「かまととぶる」の意味とは? かまとと=ぶりっこスキルも伝授
「かまととぶる」という言葉がありますが、どういう意味か知っていますか? 同じように使われる「ぶりっ子」とはどう違うのでしょうか? 人気コラムニストのラブホの上野さんが言葉の解説と、どういう人を指すのかについて教えてくれました。
もしも男性から「かまととぶってる」と言われたら、それは基本的に好意的な言葉と考えて良いでしょう。
一方で女性から「かまととぶっている」と言われたら、それはかなりの危険信号。人間関係に重大な歪みが生まれる前兆と考えなくてはなりません。
では、それはなぜなのか。本文で解説していきます。
「かまととぶる」の意味と由来
まずは「かまととぶる」の「かまとと」について意味を確認しましょう。辞書には次のように記載されています。
蒲魚(かまとと)
知っているくせに知らないふりをして、上品ぶったりうぶを装ったりすること。また、その人。多く女性についていう。
[補説]蒲鉾 (かまぼこ) は魚 (とと) か、と尋ねたことに由来するという。近世末、上方の遊里で用いはじめた。
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり「かまととぶる」というのは、「知らない風を装ってうぶなふりをする」ということでしょう。
「かまとと」というのは「カマ(=かまぼこ)ってトト(=魚)からできているんですか、知りませんでした。さすが〇〇さんは博識ですね」というような江戸時代の遊女の話が語源になっているそうです。
当然ですがかまぼこは魚のすり身からできておりますし、現代ならまだしも江戸時代にそれを知らない人などいないでしょう。
もちろんこの話の遊女もそんなことは知っておりますので、相手の男性の気を引くためにわざと知らないふりをしたのです。
これが転じて「かまとと」は「知っているのに知らないふりをする」「ばかっぽく振る舞う」「子どもっぽく振る舞う」などの意味で使われるようになりました。
このように「かまとと」という言葉はあまりいい意味では御座いません。
しかしそれでもなお「かまとと」という言葉は男性からすると好意的な言葉なのです。
かまととぶるのはぶりっこスキルの一つ
かまととと同じような意味で使われる言葉として「ぶりっ子」が御座いますが、かまととはぶりっ子のスキルの一つとして考えると分かりやすいでしょう。
ぶりっ子はさまざまなスキルを駆使して男性の好意を根こそぎ奪いますが、そのスキルの一つが「かまとと」なのです。
つまり「かまととぶっている」と言われたら、それは相手から「ぶりっ子っぽい」と思われているということ。そして「ぶりっ子」に対しての印象は男女で180度違います。
おそらくこの記事をお読みの方は女性の方が多いと思うのですが、女性は基本的にぶりっ子を嫌います。男性の前でだけ猫なで声で喋るような女性のことを好きになる人などほとんどいないことでしょう。
一方で男性は「ぶりっ子」を非常に好みます。
もしも「ぶりっ子」が男性からも嫌われるのであれば、ぶりっ子になろうとする女性など存在いたしません。ぶりっ子は女性からの好感度を全て犠牲にして、男性から好かれることに特化した「対男性決戦兵器」なのです。
ですので「ぶりっ子っぽい」と言われるのは「男性にとって魅力的」というのとほぼ同義です。それが良いか悪いかは別にして、好意的に思われていると考えて問題ないでしょう。
男性に好かれたいか、女性に好かれたいか
男性と女性で好むものは全く異なります。
それが社会的な圧力のせいなのか先天的な遺伝によるものなのかはともかく、男女で好むものは異なるのです。
そして「ぶりっ子」はその最たるものの一つといえるでしょう。
もちろん世の中には男性からも女性からも好かれる魅力的な人が存在しますが、それはさまざまな面で特筆した能力を持っている一部の人に限られます。
平凡な我々はどちらかに好かれればどちらかに少なからず嫌われる悲しい運命を背負っているのです。
ですので、皆さまが男性と女性のどちらにより好意を持たれたいかということを考えて、自分の行動を選ぶ必要があるでしょう。
もしも女性から好かれたいのであれば、ぶりっ子など言語道断。絶対に選んではいけない選択肢でしょう。
一方で男性に好かれたいのであれば、ぶりっ子はかなり有効な手段に他なりません。
男性はなぜ「かまととぶる女子」を見抜けないのか
はるか昔、人類は木から降りて地上を二足歩行するようになりました。
この結果、尻尾は不要な器官となり人類の体から消滅し、今では尾骨骨付近に尻尾の名残が存在する程度となりました。
そうやって、生物は進化の過程で不要な器官を退化させてきたのです。
そしてこれは「男性がぶりっ子を見抜けない」ということの理由にもなるでしょう。
女性からすれば「どうして男性はあんなぶりっ子を見抜けないのか」と疑問に思うことでしょうが、男性からすればそもそも見抜く必要がないのです。
なぜならば、男性、つまり雄という性にとって、相手の女性が天然のぶりっ子なのか養殖なのかを見抜く必要性が御座いません。
天然だろうが養殖だろうが、相手が自分に媚を売っている時点で少なからず自分に好意があるのです。
極端な話、雌を妊娠させれば後は知らんぷりすることができる雄にとって、相手が自分に誠実であるかどうかなんてさほど重要な問題では御座いません。
一方で雌は妊娠後の生活を考えて、相手の雄が誠実かどうかを見抜かなくてはならないので、ぶりっ子が天然か養殖かを見抜く力を身に付けているのです。
つまり男性はそもそもぶりっ子を見抜く必要がないし、仮に見抜いたとしても、その上でどっちでもいいと考える生き物なのです。
▶次のページでは、かわいい「かまとと」の5原則について解説します。