「距離を置く」の意味。彼氏の心理と本音とは
人を振るのは疲れる。男性が「距離を置きたい」と言う理由
相手が悲しむ言葉など言いたくない
南波兄弟が宇宙を目指す漫画『宇宙兄弟』には、男性が自分から別れを切り出さない理由を理解するためにぴったりなシーンがございます。
そのシーンというのはJAXAのスタッフが宇宙飛行士試験を受けている受験生に合否の電話をするシーン。
このシーンで最初は鶴見というスタッフが1人で合否を電話していたのですが、星加というスタッフが「俺も合格ですと言いたい」と言って、合格を告げる仕事を分けてもらうようにお願いします。
そのときの鶴見の返事が
「じゃあ半分分けてやろう。ただし……不合格を伝える辛さも味わってもらうぞ」
というもの。
この言葉こそ男性が「ちょっと距離を置きたい」なんていう面倒な言い回しをする理由を的確に表したものでしょう。
誰だって、相手が悲しむ言葉など言いたくないのです。
それは相手が誰であっても変わりません。よほど特殊な状況を除けば、人は相手にいい言葉や優しい言葉を言いたいのです。
これは何も「人間は本質的に優しい」などという綺麗事からでは御座いません。
相手につらい言葉をかければ相手からの好感度は間違いなく下がります。相手に恨まれたり、自分が悪者になってしまうことも少なくないでしょう。
ですので人間は優しさだけではなく、自己保身のためにも相手に優しい言葉をかけたい生き物なのです。厳しい通告などできることなら誰もしたくありません。
それではこのことを踏まえて彼女と別れたい男性の心理を考えてみましょう。
男性が自分から別れを切り出さない最大の理由
先ほど申し上げた通り、男性は別れたいと思っている女性であっても、早急に自分のテリトリーから追放したいとは思っておりません。
興味もないし新たに何かをすることもないけれど、わざわざ自分から捨てるほどではない。かなり冷たい言い方になりましたが、これこそが男性の心理でございます。
つまり自分から別れを告げなくとも、今の時点では実害がほぼ0。そんな状況でわざわざ別れを告げるなんていうつらい行動を選択する理由がございません。
例えば皆さまの家にまったく使っていない家具があったとしましょう。
今の時点でまったく使っていないし、今後も使うことはない。その上、捨てるには処分費用がかかる。
もしもこの家具が大きくて、実生活を大きく邪魔しているのであれば処分費用を支払ってでも捨てることでしょう。しかしこの家具が小さくて、実害がほぼなければわざわざ捨てたりはしないのではないでしょうか?
使わないとはいえ、別にあっても困っていない。そんなものをわざわざ面倒な手間とお金を払ってまで人は捨てたり致しません。
これこそが男性が自分から別れを切り出さない最大の理由でしょう。
しかしすでに使っていない家具なので、自分からどっかに行ってくれるのであれば止める理由は御座いません。
ですので男性は「少し距離を置きたい」と言って、家具が自分からどっかに行ってくれることを望んでいるのです。
「別れよう」と言ってくれる男性は稀
振られる立場の女性からすれば、スパッと「別れよう」と言ってもらえたほうがありがたいのは間違いありません。
しかし男性の視点に立って考えれば、わざわざ「別れよう」と言うのはあまりにもメリットがないことなのです。
ですのでもしも男性がスパッと「別れよう」と言ってくれたのであれば、その男性は「これから別れる女性の今後のこと」も考えている非常に優しい人物の可能性が高いでしょう。
逆に言えば「ちょっと距離を置こう」と言う男性は、良い意味でも悪い意味でも「女性のその後」がどうなろうと知ったことではないと思っていると言えるのです。
もちろんこれから別れようとしている相手であるのは間違いないので、その後のことを考えないことがそこまで悪いことだとは思いません。
しかし、曲がりなりにも一時は付き合っていた相手の今後をまったく考えない男性が、そこまで魅力的な男性かと言えばかなり疑問が残ります。