からない。プレゼンテーションにまつわる数々の不安に、元外資系企業勤務のコラムニスト・トイアンナさんが答えてくれます。10分で分かるプレゼン成功のコツとは?

こんにちは、外資系企業でプレゼンテーションのスキルを鍛えられてきた者です。

プレゼンテーションの教科書は本屋にたくさんあるので、それを読めば私なんかを超えたプロにも簡単になれる……のですが、プレゼンのコツを探している人は大体「翌日にプレゼンを控えていて、本を1冊読むどころじゃない」という事情も知っております

そこで今回は10分程度で読み切れるシンプルなプレゼン対策のポイントをお伝えします。

プレゼンテーションで大事なこととは?

プレゼンテーションで大事なことは「目的を決める」ことです。まずは「プレゼンをするために、プレゼンを作らない」と誓いを立ててください。プレゼンは目的ではなく、何かを達成するための手段だからです。

プレゼンで「誰を」「どう変えたいか」を明確にする

プレゼンをするということは、多数に情報を発信するということです。すなわち、聞き手に何らかの変化を起こさねばなりません。単に「知っていることを伝える」「理解を深める」だけでは、プレゼンの目的として失格です。

貴重な時間を割いてプレゼンを聞いたところで聞いた側の行動が変わらないなら、プレゼンの時間なんて無い方がマシだからです。

例えば、自己紹介のプレゼン一つとっても、

「自分のことを伝える」

というボヤっとした目的意識だと、構成やスライドの資料も適当になります。

ですが「自分の名前をとにかく覚えてもらい、今後社内で“ああ、この前面白い自己紹介をした〇〇さんね”と仕事が円滑に進む最初のステップを刻む」という目的なら、プレゼンの構成も考えやすくなるはず。

良い目的は、聞き手の変革を意識します。まずはプレゼンの目的を考えましょう

プレゼンを成功させるための事前準備

プレゼンを成功させるには、事前準備が非常に重要です。プレゼンの目的は相手に伝えたい内容を確実に伝えることでもあります。

その場でいくら論理的に伝えたつもりでも、聞き手からすると、「何を言いたかったのかいまいち分からない」といった結果になりかねません。

ここでは、プレゼンを成功させるための効果的な事前準備をいくつか紹介していきます

(1)プレゼンの構成を考える

プレゼンを成功させるには、話す順序などの構成作りが大切です。プレゼンの目的やメッセージを定めてから話進めることで、聞き手はスムーズに内容を理解できるでしょう。

そのためには、序章や本文、結論などのフローを明確にしておくと構成も作りやすくなります。

(2)話す練習をしておく

プレゼンをスムーズに進めるには話す練習も必要となります。なぜなら、頭では話す内容を理解していても、実際口に出して喋るとうまくいなかないためです。

また、誰かに内容を聞いてもらいフィードバックをもらうことで、プレゼンの質はさらに向上するでしょう。

(3)人のプレゼンをたくさん聞く

人のプレゼンをたくさん聞くことで、自分のプレゼンにも活用できます。人のプレゼンには、話を聞きやすくするトーンや話の論理性、張り詰めた空気を和らげるアイスブレイクなど、さまざまなテクニックやスタイルが盛り込まれているでしょう。

参考となる部分をメモしておいて、自分のプレゼンにも取り入れるようにしましょう。

(4)相手のことを調べておく

プレゼン相手について事前に調べておくことも重要です。プレゼンの目的は伝えたいことを伝えて相手に行動してもらうこと。すなわち、こちらの都合で進めても、相手に伝わらなければ意味がないプレゼンで終わってしまいます。

そこで、聞き手の興味や関心、バックグラウンドを調べておくことで、話に耳を傾けてくれる確率も向上します。

プレゼンで資料作成する際のコツ

プレゼンの資料の作り方は簡単。まずはパワポ(パワーポイント)でスライドを作る前に、構成を考えます。

構成はメモ帳に手書きでもいいですし、パワーポイントへ「このページでXXを書く」と概要メモだけ作ってスライドの骨子だけを組むのもありです。

プレゼンテーションの構造は「サンドイッチ」で考える

プレゼンの骨子は、作り方も簡単。

1.「これから〇〇についてプレゼンします」というスライドを作る
2.〇〇について説明する
3.「ここまでのまとめ」というスライドを作る

と、まずはサンドイッチ構造で考えればいいのです。

プレゼンテーションの構造を事前に考えて作成した例

例えば、私が「おいしいお店の探し方」をプレゼンするなら、こういう構成を考えます。

(表紙スライド)

1) プレゼンの目的
「おいしいお店を誰もが今日から10店舗見つけられるようにする」を目的として説明する

2) おいしいお店を見つける3つのポイント
1 グルメな友人を持つ
2 グルメな友人に自分が提供できる対価を作る
3 レビューサイトからグルメな人を見つける

3) ここまでのまとめ
・グルメな人とのコネが鍵
・対価は他のお店情報以外でもいい
・レビューに書きまくるグルメは有名店が好きなだけの人も多いので注意

(ご覧くださりありがとうございました、のスライド)

と、先ほどのサンドイッチ構造で挟んでいるだけです。

真ん中にある「プレゼンの中身」が複雑になることはありえますが、全体の構造は崩れません。

プレゼンテーションの資料は「1スライド、1メッセージ」

プレゼンテーションの構造が決まったら、今度は資料を作っていきます。スライド1枚につき、伝えるメッセージを1つまでに絞りましょう。

言いたいことを全部羅列したスライドは、メモとしては優秀でもプレゼンテーションとしては失格です。文字数を増やすと「それっぽく」見えますが、伝わる度合いは下がります。できるだけシンプルに、文字数を減らして箇条書きにしましょう。

……と、言いたいのは山々なんですが、プレゼンのフォーマットについては会社ごとにルールがあり、「言うことは全部書け」なんて会社も多いはず。郷に入っては郷に従いましょう。あなたにとって大事なのはプレゼンの正義より上司の機嫌です。

プレゼンですぐにまねできる! 話し方のコツ5つ

ここからは、プレゼンテーションの資料を作った後の話。プレゼンテーションを成功させる話し方の秘訣を紹介していきますので、参考にしてみてください。

(1)話すスピードを意識する

話すスピードは、聞き手が理解しやすいよう調整する必要があります。一般的に聞き手が理解しやすい話すスピードは、1分間に300文字程度と言われており、主にニュースを読み上げるアナウンサーがそれにあたります。

自分のペースも大切ですが焦らず、かといってゆっくりすぎない適度なスピードを意識してみましょう。

(2)資料に書いてあることは全て読まない

プレゼンにおいて、資料に書いてあることのみを読まないようにするのは大事なポイント。資料はあくまでも概要であり、内容をサポートする形でプレゼンを進めるとより効果的です。

そのためには、重要なポイントや補足部分などはあなた独自の言葉で表現すると、プレゼンがより引き立ちます。

プレゼンに良い雰囲気を持たせるためにも、資料に書いてあることではなく、オリジナリティを適度に入れることで、プレゼンがいきいきすることでしょう。

(3)視線に気を付ける

プレゼンは視線を聞き手に向けることも大切です。視線を聞き手に向けて目を合わせることで、コミュニケーションが生まれます。

聴衆の視線はプレゼン者に向けられるため、一点を見つめていたり資料を読み上げていたりでは、いまいち説得力に欠けるでしょう。

そのため、オーディエンス全体に目線を送ったり、個々の人にフォーカスしたりと目線の配り方には気をつけてください。

(4)専門的な用語を減らす

プレゼンにおいて、専門的な用語を多用するのは避けましょう。プレゼンの目的は聞き手に理解してもらうことです。専門用語を多用してしまうと、全体的に分かりにくいプレゼンとなってしまうでしょう。

専門用語はシンプルな言葉に置き換えたり、例を用いたりと誰でも分かりやすくすることが大切です。万が一、専門用語が多くなってしまう場合は、用語集を用意するなど資料の面からも工夫ができます。

(5)間(ま)を意識する

適度な間を活用することで話が聞きやすくなります。重要なポイントをスラスラと進めてしまうと、伝えたかったことがちゃんと伝わらずに終わってしまいます。

強調したい部分は一時停止したり、内容を区切るために適度に休止を入れたりすることで、全体的に理解しやすくなります。

ただし、長すぎる間や一時停止の多用は逆効果になるため、リズムやテンポを維持しつつ、適度に間を使いこなしましょう。

プレゼンをさらに盛り上げる4つのコツ

ここまで準備できたら、後は「プレゼンの加点要素」を追加していきましょう。

数字などのデータで根拠を入れる

たとえ自己紹介のプレゼンでも「私は野球が好きです」とだけ言われるより「野球が好きで、これまでに観戦した数は200回以上です」と伝えた方が具体的に伝わります。

プレゼンの主張には、裏付けるデータを追加しましょう。

スライドに事例を入れる

数的根拠は頼りになりますが、ただ並べられると退屈でもあります。数字だけを延々連ねると爆睡する人を生みかねないので「ここで、面白い事例なんですが……」と他社事例や、過去の事例を入れてみましょう

声に抑揚をつける

重要な部分は「特にゆっくり、特に大きく」話します。例えば、以下の文章の太字部分をゆっくり、大きな声で音読してみてください。

「いいお店を探すコツは3つあります。まず、グルメの友人を持つこと。そして、グルメの友人がいいお店をあなたに教えたくなるような対価を提供すること。最後に、レビューサイトからグルメな人を見つけることです」

こんな風に、キーワードをゆっくり・大きく話すと相手が退屈しないプレゼンテーションの話し方になります。

質疑応答の対策を練る

最後に、どんな質問が出るかを想像しておきましょう。当日考えてもみなかった質問をくらって、慌てないためです。

特に経営上の重要な決断を迫るプレゼンテーションでは、質疑応答がプレゼンの本体とすらいえます。事前に上司へ質疑応答対策を一緒に練ってもらうなど、協力者を得ておきましょう。

プレゼンテーションは簡単!

プレゼンテーションが苦手な人は、話が脱線したり、話す内容を準備できず「えーと」「そうですね……」と詰まったりしがち。ですが、目的と構造がしっかりできていれば、プレゼンテーションは簡単です。

話し方は訓練が必要ですが、最悪「話すのは苦手だけど、資料がとても分かりやすい」プレゼンテーションなら、その場は切り抜けられます

あなたが目の前のプレゼンを乗り切れるよう、応援しています!

(トイアンナ)

※画像はイメージです

※この記事は2020年07月21日に公開されたものです

トイアンナ (コラムニスト)

慶應義塾大卒。P&Gジャパン、LVMHグループで合わせて約4年間マーケティングを担当。その後は独立し、主にキャリアや恋愛に関するライターや、マーケターとして活動。著書に『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』や『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』などがある。

●ブログ「トイアンナのぐだぐだ」
http://toianna.hatenablog.com/

●Twitter
https://twitter.com/10anj10

●公式サイト
https://renaijuku.co.jp/

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